Archive for the ‘交通事故(人身事故)’ Category
時速150kmを上回る高速度で事故を起こし、けがを負わせた事例②
時速150kmを上回る高速度で事故を起こし、けがを負わせた事例②
前回のコラムに引き続き、時速150kmを超える速度で走行し、人身事故を起こした事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
東京都新宿区に住むAさんは、スポーツカーを購入し、自分の車がどれだけのスピードを出せるか気になっていました。
深夜であれば近所の道路も往来がないだろうと考え、未明に近所の道路を法定速度をはるかに上回る時速150kmの高速度で走行しました。
以降、高速度での走行が病みつきになったAさんは、時速150kmを超える速度での走行を繰り返していたのですが、ある日、初めて事故を起こしてしまい、この事故によってVさんにけがを負わせてしまいました。
(事例はフィクションです。)
危険運転致傷罪と過失運転致傷罪
前回のコラムで解説したように、今回の事例では、Aさんに危険運転致傷罪や過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
制御困難な高速度による危険運転致傷罪の法定刑は15年以下の懲役(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」)第2条)、過失運転致傷罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金(自動車運転処罰法第5条)です。
過失運転致傷罪には罰金刑の規定があるのに対し、危険運転致傷罪には懲役刑の規定しかありません。
また、危険運転致傷罪の懲役刑の上限が15年であるのに対し、過失運転致傷罪では7年となっており、過失運転致傷罪と比べて危険運転致傷罪の方がはるかに重い刑罰が規定されていることがうかがえます。
取調べ対策
繰り返しになりますが、危険運転致傷罪と過失運転致傷罪では、危険運転致傷罪の方が科される刑罰が重く、場合によっては過失運転致傷罪の成立に向けた弁護活動が必要になってくる可能性があります。
過失運転致傷罪成立に向けた弁護活動の一つとして、取調べ対策が挙げられます。
取調べでは、供述調書が作成されます。
これは供述内容を基に作成される書面で、裁判などで証拠として使用されます。
供述内容を基に作成されるわけですから、供述を誘導されたことによって不利な内容を供述してしまった結果、意に反した供述調書を作成されてしまうこともあるでしょう。
一度作成された供述調書を訂正することは容易ではありませんから、意に反した供述調書を作成されたことで、裁判が不利に進んでしまうことも考えられます。
今回の事例では、Aさんが出していたスピードが制御困難な高速度にあたるのかが争点になると思われます。
ですので、おそらく取調べでは、事故当時Aさんが車を制御できていたのかなどを聞かれるでしょう。
もちろんAさんの供述だけで制御困難な高速度にあたるかどうか判断されるわけではありませんが、判断材料の一つにはなるでしょうから、不利な供述調書を作成されることで、成立する罪名が変わってしまうおそれも考えられます。
弁護士と事前に取調べ対策を行うことで、不利な内容の供述調書の作成を防げる可能性がありますから、取調べを受ける際は、弁護士に相談をしてから臨むことをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
危険運転致傷罪や過失運転致傷罪でお困りの方、取調べがご不安な方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
時速150kmを上回る高速度で事故を起こし、けがを負わせた事例①
時速150kmを上回る高速度で事故を起こし、けがを負わせた事例①
時速150kmを超える速度で走行し、人身事故を起こした事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
東京都新宿区に住むAさんは、スポーツカーを購入し、自分の車がどれだけのスピードを出せるか気になっていました。
深夜であれば近所の道路も往来がないだろうと考え、未明に近所の道路を法定速度をはるかに上回る時速150kmの高速度で走行しました。
以降、高速度での走行が病みつきになったAさんは、時速150kmを超える速度での走行を繰り返していたのですが、ある日、初めて事故を起こしてしまい、この事故によってVさんにけがを負わせてしまいました。
(事例はフィクションです。)
交通事故によるけがと犯罪
交通事故を起こして人にけがを負わせてしまった場合には、危険運転致傷罪や過失運転致傷罪などが成立する可能性があります。
危険運転致傷罪と過失運転致傷罪はどちらも、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動運転処罰法」)で規定されています。
危険運転致傷罪は、大まかに説明すると、事故を起こすような危険な運転を行った結果、事故を起こして人にけがを負わせた場合に成立します。
例えば、アルコールの影響で正常な運転が困難な状態で運転する行為や制御することが困難な高速度で運転する行為、赤信号を殊更に無視して走行する行為などが危険運転にあたります。(自動車運転処罰法第2条)
一方で、過失運転致傷罪は、簡単に説明すると、過失によって事故を起こして人にけがを負わせた場合に成立します。
例えば、周囲の確認がおろそかになって事故を起こしてしまった場合や赤信号を見落としたことで事故を起こした場合など、運転上必要な注意を怠った結果、事故を起こしてしまった場合が該当します。
Aさんに成立するのは
結論から言うと、Aさんには、危険運転致傷罪、過失運転致傷罪のどちらかが成立する可能性が高いといえるのですが、どちらが成立するかは明確に判断することができません。
というのは、事例のAさんの運転が危険運転にあたるかどうかが明確に判断できないからです。
事例の時速150kmはとてつもない高速度だといえますし、事故を起こす危険性の高い速度だといえるでしょう。
ですが、Aさんは今までにも時速150kmを超える速度での運転を繰り返しており、事故を起こしたことはありませんでした。
事故以前はAさんは時速150kmで問題なく走行できていたと考えられ、Aさんが時速150kmを超える速度で運転していた行為が、危険運転に該当するような、進行を制御することが困難な高速度での運転にあたるかどうかを明確に判断することは難しいとえいます。
Aさんの運転が危険運転にあたると判断されれば危険運転致傷罪が成立する可能性が、危険運転にあたらないと判断されれば過失運転致傷罪が成立する可能性が高いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
危険運転致傷罪や過失運転致傷罪でお困りの方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無免許で親の車を乗り回し、人身事故を起こした事例
無免許で親の車を乗り回し、人身事故を起こした事例
無免許運転で人身事故を起こした事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
大阪市北区に住むAさんは免許を取得していないにもかかわらず、親の車を勝手に使用し、近所をドライブしていました。
Aさんは道路を横断中のVさんに気づかず、Vさんを車でひいてしまいました。
すぐに警察と救急車を呼び、Vさんは病院へ搬送されました。
Vさんは命に別状はなく足を骨折したようです。
Aさんにはどのような罪が成立するのでしょうか。
(事例はフィクションです。)
無免許運転
道路交通法第64条
何人も、第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(省略)、自動車又は一般原動機付自転車を運転してはならない。
免許を取得しないで車を運転する行為は道路交通法で禁止されています。
ですので、無免許運転をすると道路交通法違反が成立します。
今回の事例では、Aさんが無免許運転を行っていますので、Aさんに道路交通法違反が成立する可能性があります。
無免許運転による道路交通法違反で有罪になると、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。(道路交通法第117条の2の2第1項1号)
過失運転致傷罪
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」)第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
過失運転致傷罪は簡単に説明すると、運転上払うべき注意を怠り、事故を起こして人にけがをさせると成立する犯罪です。
今回の事例では、Aさんは道路を横断するVさんに気づかずに車でひいて骨折させてしまったようです。
Aさんが周囲をしっかりと確認していれば事故を防げた可能性がありますから、Aさんに過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
無免許過失運転致傷罪
自動車運転処罰法第6条4項
前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。
無免許運転過失運転致傷罪は、その名の通り、無免許状態で過失運転致傷罪にあたる罪を犯した場合に成立します。
今回の事例のAさんは無免許運転をしていますので、無免許過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
Aさんに成立する可能性のある無免許過失運転致傷罪は罰金刑の規定がなく、過失運転致傷罪に比べて科される刑罰が重くなってしまう可能性が非常に高いです。
弁護経験が豊富な弁護士に相談をすることで、少しでも科される刑罰を軽くできる可能性があります。
無免許運転で人身事故を起こしてしまった方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
中央分離帯の生垣から飛び出してきた子供をはねてしまい過失運転致傷罪で捜査を受けることになった事例
中央分離帯の生垣から飛び出してきた子供をはねてしまい過失運転致傷罪で捜査を受けることになった事例
飛び出してきた子供をはねてしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
Aさんは東京都八王子市の道路を車で走行していたところ、突然中央分離帯の生垣から子供が飛び出してきました。
Aさんは咄嗟にブレーキを踏んだのですが間に合わず、子供を車ではねてしまいました。
はねられた子供は近くの病院に救急搬送され、重傷を負いましたが、一命を取り留めました。
Aさんは過失運転致傷罪の容疑で八王子警察署の警察官から捜査を受けることになりました。
(事例はフィクションです。)
過失運転致傷罪
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
過失運転致傷罪は簡単に説明すると、車を運転するために必要な注意を払わずに事故を起こして人にけがをさせると成立する犯罪です。
今回の事例では、Aさんは中央分離帯の生垣から飛び出してきた子供を車ではねて、けがを負わせたようです。
今回の事例のAさんには過失運転致傷罪が成立するのでしょうか。
結論から言うとAさんが気を付けていれば防げた事故なのであれば、Aさんに過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
例えば、Aさんが前方をしっかりと確認していれば生垣に子供がいることがわかるしょうな状態であれば、Aさんが前方の確認を怠った(運転上必要な注意を怠った)として、Aさんに過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
一方で、子供が完全に生垣に隠れていて前方の確認をしっかりと行っていても事故は防ぎようがなかったのであれば、Aさんは運転上必要な注意を怠ったわけではありませんので、Aさんに過失運転致傷罪は成立しない可能性があります。
このように、事故を起こして人にけがを負わせた場合であっても、必ず過失運転致傷罪が成立するわけではありません。
状況によっては罪に問われない可能性もありますから、過失運転致傷罪の容疑で捜査を受けたり逮捕された場合には諦めないことが重要になってきます。
今後Aさんは警察官や検察官から取調べを受けることになるでしょう。
事故を起こした車に付けられていたドライブレコーダーはもちろんのこと、事故を起こしたAさん本人の供述も重要な証拠となります。
取調べの際は証拠として扱われる供述調書が作成されますので、事前に供述内容を整理しておくことをおすすめします。
とはいえ、どのように供述すればいいのかわからない方がほとんどだと思います。
交通事件の経験豊富な弁護士と取調べ対策を行うことで少しでも良い結果を得られる可能性がありますから、事前に弁護士と取調べ対策を行っておくことをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
過失運転致傷罪でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
遅刻を免れるため赤信号を無視して交差点に進入し事故を起こした事例
遅刻を免れるため赤信号を無視して交差点に進入し事故を起こした事例
赤信号を無視して事故を起こした事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
車で通勤しているAさんは、仕事に遅れそうだったため、赤信号を無視しながら走行していました。
Aさんが大きい交差点に差し掛かった際もAさん側の信号は赤だったのですが、目視で確認したところ、車は来ていなかったため交差点に進入してしまいました。
実はAさんが走行している交差点の横断歩道ではVさんが横断中であり、Vさんに気づかなかったAさんはVさんを車ではねてしまい、全治3か月のけがを負わせてしまいました。
Aさんは、危険運転致傷罪の容疑で、神奈川県鶴見警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
危険運転致傷罪
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第1項(一部省略)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
7号 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
赤信号を殊更に無視し、交通の危険を生じるような速度で運転して事故を起こし、人にけがを負わせた場合には、危険運転致傷罪が成立します。
今回の事例では、Aさんは仕事に遅れないようにするために赤信号を無視しながら職場へ向かっていたようです。
ですので、赤信号を殊更に無視したと判断される可能性がありそうです。
また、AさんはVさんを車ではねて、けがを負わせているわけですから、重大な交通の危険を生じさせる速度だったと判断されるおそれがあります。
ですので、今回の事例のAさんは危険運転致傷罪の罪に問われる可能性があります。
危険運転致傷罪と執行猶予
赤信号無視による危険運転致傷罪は有罪になると15年以下の懲役が科されます。
危険運転致傷罪に罰金刑の規定はありませんので、有罪になると必ず懲役刑が科されることになります。
ですが、有罪になってしまうと必ず刑務所に行かなければならないわけではありません。
執行猶予付き判決を得ることができれば、刑務所に行かなくて済む場合があります。
例えば被害者に誠心誠意謝罪と賠償を行うことで、執行猶予付き判決を得られる可能性があります。
加害者本人が被害者と連絡を取ることは不可能ではありませんが、連絡先を教えてもらえない可能性や思わぬトラブルに発展してしまうおそれがあります。
弁護士であれば連絡先を教えてもらえたり、トラブルを回避できる可能性がありますので、被害者との示談を考えている方は、弁護士に相談をしてみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
危険運転致傷罪などの交通事件でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
【事例紹介】ブレーキとアクセルを踏み間違えコンビニに突っ込んだ事例
【事例紹介】ブレーキとアクセルを踏み間違えコンビニに突っ込んだ事例
ブレーキとアクセルを踏み間違えて事故を起こしたとして、過失運転致傷罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
25日午前、宮城県仙台市のコンビニエンスストアに乗用車が突っ込み、客2人が軽いけがをしました。80代の乗用車の運転手は「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」と話していて、仙台中央警察署が事故の詳しい状況を調べています。
(中略)
この事故で、店にいた客の男性と女性の合わせて2人がけがをして病院に搬送されましたが、いずれも軽傷だということです。
(中略)乗用車の運転手を過失運転傷害の疑いでその場で逮捕しました。
(後略)
(6月25日 NHK NEWS WEB 「東京 江戸川区 コンビニに車突っ込み2人けが 80代運転手を逮捕」より地名、警察署名を変更して引用しています。)
過失運転致傷罪
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
過失運転致傷罪は、簡単に説明すると、車を運転するうえで必要な注意を払わずに事故を起こし、人にけがを負わせた場合に成立する犯罪です。
今回の事例では、ブレーキとアクセルを踏み間違えたことでコンビニエンスストアに突っ込んだと報道されています。
車を運転するうえで、ブレーキとアクセルを踏み間違えないように注意する必要がありますから、実際に容疑者がブレーキとアクセルの踏み間違えでコンビニエンスストアに突っ込み、けがを負わせたのであれば、運転上必要な注意を怠ってけがを負わせたとして、過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
また、過失運転致傷罪は、けがの程度が軽い場合には、刑が免除されることがあります。
今回の事例では、けがを負った2人とも軽傷だと報道されていますので、報道のとおり容疑者が事故を起こしていたとしても、けがの程度によっては、情状により、刑が免除される可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
過失運転致傷罪の弁護経験が豊富な弁護士による弁護活動で、不起訴処分など、より良い結果を得られるかもしれません。
また、弁護士が検察官や裁判官に釈放を求めることで早期釈放を実現できる可能性があります。
過失運転致傷罪で逮捕された方、現在捜査を受けている方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
【事例紹介】人身事故を起こし怖くなって逃げてしまったひき逃げ事件②
【事例紹介】人身事故を起こし怖くなって逃げてしまったひき逃げ事件②
前回のコラムに引き続き、ひき逃げ事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務事務所が解説します。
事例
6月29日、横浜市青葉区で80代の女性が車にはねられ大けがをしました。警察は現場から立ち去った(中略)女をひき逃げの疑いで逮捕しました。
調べによりますと、女は6月29日、普通乗用車を運転中、横浜市青葉区の交差点を右折した際に、横断歩道を渡っていた近くに住む86歳の女性を車ではね、救護せず立ち去った疑いが持たれています。86歳の女性は右足の骨を折るなど大けがをしました。
(中略)
女は調べに対し、「怖くなって逃げた」という趣旨の話をしていて、容疑を認めているということです。
(7月3日 NBS長野放送 「「怖くなって逃げた」高齢ドライバーが救護せず立ち去る「いったん車は止まったが、すぐに発車…」横断歩道で86歳女性はねられ重傷 山梨の74歳女をひき逃げ疑いで逮捕」より地名を変更して引用しています。)
過失運転致傷罪
過失運転致傷罪は刑法ではなく、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」といいます。)で規定されています。
自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
過失運転致傷罪は簡単に説明すると、運転するうえで払うべき注意を怠り、事故を起こして人にけがを負わせると成立する犯罪です。
今回の事例では、容疑者は交差点を右折する際に女性を車ではね、けがを負わせたとされています。
容疑者が右折時に周囲の確認を怠ったなどの過失によって人身事故を起こしたのであれば、容疑者に過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
過失運転致傷罪と弁護活動
過失運転致傷罪で有罪になると懲役刑や禁錮刑、罰金刑が科されることになります。
過失運転致傷罪では初犯であれば必ず罰金刑が科されるわけではなく、悪質性が高い場合やけがの程度が重い場合には、初犯であっても懲役刑や禁錮刑が科される可能性があります。
ですので、前科前歴がない場合であっても楽観視せず、早い段階から弁護士に相談をすることが重要になります。
交通事件に精通した弁護士に相談をすることで、略式起訴による罰金刑や執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
略式起訴では、裁判が行われませんので公の法定で罪を裁かれることはありませんし、裁判が開かれないわけですから裁判が開かれる場合よりも早く事件が終了することになります。
また、執行猶予付き判決を獲得することができれば、刑の執行が猶予されますから、懲役刑や禁錮刑が科されたとしても刑務所に行かずに済む場合があります。
略式起訴や量刑、執行猶予に付すかを判断するうえで、取調べ時に作成される供述調書は非常に重要な役割を果たします。
供述調書はとても重要な証拠になりますので、意に反した供述調書を作成されてしまうことがないように注意しなければなりません。
ですが、初めての取調べであれば特に、緊張や不安から警察官などの誘導に乗ってしまったり、思うように供述できないおそれがあります。
事前に弁護士に相談をし、供述内容を整理したり対策を練ることで、安心して取調べを受けられる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
過失運転致傷罪などでお困りの方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
【事例紹介】人身事故を起こし怖くなって逃げてしまったひき逃げ事件①
【事例紹介】人身事故を起こし怖くなって逃げてしまったひき逃げ事件①
ひき逃げ事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務事務所が解説します。
事例
6月29日、横浜市青葉区で80代の女性が車にはねられ大けがをしました。警察は現場から立ち去った(中略)女をひき逃げの疑いで逮捕しました。
調べによりますと、女は6月29日、普通乗用車を運転中、横浜市青葉区の交差点を右折した際に、横断歩道を渡っていた近くに住む86歳の女性を車ではね、救護せず立ち去った疑いが持たれています。86歳の女性は右足の骨を折るなど大けがをしました。
(中略)
女は調べに対し、「怖くなって逃げた」という趣旨の話をしていて、容疑を認めているということです。
(7月3日 NBS長野放送 「「怖くなって逃げた」高齢ドライバーが救護せず立ち去る「いったん車は止まったが、すぐに発車…」横断歩道で86歳女性はねられ重傷 山梨の74歳女をひき逃げ疑いで逮捕」より地名を変更して引用しています。)
ひき逃げ
道路交通法第72条1項では、事故を起こした場合の対応について規定しています。
道路交通法第72条1項前段では負傷者の救護を、後段では警察署への事故の報告を規定しています。
負傷者の救護や事故の報告は義務ですので、事故を起こした場合には必ず、負傷者の救護や事故の報告を行わなければなりません。
事故を起こしたにもかかわらず、救急車を呼んだり、警察署への報告をしない場合には、ひき逃げにあたり、道路交通法違反の罪に問われることになります。
今回の事例では、容疑者が86歳の女性を車ではね救護せずに立ち去ったと報道されています。
実際に容疑者が人身事故を起こし、救護せずに立ち去ったのであれば救護義務違反にあたると考えられますので、道路交通法違反が成立する可能性があります。
自らが起こした事故で人にけがを負わせ救護しなかった場合に道路交通法違反で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。(道路交通法第117条2項)
ひき逃げと逮捕
ひき逃げ事件では、一度事故現場から逃走しているわけですから、逃亡のおそれが高いとして、逮捕・勾留されてしまう可能性が高いです。
逮捕・勾留されてしまうと、普段通り会社に出勤したり学校に通学したりできなくなってしまいます。
出勤や通学ができないことで、何らかの処分を科せられたり、学生であれば出席日数や単位の取得に悪影響を及ぼす危険性があります。
弁護士は勾留請求に対する意見書を検察官や裁判官に提出することができます。
勾留の判断前に意見書を提出し釈放を求めることで、勾留されることなく釈放を認めてもらえる可能性があります。
また、勾留が決まってしまった後でも準抗告の申し立てにより釈放を求めることができます。
弁護士による身柄開放活動で釈放を実現できる可能性がありますから、ご家族が逮捕された方は一度弁護士に相談をしてみることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
勾留請求に対する意見書は勾留判断前(逮捕後72時間以内)に提出する必要がありますので、ご家族が逮捕された方は、お早目に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務事務所にご相談ください。
【事例紹介】横断歩道を横断中の小学生をひき、過失運転致傷罪で逮捕された事例②
【事例紹介】横断歩道を横断中の小学生をひき、過失運転致傷罪で逮捕された事例②
横断歩道を渡っていた小学生を車でひいてけがを負わせたとして、過失運転致傷罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
名古屋市中村区の路上を車で走行していたAさんは、青信号の横断歩道を横断中の小学性をひいて全治2か月のけがを負わせてしまいました。
その後、Aさんは、過失運転致傷罪の容疑で愛知県中村警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
危険運転致傷罪
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
(1号から6号省略)
7号 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(以降省略)
赤信号を殊更に無視して重大な交通の危険を生じさせる速度で車を運転し、人にけがを負わせた場合には、危険運転致傷罪が成立します。
事例のAさんは赤信号であるにもかかわらず横断歩道に侵入し、横断中の小学生をひいてしまっています。
もしもAさんが赤信号を見落としたのではなく、急いでいたなどの理由から赤信号を意図的に無視したのであれば、赤信号を殊更に無視したと判断されるかもしれません。
また、赤信号無視による危険運転致傷罪の成立には、重大な交通の危険を生じさせる速度で走行していたことが必要になりますが、Aさんは小学生をひいて全治2か月のけがを負わせており、事故を回避できない速度で走行していたわけですから、重大な交通の危険を生じさせる速度であったと判断される可能性があります。
ですので、事例のAさんは、逮捕罪名である過失運転致傷罪ではなく、危険運転致傷罪が成立してしまう可能性があります。
過失運転致傷罪と危険運転致傷罪では、危険運転致傷罪の方が科される刑罰が重くなる可能性が高いです。
ですので、過失によって赤信号を見落としてしまった場合と、故意に赤信号を無視した場合とでは、科される刑罰が異なる可能性があります。
故意に赤信号を無視したわけではないのに、危険運転致傷罪の容疑で起訴されてしまう場合もあるかもしれません。
弁護士に相談をすることで、危険運転致傷罪での起訴を避けられる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
過失運転致傷罪や危険運転致傷罪でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
【事例紹介】横断歩道を横断中の小学生をひき、過失運転致傷罪で逮捕された事例①
【事例紹介】横断歩道を横断中の小学生をひき、過失運転致傷罪で逮捕された事例①
横断歩道を渡っていた小学生を車でひいてけがを負わせたとして、過失運転致傷罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
名古屋市中村区の路上を車で走行していたAさんは、青信号の横断歩道を横断中の小学性をひいて全治2か月のけがを負わせてしまいました。
その後、Aさんは、過失運転致傷罪の容疑で愛知県中村警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)
過失運転致傷罪
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
大まかに説明すると、車を運転するうえで払うべき注意を払わずに事故を起こし、人にけがを負わせると過失運転致傷罪が成立します。
今回の事例では、小学生が青信号の横断歩道を横断中に、Aさんの運転する車にひかれ全治2か月のけがを負ったようです。
Aさんが前方をしっかりと確認していれば小学生に気づけた可能性が高いですし、信号をきちんと確認していれば赤信号であることに気づけたでしょう。
前方の注意や信号の確認を怠るなど、過失により小学生をひいてけがを負わせたのであれば、Aさんに過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
過失運転致傷罪で逮捕されたら
逮捕されると、逮捕後72時間以内に勾留の判断が行われます。
勾留が決定すると最長で20日間勾留されることになり、その間は会社や学校には行けません。
ですので、長期間休みが続くことで、会社や学校に逮捕されたことを知られてしまう可能性が高くなってしまい、会社を解雇されたり、学校を退学することになってしまう可能性があります。
弁護士は勾留の判断が行われる前であれば、検察官や裁判官に釈放を求める意見書を提出することができます。
この意見書の提出により、勾留されることなく、釈放を認めてもらえる可能性があります。
また、勾留が決定した場合でも、裁判所に準抗告の申し立てを行うことで、釈放を求めることができます。
準抗告の申し立てにより釈放が許可された場合には、勾留満期を待つことなく釈放されることになります。
弁護士に相談をすることで、釈放を認めてもらえる可能性があります。
交通事件でご家族が逮捕された場合や、過失運転致傷罪の容疑をかけられている場合には、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談をおこなっています。