Archive for the ‘飲酒運転’ Category

飲酒運転で危険運転致死事件

2019-07-20

飲酒運転で危険運転致死事件

~ケース~
Aさんは神戸市須磨区内の居酒屋でアルコールを飲んだ後、乗ってきた自動車に乗り帰路につきました。
Aさんは酒に酔っていたこともあって運転への集中力が低下しており、道路を横断するVに気付かず、ノーブレーキでVに衝突してしまいました。
Aさんは自ら兵庫県須磨警察署に通報し、Vは救急車で病院に搬送されましたが、間もなく死亡が確認されました。
Aさんは呼気検査を受け、呼気1リットルにつき0.35ミリグラムのアルコールが検出されたので、危険運転致死罪の疑いで現行犯逮捕されました。(フィクションです)。

~酒気帯び運転の罪~

身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(軽車両を除く)を運転すると、「酒気帯び運転の罪」が成立します。
法定刑は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。(道路交通法第117条の2の2第3号)。
「政令で定める程度」とは、「血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム」です(道路交通法施行令第44条の3)。

Aさんは呼気1リットルにつき0.25ミリグラムのアルコールが検出される状態で自動車を運転していたのですから、酒気帯び運転の罪は逃れられないでしょう。
もっとも、Aさんは酒を飲んで運転への集中力が低下していたというので、正常な運転が困難であったとして、後述する危険運転致死罪が成立する可能性も高いと思われます。
この場合、酒気帯び運転についても危険運転致死罪の中に含まれるため、危険運転致死罪と別に酒気帯び運転に問われることがありません。

~過失運転致死罪~

過失運転致死罪は自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死亡させる犯罪です。
「自動車の運転上必要な注意」とは、自動車運転者が、自動車の各種装置を操作し、そのコントロール下において自動車を動かす上で必要な注意義務のことをいいます。

ケースのAさんには、左右から横断する歩行者の有無及びその安全を確認しながら自動車を進行させる注意義務があったといえるでしょう。
これを怠った結果Vと衝突し、よってVを死亡させてしまったと評価できるならば、Aさんに過失運転致死罪が成立します。
過失運転致死罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となります(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)。
この罪も、より重い危険運転致死罪が成立する場合は別途問われることはありません。

~危険運転致死罪~

飲酒運転により人を死傷させた場合は、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を死亡させた」者については「危険運転致死」の罪が成立します。
裁判で有罪が確定すると1年以上の有期懲役(20年以下)に処されます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条1号)。
また、危険運転致死罪については「アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。」(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律3条)という条文もあることから、飲酒運転し始めたときから「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態」でなくとも認められる可能性があります。

Aさんは居酒屋でアルコールを飲んで、運転への集中力が低下しており、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態となったとされる可能性があります。
この状態で自動車を走行させVさんを死亡させており、危険運転致死罪に問われる可能性が高いです。

~身柄解放活動~

Aさんが勾留されず、起訴もされなければAさんの社会復帰も円滑に進みますが、近年は酒気帯び運転中の事故に大変厳しく、勾留・勾留延長の決定がなされ、さらに起訴される可能性も充分考えられます。
勾留されてしまった場合には、準抗告などの不服申し立て手続きを行い、Aさんの釈放を目指す活動が考えられますが、準抗告が功を奏さず身柄拘束が続き、起訴されてしまった場合には、「保釈」を目指すことになります。
「保釈」とは、保釈保証金の納付を条件として、被告人に対する勾留の執行を停止して、その身柄拘束を解く裁判及びその執行を意味します。
保釈金の額は、犯罪の性質・情状、証拠の証明力、被告人の性質・資産を考慮し、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額が定められます。

~公判~

危険運転致死罪として起訴された場合、裁判員裁判となり、裁判官だけでなく一般市民から選ばれる裁判員による裁判となります。
被害者の遺族との示談が成立していること、あるいは保険により被害者の損害が遺族に賠償される見込みがあることなどを主張し、より軽い量刑の判決の獲得を目指します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が飲酒運転で死亡事故を起こしてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

サウナ後の飲酒運転

2019-07-10

サウナ後の飲酒運転

埼玉県入間市に住む会社員のAさんは、久しぶりに会社から連休を得たことから知人と居酒屋に食事することになりました。
Aさんは、「帰りは代行で帰ろう」と思い、自宅から車を運転し、車を居酒屋の駐車場に停めました。
そして、Aさんは、居酒屋でビール(500ミリリットルジョッキ)2杯、焼酎水割り2杯を飲みました。
Aさんは2時間くらい食事を楽しんだ後知人と別れました。
その後、Aさんは、次の日も会社が休みだったことから、「近くの温泉でサウナに入ろう」と思い、車を駐車場に停めたまま徒歩で行ける温泉施設に入り、2時間程度、サウナなどえ汗を流して施設を出ました。
そして、Aさんは、車を停めていた駐車場へ戻り、車を運転して帰宅していたところ、警邏中のパトカーに呼び止められました。
Aさんは埼玉県狭山警察署の警察官の呼気検査に応じたところ、呼気からアルコールが検出されてしまいました。
そこで、Aさんは道路交通法違反(酒気帯び運転の罪)で現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~ 飲酒運転でよくある勘違い ~

体内にアルコールが残存していることを確定的に認識しながら飲酒運転することは言語道断です。
また、

1 ひと眠りしたから大丈夫
2 お風呂やサウナで汗を流したから大丈夫

などと勝手に判断して運転をすることも同様に飲酒運転とされてしまいます。
なお、1については、個人差(体型、体調等)はありますが、体重60キロの人が、ビール500ミリリットル1杯を処理できる時間の目安は「約4時間」と言われています。
さらに、睡眠時は肝臓の機能が低下し、体内のアルコール処理速度が低下すると言われていますから、処理時間についてはさらに注意する必要があります。

また、2については、体内のアルコールの大部分は肝臓で分解されますから、汗や尿などでアルコールが抜けることはほとんどありません。
繰り返しますが、ご自身では大丈夫と判断されても、呼気検査等で客観的な数値が出るなどしてしまうと飲酒運転の認識で運転したということになりかねませんから、上記の点はよく注意する必要があります。

~ 飲酒運転(酒気帯び運転と酒酔い運転) ~

ところで、飲酒運転には「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類があります。
酒気帯び運転とは、血液1ミリリットルにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg以上アルコールを保有する状態で車両等(軽車両(自転車など)を除く)を運転することをいいます(法65条1項、117条の2の2第1号)。

一方で、酒酔い運転は、酒気帯び運転のように数値以上の飲酒を必要としません。
酒酔い運転とは、酒気を帯びて車両等を運転した場合で、その運転した場合に酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)にあった場合の運転をいいます(法65条1項、117条の2第1号)。
このことからすれば、例えば、体質的にアルコールの弱い方が、ビールをコップ1杯飲んだことにより、身体に保有するアルコールの量が上記の数値以下であっても、「酒に酔った状態」と判断されれば酒酔い運転となります。

罰則も異なります。
酒気帯び運転は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、酒酔い運転は「5年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。
酒酔い運転の方が、より、交通の危険を惹起するおそれが高いことから、罰則が重く設定されています。

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東京都西東京市の飲酒検知拒否事件で逮捕

2019-06-30

東京都西東京市の飲酒検知拒否事件で逮捕

東京都西東京市に住むAさんは、お酒を飲んで車を運転していたところ、警視庁田無警察署の警察官の一斉検問に遭いました。
Aさんは車から降り、警察官に呼気検査を求められました。
しかし、Aさんは飲酒運転したことが会社にばれたらクビになると思い、警察官の執拗な説得にも関わらずこれを拒否したところ、飲酒検知拒否罪逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

~ 警察官の呼気検査権と飲酒検知拒否罪 ~

道路交通法67条3項は、警察官に呼気検査権を認める規定です。

道路交通法67条3項
車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者が第六十五条第一項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは、警察官は、次項の規定による措置に関し、その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため、政令で定めるところにより、その者の呼気の検査をすることができる。

そして、道路交通法118条の2では、

道路交通法118条の2
第67条(危険防止の措置)第3項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げた者は、3月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

とされています。
これは飲酒検知拒否罪と呼ばれることが多いのですが、実は、妨げた場合でも処罰され得ることから注意が必要です(以下では、拒んだ場合も、妨げた場合もまとめて飲酒検知拒否罪といいます)。

~ 飲酒検知拒否罪が成立するのはどんな場合? ~

上記でご紹介した規定をまとめると、飲酒検知拒否罪が成立するのは以下の場合ということになります。

1 誰が?     →車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者
2 どういう場合に?→第65条第1項の規定(酒気帯び運転の規定)に違反して車両等を運転するおそれがあると認められたとき
3 何をした?   →警察官の飲酒検知検査を拒み、又は妨げた

以下では、各要件についてみていきたいと思います。

~ 誰が?(上記1について) ~

飲酒して、当該車両に乗車したばかりの者、又は現に乗車しようとしている者はもとより、いったん運転を開始して途中停車している者(警察官が一斉検問中、進行してきた車両を停止させたとき、その車両を運転していた者)又は下車して再び乗車しようとしている者も含まれると解され、必ずしも運転したことを要しないと解されています。

「乗車しようとしている」の程度については、車両等のドアに手をかけた又はかけようとしている段階と解されています。
よって、ある方が居酒屋から飲酒状態で出てきて、ドライブキーを持ちながら駐車場に停めてある車の方に向かっている時点では「乗車しようとしている」とはいえません。

~ どういう場合に?(上記2について) ~

酒気帯び運転の禁止に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときをいいます。
「酒気帯び」とは、外観上(顔色,呼気,言動等)から飲酒状態と認知できる状態をいい、外観上から認知できればよいのですから、機器等で正確にアルコール保有値を図る必要はありません。
「車両等を運転するおそれがある認められるとき」とは、周囲の状況等により、その者が車両等を運転することが客観的に認められる状態をいうと解されています。

~ 何をした?(上記3について) ~

「拒み」とは、言語、動作、態度により、拒否の意思が客観的に明らかになったと認められる段階のことをいいます。

・明確に「嫌だ」と拒否する
・風船を受け取らない
・うがいをしない
・風船を受け取ったがふくまらせない

などの行為が挙げられます。
「妨げ」については

・検知管、酒気帯び鑑識カードを破損する、隠匿する

などの行為が挙げられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、飲酒検知拒否罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
弊所では0120-631-881で24時間、初回接見サービス、無料法律相談のお問い合わせ・ご予約を受け付けております。
東京都飲酒検知拒否事件でお困りの際は、一度弊所弁護士までご相談ください。

飲酒運転(アルコール)の発覚をおそれひき逃げ

2019-06-25

飲酒運転(アルコール)の発覚をおそれひき逃げ

Aさん(52歳)は、東京都足立区で自動車を運転中に、交差点で自転車と接触事故を起こし、自転車の運転手に加療2カ月を要する怪我を負わせてしまいました。
しかし、Aさんは、事故を起こす直前に飲酒をしていたため、飲酒運転による人身事故の発覚を恐れて、そのまま走り去ってしまいました。
帰宅したAさんは、Aさんの様子を不審に思った妻から問い詰められた結果、妻に事件のことを打ち明け、妻とともに事故から約10時間後に警視庁綾瀬警察署に出頭しました。
Aさんは「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」と「ひき逃げ」の疑いで、警視庁綾瀬警察署で事情を聴かれることになったため、Aさんの妻は刑事事件に強い弁護士無料相談を申込みました。
(フィクションです。)

~ はじめに ~

過失運転致(死)傷アルコール等影響発覚免脱罪は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、法律)という法律が新設された際(施行日は平成26年5月20日)に設けられた罪で、法律の4条に規定されています。

~ 新設の趣旨 ~

過失運転致(死)傷アルコール等影響発覚免脱罪が新設された趣旨は、学説からは様々な批判があるものの、一般に「『逃げ得』を防止するため」と説明されています。
つまり、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させて人を死亡させた場合には危険運転致死罪が適用されますが (法律2条1号、。法定刑の上限は懲役20年)、 その場合に犯人が逃走することで、 アルコールによる影響の程度を立証できないために危険運転致死罪の適用を免れる事態が生じてしまいます。
こうした法制の下では、 救護義務違反罪 (いわゆる、ひき逃げ) を犯してでも、罪の重たい危険運転致死傷罪の適用を免れるためにその場を逃走する者が生じやすくなり、結果として、過失運転致死罪と救護義務違反でしか処罰できないということになりかねません(この場合の刑(処断刑)の上限は懲役15年)。
そこで,、このような「逃げ得」を防止し、 適正な処罰を可能とするために本罪が新設されたと説明されています(過失運転致(死)傷アルコール等影響発覚免脱罪と救護義務違反が成立した場合の刑の上限は懲役18年)。

~ 過失運転致(死)傷アルコール等影響発覚免脱罪とは ~

では、過失運転致(死)傷アルコール等影響発覚免脱罪の内容について具体的にみていきましょう。
法律4条では次の規定が設けられています。
法律4条の規定が長いので、これを箇条書きにしてまとめると、過失運転致(死)傷アルコール等影響発覚免脱罪は

(行為者):アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者
(条 件):運転上必要な注意義務を怠り、よって人を死傷させた場合
(行 為):アルコール又は薬物の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為

をした場合に成立し得る犯罪ということになります。

~ 逃げても出頭すれば罪に問われない? ~

Aさんは「ひき逃げ」の罪にも問われています。
ひき逃げとは、道路交通法72条1項前段に規定する救護措置義務、同項後段に規定する事故報告義務義務に違反することです。同項1項前段では、「直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路の危険を防止する等必要な措置を講じなければならない」と規定されています。
つまり、まずは、「直ちに車両等の運転を停止」しなければならず、停止せず立ち去った場合はもちろん、停止した場合でも、負傷者を救護し、道路の危険を防止する等必要な措置を講じなかった場合は、その時点で救護義務違反(ひき逃げ)が成立します。
あとで警察に出頭したからといって「ひき逃げ」の罪が免除されるわけではありませんから注意が必要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、飲酒運転、交通事故、交通違反をはじめとする刑事事件少年事件専門の法律事務所です。
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減らない飲酒運転

2019-06-20

減らない飲酒運転

福岡県うきは市に住む会社員のAさんは大のお酒好きです。
Aさんは、職場の飲み会に参加し、そこで、ビール2杯(中ジョッキ)、焼酎5杯(200ml水割り、いずれも半分の量)、ウィスキー(ダブル5杯)を飲みました。
飲み会は午前1時に終わり、その際はタクシーで帰宅しました。
そして、Aさんはシャワーを浴び、ひと眠りして午前7時に起きました。
Aさんは、「昨晩、かなりの量のお酒を飲んだ。」との認識はありましたが、「一晩寝たから大丈夫だろう」と思い、いつも通り車を運転して出勤しました。
そうしたところ、Aさんは警邏中の福岡県うきは警察署のパトカーに呼び止められ、警察官から呼気検査を求められました。
すると、呼気から0.5mgのアルコールが検出され、Aさんは道路交通法違反(酒気帯び運転の罪)の被疑者として検挙されてしまいました。
Aさんは逮捕されませんでしたが、その後の処分が気になって弁護士に相談に行きました。
(フィクションです)

~ 根絶には程遠い飲酒運転 ~

飲酒運転の検挙は後を絶ちません。
平成30年度版の犯罪白書によれば、平成29年度に、酒酔い運転・酒気帯び運転の飲酒運転で検挙、検察庁へ送致された件数は、2万7195件だったそうです。
平成で最も検挙者が多かった平成9年の34万3593件に比べれば1/10以上減少していますが、近年の飲酒運転の検挙数に目を向けると

平成25年 2万869件
平成26年 2万7122件
平成27年 2万6664件
平成28年 2万6423件

とほぼ横ばいとなっており、なかなか「飲酒運転の根絶」には程遠い状況です。

~ 飲酒運転による交通事故は? ~

では、飲酒運転による交通事故の件数はどう推移してきているのでしょうか?
警察庁の発表によれば、平成30年は、3355件で、年々減少傾向が続いていますが、平成20年度(6219件)以降は減少幅が落ちてきており、飲酒運転同様根絶には程遠い数字となっています。

* 飲酒運転による死亡事故件数 *
平成30年度の飲酒運転による死亡事故件数は2881件とこれも年々減少傾向にあるといえます。
しかし、飲酒運転時の交通死亡事故発生率は、そうでないときに比べ「約8倍」あるといわれており、飲酒運転は交通死亡事故に繋がりやすいといえます。

~ 飲酒運転に対する刑罰 ~

飲酒運転をすれば以下のような厳しい刑罰を受けるおそれがあります。

・酒気帯び運転の罪【3年以下の懲役又は50万円以下の罰金】
→血液1ミリリットルにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg以上アルコールを保有する状態で車両等(軽車両(自転車など)を除く)を運転した場合に問われ得る罪です。

・酒酔い運転の罪【5年以下の懲役又は100万円以下の罰金】
→酒気を帯びて車両等を運転した場合に、酒に酔た状態であった場合に問われ得る罪です。

・過失運転致死傷罪【7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金】
→飲酒運転中に、過失によって人を死傷させた場合に問われ得る罪です。

・危険運転致死傷罪【人を負傷させた場合は15年以下の懲役、死亡させた場合は1年以上の有期懲役】
→アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させて、人を負傷させたり、死亡させた場合に問われ得る罪です。

~ 原因はドライバーの認識の甘さ ~

飲酒運転の原因は、ドライバーの認識の甘さにあるとも言われています。

飲酒運転をした方の中には

・一晩寝たから大丈夫
・酒に強いから大丈夫
・それほど飲んでいないから大丈夫
・これまでに事故を起こしたことがないkら大丈夫
・警察に見つかっていないから大丈夫

などと言い訳をする方がおられます。
アルコールの分解は、性別、年齢、体重、体質、体調などによっても変わり得るもので、睡眠中は分解速度が遅くなると言われています。
たとえ、自分は大丈夫、と思っても、様々な事情から飲酒運転の認識ありとされてしまいますので、注意が必要です。

~ おわりに ~

最近は、飲酒運転による事故ではないものの、交通事故によって幼い子供の命が奪われるという痛ましい事故のニュースをよく目にします。

そういう悲惨な事故を起こさないためにも、お一人お一人が飲酒運転のおそろしさ、怖さを自覚する必要があるでしょう。

もし、飲酒運転でお困りの際は、弊所の弁護士までご相談ください。

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お困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。
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空き地で交通違反・交通事故

2019-06-15

空き地で交通違反・交通事故

京都府城陽市に住むAさんはお酒を飲んだ後,駐車スペースを空けるため,空き地において軽自動車を運転したところ,たまたま近くを通りかかった京都府城陽警察署のパトカーに呼び止められました。
Aさんは,警察官から呼気検査を受けたところ,呼気1リットルにつき0.2mgのアルコールが検出されました。
そして,Aさんは,道路交通法違反(酒気帯び運転の罪)の被疑者として警察官から赤切符の交付を受けました。
Aさんとしては,「空き地であれば酒気帯び運転しても問題ない」と考えていましたが,警察官からは「私道でも交通違反になることがある」と言われてしまいました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

自動車を運転する道は必ずしも公道だけに限らず,私道の場合もあります。
そして,そこが道路交通法上の「道路」と認められる場合である場合は,たとえ「私道」であっても道路交通法の適用を受けるのです。
そこで,今回は,道路交通法の基本中の基本である「道路」の意義を中心に解説したいと思います。

~ 道路交通法上の「道路」の意義 ~

道路交通法2条1項1号で「道路」とは,「道路法第2条第1項に規定する道路,道路運送法第2条第8項に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所をいう」とされています。
「道路法第2条第1項に規定する道路」とは,①高速自動車国道,②一般国道,③都道府県道,④市町村道をいいます。
なお,都市高速道路は,都道府県道又は市町村道のいずれかに当たります。
「道路運送法第2条第8項に規定する自動車道」とは,専ら自動車の交通の用に供することを目的として設けられた道で道路法による道路以外のものをいい,「一般自動車道」と「専用自動車道」に分けられます。
「一般自動車道」とは,専用自動車道以外の自動車道をいい,「専用自動車道」とは,自動車運送事業者(自動車運送事業を経営 する者をいう。以下同じ。)が専らその事業用自動車(自動車運送事業者がその自動車運送事業の用に供する自動車をいいます。

~ 一般交通の用に供するその他の場所 ~

では,最後の「一般交通の用に供するその他の場所」とはどのような場所をいうのでしょうか?
「一般交通の用に供するその他の場所」とは,不特定の人や車両が自由に通行できる場所をいい,公道であるか私道であるかを問わないとされています。
そして,交通実務では,次の3点から「一般交通の用に供するその他の場所」かどうかを判断しています。

①一般交通の用に供されていると客観的に識別できること
②当該道路が反復,継続して利用されていること
③公開されていること

これらの要素が満たされた場所であれば,「私道」,「空地」,「広場」,「海辺」,「公開中の公園の道路」,「学校の構内の道路」,「神社の境内」等を問わず,道路交通法上の「道路」とされます。

~ 「道路」であるとどうなるの? ~

「道路」であると認められる場合は,道路交通法に基づく罰則を科される可能性が出てきます。
ちなみに,Aさんは酒気帯び運転をした疑いが高いわけですが,酒気帯び運転について定めた道路交通法65条1項は,まず,「何人も,酒気を帯びて運転してはならない」と規定し,さらに「運転」の意義については,道路交通法2条1項17号で「『道路』において,車両又は路面電車(以下,車両等という)をその本来の用い方に従って用いることをいう。」とされています。
したがって,「空き地,駐車場では絶対に交通違反にはならない」などという認識は誤りですから注意しましょう。

* 人身事故の場合は? *
仮に,「道路」では場所で,人身事故を起こした場合はどうでしょうか?
この場合,道路交通法の適用とありませんが,過失により人に怪我をさせたり死亡させた場合は,「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に規定される過失運転致死傷罪に問われる可能性があります。
同罪の罰則は「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」です。

~ おわりに ~

道路交通法は,「道路」における危険を防止し,その他交通の安全と円滑を図り,及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的としています。
したがって,道路交通法を理解することは「道路」意義を理解するといっていいほど「道路」の意義は重要です。
皆さんも,日頃運転している道が「道路」なのか否か少し気に留めてみてはいかがでしょうか?

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,交通違反をはじめとする刑事事件少年事件専門の法律事務所です。
交通違反に関連する刑事事件でお困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。
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バイクで飲酒運転

2019-05-26

バイクで飲酒運転

神奈川県茅ケ崎市に住むAさんは、高校時代の友人と飲み会をすることになり、バイクで居酒屋に向かいました。
久しぶりに会った友人との飲み会は大いに盛り上がり、Aさんはかなり酔っぱらってフラフラな状態でした。
その後、飲み会が終わり、解散することになりました。
フラフラな状態のAさんを見て友人は、「バイク置いてタクシーで帰れよ」と言いました。
それに対しAさんは、「近くだからバイク押して帰る」などと言いながら、バイクを押して帰っていきました。
Aさんは、途中でバイクを押すことに疲れ、バイクを運転してしまいました。
しかし、フラフラな状態のAさんは、案の定、バランスを崩して転倒。
歩道にバイクごと乗り上げ、歩行者とぶつかりケガをさせてしまいました。
Aさんもケガをしたことから、歩行者とともに救急車で病院に運ばれました。
翌日、Aさんの入院する病院に神奈川県茅ケ崎警察署の警察官が訪れ、もう少し回復したら取調べをする旨を言い残し、帰っていきました。
Aさんはどうなってしまうのでしょうか。
(フィクションです)

~バイクの飲酒運転もダメ、ゼッタイ~

飲酒運転で人を死傷させたニュースを見ると、自動車を運転して事故を起こしたケースが多いと思います。
しかし、当然ながらバイク・原付での飲酒運転も禁止されており、事故を起こした際には自動車の飲酒運転の場合と同じ法律が適用されます。
条文を見てみましょう。

——————

道路交通法
第65条1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

第117条の2
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第1号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの

第117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)
第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
第1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

第3条
アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。

第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

——————

飲酒運転には、罪が軽い順に以下のような罪が成立する可能性があります。

①酒気帯び運転の罪(道路交通法第65条1項、第117条の2の2第3号)
②酒酔い運転の罪(道路交通法65条1項、第117条の2第1号)
③過失運転致傷罪(自動車運転処罰法5条)+①または②
④自動車運転処罰法3条の危険運転致死傷罪
⑤自動車運転処罰法2条1号の危険運転致死傷罪

①と②は事故を起こしていなくても飲酒運転をした時点で成立し、免許取消しや免許停止にもなるでしょう。
①はろれつが回らなかったり、千鳥足になっているなど、正常な運転が出来ない恐れがある場合で、そこまでではないが飲酒はしているという場合が②です。

さらに人をケガさせたり、死亡させた場合には、③④⑤が成立する可能性が出てきます。
③は、飲酒運転をしているが、事故の直接の原因が飲酒運転以外にある場合(たとえばわき見運転やスピード違反)に成立します。

④と⑤は事故の直接の原因が飲酒運転にある場合です。
⑤は最初から正常な運転が困難な状態で運転した場合を規定しています。
④は正常な運転に支障が生じるおそれがあるにとどまる状態で運転をはじめ、やがて正常な運転が困難な状態に陥って事故を起こした場合を規定しています。
⑤の方がより悪質なので、より重い刑罰が定められています。

~逮捕・懲役の可能性も~

今回のAさんのような場合にどの条文が適用されるかの判断は難しいところです。
実際には、より詳しい事情もふまえて判断されることになりますが、居酒屋を出た時やバイクを乗る時にフラフラだったことを考えれば、一番重い⑤の危険運転致傷罪が成立する可能性も否定できません。

そして警察はAさんの回復を待ってAさんを逮捕するかもしれません。
その後、刑事裁判を受けて、懲役刑を受ける可能性もあるでしょう。

自動車での飲酒運転はもちろん、バイク・原付の飲酒運転で交通事故を起こした場合も、一度弁護士に相談されるとよいでしょう。
弁護士であれば、それぞれの事案に応じた今後の見通しや、取調べの受け方についてアドバイスすることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事弁護を専門とする弁護士による法律相談が初回無料となっております。
ぜひ0120-631-881までご連絡ください。
神奈川県茅ケ崎警察署までの初回接見費用:37,600円

【さいたま市】飲酒運転と犯人隠避罪②

2019-04-21

【さいたま市】飲酒運転と犯人隠避罪②

Aさんは,さいたま市浦和区の居酒屋で一緒に酒を飲んでいた交際相手であるBさんから「ちょっとコンビニまでたばこを買いに行きたい」「車を貸してほしい」と頼まれ,運転キーをBさんに渡しました。
そして,Bさんは,Aさん名義の車を運転してコンビニまで向かう途中,運転を誤って車を道路端の電柱にぶつけてしまいました。
Bさんは,車を動かすことができず,警察に電話しようかと考えました。
しかし,Bさんは飲酒運転をしてきた上に,大事な就職試験をひかえていたことからAさんに電話し,「大変なことをしてしまった」「飲酒運転がばれると就職できなくなるから,ここはお前が運転していたことにしてくれないか」といいました。
Aさんはどうしようか迷いましたが,長年交際してきたBさんのためならと思い,急いで現場に急行し,現場に来た警察官に自分が飲酒運転の犯人である旨を言いました。
ところが,後日,Bさんが飲酒運転していたことが判明し,Aさんは犯人隠避罪,道路交通法違反(車両提供の罪),Bさんは道路交通法違反(酒気帯び運転の罪),犯人隠避教唆の罪で逮捕されました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

先日の「飲酒運転犯人隠避罪①」では,Aさんの犯人隠避罪,道路交通法違反(車両提供の罪)についてご説明いたしました。
本日は,Bさんの道路交通法違反(酒気帯び運転の罪)及び犯人隠避教唆の罪についてご説明したいと思います。

~ 酒気帯び運転の罪 ~

酒気帯び運転の罪に関する規定は,道路交通法(以下「法」)65条1項,117条の2の2第3号,道路交通法施行令(以下「施行令」)44条の3にあります。

法65条1項
何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

法117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く)を運転した者で,その運転した場合いおいて身体に政令で定める程度以上に  アルコールを保有する状態にあったもの

施行令44条の3
法第117条の2の2第3号の政令で定める身体に保有するアルコールの程度は,血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとする。

これからすると,酒気帯び運転とは,血液1ミリリットルにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg以上アルコールを保有する状態で車両等(軽車両(自転車など)を除く)を運転することをいいます。
そして,酒気帯び運転の罪では,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金の刑を科されるおそれがあります。

~ 犯人隠避教唆の罪 ~

犯人隠避についてご説明する前に,まず,「教唆」とは何なのかご説明いたします。

= 教唆とは =
教唆とは,まだその犯罪に対する実行の決意を生じていない他人を唆して,犯罪実行の決意を生じさせることをいいます。
教唆は,特定の犯罪の実行を決意させるに足りるものでなければならないとされています。
よって,例えば,単に「何か犯罪をやってこい」とか,漠然と「何か金になるものを盗ってこい」といっても教唆には当たりません。
しかし,実行すべき犯罪を特定して教唆すれば,いちいち,犯罪の日時,場所,方法,客体など詳細まで指示する必要はないとされています。

本件では,BさんがAさんに,電話で「飲酒運転がばれると就職できなくなるから,ここはお前が運転していたことにしてくれないか」といっています。
これは,犯人隠避罪という特定の犯罪を決意させるために必要,十分な言葉だといえます。
よって,Bさんのかかる行為は「教唆」に当たり得るのです。

= 犯人蔵匿・隠避罪 =
しかし,ここである一つの疑問が生じます。
それは,なぜBさんは犯人隠避罪ではなく,犯人隠避教唆の罪に問われているのかという点です。

まず,犯人自身が逃げ隠れても犯人隠避罪に問われることはありません。
これは犯人隠避罪を規定した刑法103条を見ても明らかです。
また,実際上も,犯人が自ら逃げ隠れたりするのは人情の自然であり,一般に期待可能性がないからなどと説明されています。
つまり,罪を犯した人に逃げも隠れもするなと法律で求めようとしても,そういったことを犯人に期待するのは無理な話だろう,ということです。

しかし,他人を教唆してまで逃げ隠れすることは犯人隠避罪の教唆犯に当たるとするのが最高裁判所の考え方です(昭和40年2月26日)。
その理由とするところは,犯人自身の隠匿行為が不可罰とされるのは,これらの行為を罰することが刑事訴訟法における被告人の防御の地位と相容れないからであるのに対して,他人を教唆してまでその目的を達成しようとすることは,もはや法の放任する防御の範囲を逸脱するという点にあるとされています。

先日,Aさんに犯人隠避罪が成立することはご説明いたしました。
Bさんは,そのAさんを唆しているわけですから犯人隠避教唆の罪に問われているわけです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,飲酒運転に関連する犯人隠避罪をはじめとする刑事事件少年事件専門の法律事務所です。
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【さいたま市】飲酒運転の犯人隠避罪①

2019-04-16

【さいたま市】飲酒運転の犯人隠避罪①

Aさんは,さいたま市浦和区で一緒に居酒屋で酒を飲んでいた交際相手であるBさんから「ちょっとコンビニまでたばこを買いに行きたい」「車を貸してほしい」と頼まれ,運転キーをBさんに渡しました。
そして,Bさんは,Aさん名義の車を運転してコンビニまで向かう途中,運転を誤って車を道路端の電柱にぶつけてしまいました。
Bさんは,車を動かすことができず,埼玉県浦和警察署に電話しようかと考えました。
しかし,Bさんは飲酒運転をしてきた上に,大事な就職試験をひかえていたことからAさんに電話し,「大変なことをしてしまった」「飲酒運転がばれると就職できなくなるから,ここはお前が運転していたことにしてくれないか」といいました。
Aさんはどうしようか迷いましたが,長年交際してきたBさんのためならと思い,急いで現場に急行し,現場に来た警察官に自分が飲酒運転の犯人である旨を言いました。
ところが,後日,Bさんが飲酒運転していたことが判明し,Aさんは犯人隠避罪,道路交通法違反(車両提供の罪),Bさんは道路交通法違反(酒気帯び運転の罪),犯人隠避教唆の罪で逮捕されました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

事例のように,酒酔い・酒気帯び運転,無免許運転など運転者の身代わりとなって,警察官に「自分が犯人だ」などと虚偽の供述をするというケースが散見されます。
これのようなケースが起きやすいのは,事故(あるいは違反)発生から警察官の現場臨場まで時間があること,実際の運転行為を現認している者がいないことなどの理由から,比較的,当事者間で口裏合わせをしやすいことが原因だと思われます。
本件では,Aさんが「自分が飲酒運転の犯人だ」などと言って虚偽の供述をし,犯人隠避罪に問われています。
そこで,まず,犯人隠避罪とはどんな罪なのかみていきたいと思います。

~ 犯人蔵匿・隠避罪 ~

犯人隠避罪については刑法103条に規定されています。

刑法103条
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者(略)を蔵匿し,又は隠避させた者は,3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

= 罰金以上の刑に当たる罪 =
「罰金以上の刑に当たる罪」とは,法定刑として罰金刑以上の刑が規定されていればよく,選択刑として拘留・科料が規定されていても構わないとされています。
この点,Bさんは道路交通法違反(酒気帯び運転の罪)に問われているわけですが,酒気帯び運転の罪の法定刑は「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですから,Bさんが犯した罪は「罰金以上の刑に当たる罪」に当たることになります。

= 罪を犯した者 =
「罪を犯した者」の意義については,
・無実の者を蔵匿・隠避する行為は,国家の刑事司法作用を侵害する程度が著しく低く,期待可能性に乏しいなどとして,真犯人に限るという説
・国家の刑事司法作用を害する者を処罰するという103条の趣旨に鑑み,真犯人に限らず,犯罪の嫌疑を受けて捜査又は訴追されている者も含むとする説
がありますが,判例は後者の説に立っています。
本件では,Bさんが真犯人であることは明らかですから,いずれの説に立つにしてもBさんは「罪を犯した者」に当たります。

= 蔵匿・隠避 =
「蔵匿」とは,犯人に場所を提供してかくまってやることをいいます。
「隠避」とは,蔵匿以外の方法によって官憲による逮捕・発見を免れされる一切の行為を指し,Aさんのように,Bさんの代わりに警察官に「自分が犯人だ」と言う行為,自首する行為,犯人に変装用の衣服や旅費を与える行為などは「隠避」に当たります。

= 故意 =
本件の故意としては,Aさんが被蔵匿者又は被隠避者が「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」であることの認識が必要ですが,判例は,罰金以上の刑に当たる罪質の犯罪事実を犯した者であることを知っていれば,その罪の法定刑が罰金以上であることの認識までは必要ないとしています。
つまり,Aさんが,Bさんが「飲酒運転を起こした人」であるという程度のことが分かっていれば故意は認められそうです。
この点,Aさんは,Bさんと一緒に酒を飲んでいたこと,Bさんから飲酒運転したことを打ち明けられていることからすれば故意は認められそうです。

以上から,Aさんには犯人隠避罪が成立しそうです。

~ 車両提供罪 ~

本罪は,相手方が酒気を帯びている者で,酒気を帯びて車両等を運転すること(飲酒運転すること)となるおそれがあることを認識しながら,相手方に車両等を提供した場合に成立する犯罪です(道路交通法65条2項)。
罰則は,5年以下の懲役又は100万円以下の罰金です(道路交通法117条の2第2号)。
「提供」とは,提供を受ける者が利用し得る状態に置くことをいい,Aさんのようにエンジンキーを渡す行為などがこれに当たります。
Aさんは,車両提供罪でも処罰される可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,飲酒運転に関連する犯人隠避罪をはじめとする刑事事件少年事件専門の法律事務所です。
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飲酒検知拒否罪で逮捕

2019-04-01

飲酒検知拒否罪で逮捕

東京都台東区に住むAさんは,警視庁上野警察署飲酒検知拒否罪の容疑で逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの家族は,釈放してもらうため,刑事事件専門の弁護士に刑事弁護を依頼しました。
(フィクションです)

~飲酒検知拒否罪~

飲酒検知許否罪とはどんな罪なのでしょうか?
飲酒検知許否罪に関する規定である道路交通法118条の2及び63条3項を確認してみましょう。

道路交通法118条の2
第67条(危険防止の措置)第3項の規定による警察官の検査を拒み,又は妨げた者は,3月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

道路交通法67条第3項
車両等に乗車し,又は乗車しようとしている者が第65条第1項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは,警察官は,(略),その者の呼気の検査をすることができる。
(※第65条第1項=何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはならない)

では,どんな場合に飲酒検知許否罪が成立するのでしょうか?
上の規定を項目ごとにまとめると以下のとおりとなります。

1 誰が?     →車両等に乗車し,又は乗車しようとしている者
2 どういう場合に?→飲酒運転の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められたとき
3 何をした?   →警察官の飲酒検知検査を拒み,又は妨げた

以下,項目ごとに解説いたします。

~誰が?(上記1について)~

乗車しようとしている」の程度については,車両等のドアに手をかけた又はかけようとしている段階と解されています。
よって,ある方が居酒屋から飲酒状態で出てきて,ドライブキーを持ちながら駐車場に停めてある車の方に向かっているのを現認したとしても,その段階では「乗車しようとしている」とは言えず,飲酒検知拒否罪は成立しません。

~どういう場合に?(上記2について)~

外観上(顔色,呼気,言動等)から飲酒状態と認知できる状態で,車両等を運転する可能性が認められるときという意味です。
外観上から認知できればよいのですから,機器等で正確にアルコール保有値を図る必要はありませんし,酒気帯び運転の基準である0.15mg以下であっても飲酒検知拒否罪は成立し得ます。

~何をした?(上記3について)~

拒み」とは,言語,動作,態度により,拒否の意思が客観的に明らかになったと認められる段階のことをいいます。

・明確に「嫌だ」と拒否する
・風船を受け取らない
・うがいをしない
・風船を受け取ったがふくまらせない

などがこれに当たります。
なお,拒む前提として,警察官による飲酒検査の要求行為を必要とします。
過去に,警察官の要求行為も,被告人の拒否行為も認めることができないから被告人を無罪とした裁判例があります(横浜地裁平成27年9月9日)。

~逮捕後の流れ~

では,飲酒検知拒否罪の容疑で逮捕されてしまったら,どのような手続きを受けることになるのでしょうか。
逮捕から勾留までの流れをご紹介いたします。

・逮捕から送致まで
逮捕された犯人を受け取った警察官は,「弁解録取」という犯人から弁解を聴く手続を取ります。
その上で犯人の身柄拘束が必要か否か判断し,必要ないと判断したときは犯人を釈放し,必要と判断したときは,逮捕のときから48時間以内に事件と犯人を検察官の元へ送致する手続きを取ります。
また,逮捕期間中,警察官による取調べも行われます。
  
・送致から勾留請求まで
犯人,事件が検察官の元に送致された場合,検察官は,警察官と同様「弁解録取」という手続を取ります。
その上で, 犯人の身柄拘束が必要か否か判断し,必要ないと判断したときは犯人を釈放し,必要がある判断したときは犯人の身柄を受け取ってから24時間以内に勾留請求の手続きを取ります。
  
・勾留請求から勾留決定まで
検察官が勾留の請求をした場合,今度は,裁判官による「勾留質問」の手続を受けます。
裁判官は,勾留質問の結果を経て犯人を勾留するか否かを判断します。
勾留の必要がないと判断したときは,原則,釈放されます。
ここで「原則」と申し上げたのは,検察官の不服申し立てにより,その判断が覆される(身柄拘束が続く)おそれがあるからです。
勾留の必要があると判断したとき(勾留決定があったとき)は,裁判官が指定された場所(通常は警察の留置施設)に勾留されることになります。
この場合の期間は,検察官の勾留の請求があった日から10日間です。

逮捕されれば,日常生活に大きな不利益をもたらします。
釈放して不利益を少しでも軽減させたいなどとお考えの方へ弊所までお気軽にご相談ください。
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警視庁上野警察署までの初回接見費用:36,500円

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