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【事例紹介】滋賀県長浜市 過失運転致傷罪・ひき逃げ容疑で逮捕

2022-09-22

【事例紹介】滋賀県長浜市 過失運転致傷罪・ひき逃げ容疑で逮捕

滋賀県長浜市で起きた交通事故を基に、過失運転致傷罪ひき逃げについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

滋賀県警木之本署は8日、中型トラックを運転中に自転車の男性に衝突してけがを負わせたとして、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、岐阜県輪之内町のトラック運転手の男(69)を逮捕した。 

逮捕容疑は、8日午前2時10分ごろ、滋賀県長浜市西浅井町塩津浜の国道8号で中型トラックを運転中、自転車の湖南市の男性(27)に後方から衝突し、尻に打撲を負わせて、そのまま逃げた疑い。(中略)容疑を否認している。
(9月9日 京都新聞 「トラックで自転車に衝突、ひき逃げ疑い男を逮捕 滋賀・長浜、けが負わす」 より引用)

過失運転致傷

自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

自動車の運転上必要な注意を怠った過失により人を死傷させてしまった場合は、自動車運転処罰法第5条の過失運転致死傷罪が適用されます。
過失による交通事故で人を死なせてしまった場合も怪我をさせてしまった場合も同じ条文が適用されますので、どちらの場合で有罪になったとしても、7年以下の懲役か禁錮もしくは100万円以下の罰金が科されます。
しかし、但し書きで相手の怪我の度合いが軽かった場合には刑が免除されることもあるとされています。

ひき逃げ

道路交通法第72条第1項は、交通事故を起こした際に講じなければならない措置について規定しています。
道路交通法第72条第1項が規定しているその義務として代表的なものは、救護義務と報告義務が挙げられます。
すなわち、人身事故を起こした際に、負傷者の救護(救護義務)、警察官への事故の報告(報告義務)を行わなかった場合は道路交通法第72条第1項に違反することになります。

ひき逃げは、救護義務違反や報告義務違反をした場合の総称ですので、人身事故を起こしたにも関わらず救護や報告を行わなかった場合に、ひき逃げを疑われることになります。

救護義務違反で有罪になった場合は1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条の5第1項第1号)
また、報告義務違反で有罪になった場合は3月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されることになります。(道路交通法第119条第1項第10号)

ひき逃げを疑われ、無罪に

ひき逃げの自覚がないのに、ひき逃げだと疑われた場合は有罪になるのでしょうか。

これからご紹介するのは千葉県で起きたひき逃げ事件の裁判例です。
この裁判では、被告側がひき逃げについて無罪を主張しており、事故当時の被告人の行為がひき逃げにあたるのかについて争われました。

千葉県長生村職員の男性は、29歳の男性をひき逃げし、死亡させてしまいました。
職員の男性は「人をひいたという認識はなかった」として、ひき逃げについて否認しており、無罪を主張していました。
ひき逃げについて争われた裁判では、職員の男性が、ごみなどをひいたと認識し、人をひいたと認識していなかったと考えられることや、深夜の車道に人が横たわっていると想定することは困難であることなどから、裁判官は職員の男性にひき逃げの容疑について無罪を言い渡しました。
なお、過失運転致死罪の裁判では、職員の男性は有罪になり、50万円の罰金が科されています。
(2017年9月16日 千葉日報 「村職員に無罪判決 「人の認識ない」と千葉地裁 長生ひき逃げ事件」より)

ひき逃げ事件については、「ひき逃げをしてしまった」という認識のないまま容疑をかけられているケースも存在します。
ご紹介した無罪判決のようなケースもありますので、ひき逃げの容疑を否認しているという場合には、早期に弁護士に相談することで、見通しや可能な弁護活動、適切な取調べ対応等を把握して刑事手続きに臨むことが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
ひき逃げを疑われている方や、かけられた容疑を否認していて悩んでいる方は、刑事事件でお困りの方はぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】飲酒運転によるひき逃げ 過失運転致傷罪で再逮捕

2022-09-01

【事例紹介】飲酒運転によるひき逃げ 過失運転致傷罪で再逮捕

滋賀県で起きた飲酒運転によるひき逃げ事件を基に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が酒気帯び運転、ひき逃げ、過失運転致傷罪について解説します。

事例

滋賀県警大津署は22日、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)と道交法違反(ひき逃げ、酒気帯び運転)の疑いで、京都市山科区の無職の男(72)を再逮捕した。

再逮捕容疑は21日午前11時40分ごろ、大津市皇子が丘1丁目の国道161号西大津バイパスで酒気帯び状態で乗用車を運転し、同じ方向を走っていた乗用車2台と衝突して運転手と同乗者の男女計3人の首などに軽傷を負わせ、そのまま逃げた疑い。

(後略)
(8月22日 京都新聞 「酒気帯び運転、車2台と衝突の男を再逮捕 飲酒検査拒否後、ひき逃げ容疑認める」より引用 )

酒気帯び運転

酒気帯び運転は道路交通法第65条第1項で禁止されています。

道路交通法では酒気帯び運転をした場合の罰則が設けられていますが、お酒に酔った状態かそうでないかで科される刑罰の重さが変わります。
お酒に酔い、正常な運転ができない状態で運転した場合は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条の2第1項)
これはいわゆる「酒酔い運転」と呼ばれる種類の飲酒運転です。
対して、「酒酔い運転」ほど激しく酔いの症状が出ていないものの、政令で定める程度以上のアルコールを保有する状態で運転した場合は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条の2の2第3項)
一般にはこちらを指して「酒気帯び運転」と呼ばれることもあります。

今回の事例の男性が酒気帯び運転で有罪になれば、正常な運転ができない程にお酒に酔っていた場合は道路交通法第117条の2第1項、政令で定める程度以上のアルコールを保有していたが酔っていなかった場合は道路交通法第117条の2の2第3項によって刑罰を科されることになります。

ひき逃げ

ひき逃げについても、酒気帯び運転と同様に道路交通法で処罰されます。

道路交通法第72条第1項
交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

負傷者の救護や警察署への事故の報告などを行わずに事故現場から逃げた場合、ひき逃げになります。

ひき逃げによる道路交通法違反で科される刑罰は、負傷者の救護を行わなかった場合(救護義務違反)と警察署に報告をしなかった場合(報告義務違反)で、差があります。
負傷者の救護を行わなかった場合は5年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条第1項)
一方で、警察署に報告をしなかった場合は3月以上の懲役または5万円以下の罰金が科されることになります。(道路交通法第119条第1項第10号)

今回の事例では救護義務違反、報告義務違反のどちらが適用されるのでしょうか。
今回の事例では男性は事故後そのまま逃げ去っていると書かれています。
おそらく救護や警察署への報告はしていないのでしょう。
ですので、救護義務違反、報告義務違反の両方の罪に問われることになります。
有罪となってしまった場合は、ひき逃げにより、救護義務違反と報告義務違反の2つの罪に問われていますので、救護義務違反と報告義務違反のうち、より重い方の刑罰が科されることになります。(刑法第54条)
救護義務違反の方が科される刑罰が重くなっていますので、今回の事例の男性は5年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることになります。

過失運転致傷罪

過失運転致傷罪は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)で規定されており、過失により人を負傷させた場合に適用されます。

過失運転致傷罪で有罪となった場合は、7年以下の懲役か禁錮または100万円以下の罰金が科されます。(自動車運転処罰法第5条)

過失運転致死傷罪、ひき逃げ、酒気帯び運転は、有罪になれば懲役刑を科される可能性があります。
弁護士に相談することにより懲役刑を避けることができる場合があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では逮捕された方に初回接見サービスを行っています。
初回接見サービスのご予約は0120―631―881までご連絡ください。
初回接見サービスについての詳細はこちらをご覧ください。

(事例紹介)積み荷の落下から過失運転致傷事件に問われた事例

2022-08-18

(事例紹介)積み荷の落下から過失運転致傷事件に問われた事例

~事例~

トラックに積載していたポリタンクを落下させ、後続のオートバイの運転手らにけがを負わせて逃走したとして、大阪府警南堺署は13日、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、(中略)容疑者(65)を逮捕した。
(中略)
逮捕容疑は8日午後0時55分ごろ、堺市南区槇塚台の市道で2トントラックを運転中、積み荷のポリタンク(縦横ともに約80センチ、高さ約100センチ、重さ約10キロ)を落下させ、ポリタンクが直撃した後続のバイクの運転手らにけがをさせるなどしたのに逃走したとしている。
(後略)
(※2022年8月13日12:32産経新聞配信記事より引用)

・積み荷の落下で人身事故に

今回取り上げた事例では、トラックに積載していた積み荷が落下し、それによって人に怪我をさせてしまったという経緯で、容疑者が過失運転致傷罪ひき逃げによる道路交通法違反の容疑で逮捕されています。
逮捕容疑の1つである過失運転致傷罪は、いわゆる自動車運転処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)に定められている犯罪で、人身事故事件で成立することの多い犯罪です。

自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

人身事故というと、自動車同士の衝突事故や、通行人への衝突事故・接触事故が思い浮かびやすいですが、今回の事例では、トラックに積載していた積み荷が落下してしまい、その積み荷によって後続のオートバイを運転していた人などが怪我をしてしまったということのようです。
自動車運転処罰法の過失運転致傷罪を定めている条文を見ると、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた」ことが過失運転致傷罪成立の要件となっています。
この「自動車の運転上必要な注意を怠」るという部分については、例えばよそ見運転やながら運転など、運転の仕方に関するものが代表的です。
しかし、「自動車の運転上必要な注意」とは、こうした運転すること自体に求められる注意だけでなく、運転する際の車や積み荷の状態への注意も含まれると考えられます。
道路交通法では、以下のようにして運転者の自動車の積み荷についての遵守事項を定めています。

道路交通法第71条第1項
車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
第4号 乗降口のドアを閉じ、貨物の積載を確実に行う等当該車両等に乗車している者の転落又は積載している物の転落若しくは飛散を防ぐため必要な措置を講ずること。
第4号の2 車両等に積載している物が道路に転落し、又は飛散したときは、速やかに転落し、又は飛散した物を除去する等道路における危険を防止するため必要な措置を講ずること。

道路交通法第120条第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
第9号 第71条(運転者の遵守事項)第1号、第4号から第5号まで(中略)の規定に違反した者

つまり、道路交通法では、運転する際に、積み荷が落下しないように措置を講じる必要があり、もしも積み荷が落下してしまった場合には、落下した積み荷を道路から除去するなど、その積み荷が原因で道路上の危険が生じないようにしなければならず、それに反することは道路交通法違反となり犯罪になるということになります。

今回の事例で、積み荷がどのように積まれていたのかまでは定かではありませんが、固定などが不十分なまま積み荷を積んでいて落下させてしまったなどの事情があれば、道路交通法上の遵守事項を守らなかったことで積み荷を落下させて人を負傷させてしまった=「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた」とされ、過失運転致傷罪に問われた可能性もあります。

道路交通法などの特別法には、細かく義務や遵守事項が定められており、一般の方だけでは、どういった罪に問われているのか、なぜその犯罪の容疑をかけられているのかといったことが分かりづらい場合もあります。
自身になぜその犯罪の容疑がかけられているのか、見通しはどういったものなのかということを正確に把握することは、その後の刑事手続きに適切に対応していく上で重要となります。
まずは専門家である弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、人身事故事件などの交通事件についてのご相談も受け付けています。
まずはお気軽にご相談下さい。

[事例紹介]京都市南区のひき逃げ事件で逮捕された事例

2022-07-14

[事例紹介]京都市南区のひき逃げ事件で逮捕された事例

京都市南区で起きたひき逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

京都府警南署は4日、自動車運転処罰法(過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、京都市南区のアルバイトの男(40)を逮捕した。 
逮捕容疑は、同日午前9時すぎ、自宅近くで乗用車を運転中、東山区の女性会社員(50)の自転車に衝突、腰を打撲する軽傷を負わせ、そのまま逃げた疑い。
(7月5日 京都新聞  「自転車の女性に衝突、ひき逃げ疑いで車の男逮捕 女性はけが」より引用)

過失運転致死傷罪とひき逃げ(救護義務違反)

過失運転致死傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律自動車運転処罰法)第5条で、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。」と定められています。
不注意で起こしてしまった人身事故の場合には、過失運転致死傷罪が成立するケースが多いため、多くの人身事故事件でこの過失運転致死傷罪が問われることになります。

そして、このような人身事故を起こしてしまった場合、救護義務が発生します。
救護義務は道路交通法第72条で規定されており、これに違反した場合は、ひき逃げ(救護義務違反)となります(他にも報告義務や危険防止措置義務などの義務も発生し、これらを果たさなかった場合にも犯罪となり、これらもひき逃げと呼ばれたりします。)。
ひき逃げ(救護義務違反)をした場合は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金、自分の運転により事故を引き起こしてしまったにもかかわらずひき逃げ(救護義務違反)をした場合は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。(道路交通法第117条)

今回取り上げた報道の事例では、逮捕された男性は自分で運転していた車で被害女性と衝突し怪我を負わせる人身事故を起こしています。
報道では事故の原因が何だったのかということには具体的に触れていませんが、男性が過失運転致傷罪の容疑をかけられていることから、男性側に不注意(過失)があり、それが事故の原因となってしまった可能性があります。
そして、先ほど見てきたように、こうした人身事故を起こした場合には、被害者(今回の事例であれば女性会社員)を救護するなどの義務が男性に発生するのですが、男性はその義務を果たさずに現場から立ち去ってしまっているようですから、この行為についてひき逃げという容疑がかけられているのでしょう。

こうした報道は度々流されていることから、過失運転致死傷罪ひき逃げといった罪名や行為についてなんとなくご存知であるという方も少なくないでしょう。
では、実際のひき逃げ(救護義務違反)過失運転致死傷罪の裁判では、どういった判断が下されているのでしょうか。
以下では、ひき逃げ(救護義務違反)過失運転致死傷罪の裁判例を紹介します。

ひき逃げ(救護義務違反)の裁判例

この裁判例では、被告人は自動車を運転中に進路前方で倒れていた被害者を轢き、救護や報告などを行わずに事故現場を去りました。
被告人は既に自動車運転過失致死罪(過失運転致死罪)で有罪となっており、さらにひき逃げ(救護義務違反・報告違反)で起訴され裁判となりました。
裁判の結果、被告人のひき逃げ(救護義務違反・報告違反)が認められ、懲役6月執行猶予2年が言い渡されました。
(平成30年1月19日 名古屋地方裁判所)

過失運転致死傷罪の裁判例

この裁判例では、被告人は車を運転中に注意義務を怠り、歩行者に衝突しました。
被告人は、過失運転致死傷罪で有罪となり、禁錮3年執行猶予4年になりました。
(令和2年3月19日 名古屋地方裁判所)

人身事故事件やひき逃げ事件も取り扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、初回無料法律相談を行なっております。
過失運転致死傷罪ひき逃げ(救護義務違反)でお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)大阪市における自転車のひき逃げ事件で逮捕

2022-07-07

(事例紹介)大阪市における自転車のひき逃げ事件で逮捕

今回は、自転車のひき逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

大阪市北区で25日朝、自転車同士がぶつかり、76歳の女性が重体となった事故で、逃走していた46歳の男が逮捕されました。
重過失傷害とひき逃げの疑いで26日に逮捕されたのは、大阪市城東区の(中略)容疑者(46)です。
(中略)容疑者は、25日午前6時半ごろ、大阪市北区天満の歩道で、76歳の女性の自転車とぶつかって転倒させ、負傷させたにもかかわらず、そのまま走り去った疑いが持たれています。
(6月26日 ABCニュース 「自転車同士がぶつかり高齢女性が重体 「自分は悪くない」逃走中の男をひき逃げ容疑で逮捕 大阪・北区」より引用)

~自転車のひき逃げ事件~

ひき逃げ事件というと、自動車と歩行者の人身事故や、自動車同士の交通事故を起こしてその場から逃げるという内容をイメージしやすいでしょう。
しかし、今回取り上げた事例は、自転車同士の事故によるひき逃げ事件です。
自転車であってもひき逃げということになるのでしょうか。

道路交通法第72条1項前段は、
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない
としています。
これは「車両等」の運転者などの義務であり、事故を起こしたにも関わらずこれらの義務を果たさずにその場から去ることが、いわゆるひき逃げと呼ばれているのです。

道路交通法上では、自転車であっても「車両等」に含まれ(道路交通法第2条1項8号・11号イ・17号)、事故を起こしてしまった場合に、警察への連絡や救急車の要請を怠ってしまえば、道路交通法上の義務を果たさなかったひき逃げ事件として検挙、逮捕される場合があります。
そして、事件の内容によっては起訴され、前科が付いてしまう事態も想定されます。

今回の事例では、自転車同士で事故を起こしたにも関わらず、上記の道路交通法の義務(通報や救急車の要請など)を果たさなかったことから、ひき逃げ=道路交通法違反の容疑をかけられているという状況なのでしょう。

また、今回取り上げている事例では、逮捕された男性は、ひき逃げの罪(道路交通法違反)のほかに、重過失傷害罪という犯罪の容疑もかけられています。

刑法第211条
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

重過失傷害罪は、このうち後段の部分です。
自転車事故の場合、刑法の過失傷害罪が適用されることが多いのですが、不注意(過失)の度合いが著しく多い場合、今回の事例で登場した重過失傷害罪に問われることもあります。
重過失傷害罪は、過失傷害罪と異なって非親告罪であり、かつ刑罰も厳しいものとなっています。

自転車の事故であるからといって軽く考えずに、交通事故を起こしてしまった場合には適切な対処を行いましょう。
それでも、自転車事故刑事事件に発展してしまった場合には、早期に弁護士に相談することが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を中心に扱う法律事務所です。
自転車のひき逃げ事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【解決事例】飲酒運転によるひき逃げで執行猶予付き判決

2022-05-19

【解決事例】飲酒運転によるひき逃げで執行猶予付き判決

事件

Aさんは、飲酒した後にバイクを飲酒運転して帰路に着いていました。
しかし、Aさんの自宅がある埼玉県さいたま市浦和区に差し掛かったころ、Vさんの運転する原付自動車と接触する交通事故を起こしてしまいました。
Aさんは、交通事故を起こしてしまったことに驚き、さらに、飲酒運転をしていたこともあり、とっさに現場から立ち去ってしまいました。
通行人が通報し、Aさんは、道路交通法違反(飲酒運転ひき逃げ)と過失運転致傷罪の容疑で埼玉県浦和警察署に逮捕されましたが、すぐに釈放されました。
釈放後、Aさんは今後の刑事手続きに不安を感じ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を利用し、弁護活動を依頼することにしました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

事件解決の流れ

Aさんは、飲酒運転ひき逃げ行為による道路交通法違反と、過失運転致傷罪の容疑で起訴されました。
相談を受けた弁護士は、執行猶予付きの判決を獲得するための弁護活動を行いました。

Aさんが飲酒運転によって起こしたひき逃げ事故により、Vさんは脚を骨折し、病院で治療を受けていました。
そこで、弊所の弁護士は、Vさんに代理人としてついていた弁護士と交渉し、Vさんへの謝罪や賠償の交渉を行いました。
Vさんへの誠意を見せられるよう、弁護士と相談の上、AさんはVさんへの賠償のために用意したお金を保管するための口座を作り、その口座から一切お金を引き出さずにVさんの賠償のためにとっておくなどして、Vさんへ被害弁償するための準備を行いました。
加えて、AさんはVさんに対する謝罪文を作成し、弁護士を通じてVさんへ謝罪文をお渡しし、Aさんの反省とお詫びの気持ちを受け取っていただくことができました。

そして、弁護士は、Aさんに、飲酒運転によって事故を起こしたことにより向き合ってもらうために、飲酒運転による交通事故に遭った被害者やその遺族が書いた手記を読むことを勧めました。
手記を読んだAさんは飲酒運転をしてしまったことを深く反省し、刑事裁判の場でも反省の言葉を述べました。
また、Aさんは今後飲酒を控え、バイクや鍵を母親に管理してもらうなどのことで、再犯防止に努めました。

弁護士は公判で、Aさんが飲酒運転による事故やひき逃げ行為を深く反省していること、被害弁償用のお金を用意し謝罪文をVさんに渡していることからVさんに対する誠意が伺えること、再犯防止に努めていること、事故当時の状況でAさんに有利な事情もあったことなどを訴え、執行猶予付きの判決を求めました。

その結果、Aさんは執行猶予付きの判決が言い渡されました。
執行猶予判決が下されたため、Aさんが直ちに刑務所に入ることはなくなり、Aさんは社会内ですぐに社会復帰に向けて活動を開始することができました。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、数々の執行猶予付き判決を獲得してきました。
飲酒運転ひき逃げなど、交通事件の執行猶予についてお悩みのある場合には、一度お気軽にご相談ください。
0120―631―881では初回接見サービス、無料法律相談のご予約を受け付けております。

ひき逃げで出頭を検討

2021-11-23

ひき逃げと出頭について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

京都府内に住むAさんは,仕事を終え,普通乗用自動車を運転して帰宅途中,道路を横断してきたVさん(69歳)に自車前方を衝突させて路上に転倒させました。Aさんは車を道路脇に停め,車を降りてVさんの元に近づいたところ,Vさんの意識ははっきりしており怪我の程度も酷くはなさそうだったため(後日,Vさんは加療約2か月間の怪我を負っていたことが判明),警察に通報するなどせずその場を立ち去りました。その後,Aさんは普段どおりの生活を送っていますが,いつ警察に逮捕されるか不安で仕方ありません。そこで,警察に出頭することも含め,ひき逃げ事件に強い弁護士に無料法律相談を申込みました。
(フィクションです)

~ひき逃げ~

ひき逃げは、怪我した人を助けなかった救護措置義務違反と、交通事故の内容等を警察官に報告しなかった事故報告義務違反の2つ違反のことをいいます。

ひき逃げについては、道路交通法(以下、法)72条1項に規定されています。

法72条1項
交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(略)は、直ちに車両等を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(略)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(略)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

「~講じなければならない。」(法72条1項前段)までが「救護措置義務」に関する規定、「この場合において」以下(法72条1項後段)が「事故報告義務」に関する規定です。
なお、上記規定は「交通事故があったとき」としています。
つまり、運転に過失があろうがなかろうが関係なく交通事故が発生した場合は救護措置義務、事故報告義務が発生しますから注意が必要です。

ひき逃げのうち救護義務違反の罰則は2種類あります。
一つは、人の死傷が運転者の運転に起因する場合で、この場合は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金

もう一つは、上記以外の場合で、この場合は5年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
事故報告義務違反の罰則は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金です。

~出頭~

出頭は捜査機関に自ら出向くことをいいます。
出頭に似た言葉に自首があります。
ただし、自首が成立するには、捜査機関にひき逃げの犯人であることが特定されていないことが必要です。
自首が成立すると、刑の減軽を受ける可能性があります。
もっとも、出頭であっても逮捕の可能性を下げることには繋がりますが、反対にそのまま逮捕される可能性もあります。
出頭するか否かは弁護士とよく相談した方がよさそうです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。どうぞ、お気軽にご相談ください。

過失運転致死・ひき逃げの疑いで逮捕 父親の葬儀に参列する方法はある?

2021-10-19

今回は、過失運転致死・ひき逃げの疑いで逮捕・勾留された被疑者が、父親の葬儀に参列するための弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
Aさんは、自動車を運転中に死亡人身事故を起こし、その場から逃走した疑いで逮捕、勾留されています。
Aさんには弁護人がいますが、ある日の接見中、弁護士から父親の訃報を知らされました。
父親の葬儀に参列し、お別れをしたい気持ちはありますが、勾留されているため外に出ることができません。
Aさんが葬儀に参列する方法はないのでしょうか。(フィクションです)

~Aさんの起こした犯罪について解説~

(過失運転致死罪)
過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合に成立します(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)。
法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となっております。

過失運転致死罪は上記のうち、被害者が死亡してしまった場合に成立します。
傷害するに留まった場合は、過失運転致傷罪が成立します。
両者を合わせて、過失運転致死傷罪と呼びます。

被害者の傷害が軽いときは、情状により、刑が免除されることがありますが、死亡させてしまった場合には、この規定により免除されることはありません。

(救護義務違反、危険防止等措置義務違反)
一般に「ひき逃げ」と呼ばれる犯罪です。
道路交通法第72条1項前段は、
「交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない」
としています。

Aさんは死亡人身事故を起こしてしまったにも関わらず、そのまま事故現場から逃走しています。
上記行為は、道路交通法違反の罪(救護義務違反・危険防止等措置義務違反)を構成する可能性が高いでしょう。
法定刑は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっております(道路交通法117条2項)。

~Aさんが父親の葬儀に参列する方法はないか?~

代表的な身柄解放活動として、「準抗告」、「勾留取消請求」があります。
しかし、Aさんに対する勾留決定について法律上の問題がない場合や、勾留の理由及び勾留の必要が現在も認められる場合には、これらの方法によって身柄解放を実現することはできません(行ったとしても、却下されます)。

(「勾留の執行停止」を活用)
特殊な身柄解放活動として、「勾留の執行停止」という制度を利用することが考えられます。
刑事訴訟法第95条は、「裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる」としています。
条文中には「被告人」とありますが、捜査段階の「被疑者」の勾留に対しても準用されます(刑事訴訟法第207条1項)。

執行停止が認められる場合として、実務上、①被告人の病気、②特に親しい近親者の病気や冠婚葬祭、③学生の試験があります。
父親は極めて近い親族であり、勾留中にその葬儀が行われる場合は、勾留の執行停止が認められる可能性があります。

勾留執行停止の申請を行い、認められると、勾留の執行が一時的に停止され、外に出ることができます。
外に出ることができれば、Aさんは父親の葬儀に参列することができるかもしれません(もちろん、その他の親族から参列を拒否された結果、参列できない可能性はありうるでしょう)。

逮捕・勾留中であっても、父親の葬儀に参列できる可能性のある方法が存在します。
まずは弁護人から勾留の執行停止について説明を受け、手続を進めてもらいましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
逮捕・勾留中の冠婚葬祭につきお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

交通事件での身体拘束

2021-08-21

交通事件での身体拘束の可能性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
ある朝、警視庁西新井警察署の警察官が東京都足立区にあるAさん宅を訪れました。
Aさんは、先日の交通事故の件で話が聞きたいと警察官から言われ、西新井警察署に連れて行かれました。
お昼ごろ、Aさんの妻に連絡があり、「ご主人をひき逃げ事件の件で逮捕しました。」と言われ、妻はまさか逮捕されるとは思っておらず大変驚いています。
このままAさんの身体拘束が続くのかどうか心配になったAさんの妻は、すぐに対応してくれる弁護士をネットで探すことにしました。
(フィクションです。)

刑事事件での身体拘束

あなたが罪を犯したと疑われた場合、捜査機関によってあなたの身柄が拘束されることがあります。
すべての事件において、被疑者・被告人が身体拘束を強いられるわけではありません。
人の身体の自由を一定期間奪うわけですから、法律に定められている要件を満たす場合にのみ、被疑者・被告人の身柄を拘束することが許されるのです。

捜査段階では、まず、「逮捕」という身体拘束を伴う強制処分があります。
これは、被疑者の取調べを目的として、被疑者の意思に反して、身体・行動の自由という重要な権利利益を侵害する処分です。
ですので、この処分を実施するためには、法律、ここでは刑事訴訟法と呼ばれるものですが、それに定められている要件を満たしていることが前提となります。
逮捕には、①通常逮捕、②現行犯逮捕、③緊急逮捕の3種類があります。
ここでは、①通常逮捕の要件について説明します。

通常逮捕とは、事前に裁判官が発行する逮捕令状に基づいて、被疑者を逮捕するもので、これが逮捕の原則的な形態です。
逮捕の要件は、①逮捕の理由、および、②逮捕の必要性です。
①逮捕の理由とは、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることです。
そして、②逮捕の必要性というのは、被疑者が逃亡するおそれや罪証隠滅するおそれがある場合をいいます。
検察官または司法警察員が逮捕状の請求を行い、その請求を受けて、裁判官が逮捕の理由と逮捕の必要性を審査し、逮捕状を発布するか、請求を却下するかを判断します。

逮捕に引き続いて行われ得る身体拘束を伴う強制処分として、「勾留」というものがあります。
勾留は、比較的長期間の身体拘束を伴うものです。
勾留は、起訴前の勾留(「被疑者勾留」ともいいます。)と起訴後の勾留(「被告人勾留」ともいいます。)とに分けられます。

被疑者勾留の要件は、①犯罪の嫌疑、②勾留の理由、③勾留の必要性、の3つです。
①犯罪の嫌疑の要件とは、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることをいいます。
②勾留の理由については、住居不定、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれ、のいずれかに該当する場合にあるものと判断されます。
そして、②勾留の理由がある場合であっても、被疑者を勾留することにより得られる利益と、これによって生じる不利益を比較してつり合いがとれないようなときは、被疑者を勾留することは許されません。
これを③勾留の必要性(もしくは相当性)といいます。
検察官が勾留を請求し、裁判官が勾留の要件を満たしているかどうかを判断します。
被疑者勾留の期間は、原則、検察官が勾留請求をした日から10日間です。
ただし、検察官が勾留延長の請求をし、それを裁判官が認めた場合には、最大で更に10日間となります。

被疑者が起訴されると、勾留も被疑者勾留から被告人勾留へと切り替わります。
勾留されている被疑者が起訴された場合、当然に被告人勾留が開始されます。
被告人勾留の要件は、被疑者勾留のそれと同じです。
ただし、勾留期間は起訴の日から2か月で、裁判所は、特に継続の必要があるときは、勾留期間を1か月ごとに更新することができます。

以上のように、刑事事件において身体拘束は絶対ではありませんが、要件を満たす場合には長期間の身体拘束を余儀なくされることがあります。

交通事件での身体拘束の可能性

交通に関する刑事事件、例えば、無免許運転や飲酒運転による道路交通法違反や、人身事故による過失運転致死傷や危険運転致死傷事件を起こした場合、通常の刑事事件と同様に、先に述べたように身柄が拘束される可能性があります。
単純な無免許運転や飲酒運転の場合、多くが現行犯逮捕となりますが、逃亡のおそれも罪証隠滅のおそれもないと判断され、その後釈放されるケースが多いでしょう。
人身事故を起こした場合については、過失運転致死傷に該当するケースであり被害がそこまで大きくないのであれば、勾留されずに釈放となる可能性が高いでしょう。
一方、危険運転致死傷に該当するような重大な事故の場合や、ひき逃げ事件では、被疑者の身柄を確保して捜査を継続する必要がある判断される傾向にあります。
特に、ひき逃げ事件については、いったん現場から逃走しているため、逃亡のおそれが高いと判断されるからです。
しかしながら、長期の身体拘束は、退学や懲戒解雇といった過度な不利益を被疑者・被告人に課すものであるため、不当不要な身体拘束は避けなければなりません。
そのため、逮捕された場合や、逮捕されそうな場合には、早期に弁護士に相談し、身柄解放に向けて動いてもらいましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件で逮捕されて対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

無免許飲酒運転でひき逃げ

2021-07-17

無免許飲酒運転ひき逃げした事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
大阪府大阪市都島区の交差点で、横断中の歩行者をひいて逃走したとして、大阪府都島警察署は、車を運転していたAさんを逮捕しました。
事件後、現場から少し離れた駐車場で車を止め、車内で寝ていたAさんを発見し、呼気検査をしたところ、基準値を超えるアルコールが検出されました。
また、Aさんは免停中であることが発覚し、警察は、Aさんが、無免許のうえ、酒を飲んで車を運転し、横断していた被害者をひき逃げした疑いで、捜査を進めています。
(フィクションです。)

無免許飲酒運転でひき逃げした場合

無免許運転かつ飲酒運転ひき逃げをした、という上の事例のようなケースでは、どのような罪が成立するのでしょうか。

1.飲酒運転

道路交通法第65条第1項は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と規定しており、身体にアルコールを保有したまま車両等を運転することは禁止されています。
そして、一定程度以上のアルコールを身体に保有したまま車両等を運転する行為は、刑事罰の対象となります。

■酒気帯び運転■
血中アルコール濃度が一定量に達しているかどうか、という形式的な基準で判断されます。
その基準とは、「呼気1リットルあたりのアルコール濃度が0.15ミリグラム以上」です。
酒気帯び運転の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

■酒酔い運転■
酒酔い運転は、アルコール濃度の検知値には関係なく、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」で車両等を運転した場合に成立します。
具体的には、直線を真っすぐ歩けるか、呂律が回っているか等といった点から判断されます。酒酔い運転の法定刑は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と、酒気帯び運転の法定刑よりも重くなっています。

2.人身事故

■過失運転致死傷■
通常、人身事故を起こした場合、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)で規定される「過失運転致死傷罪」が適用されます。
この罪は、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた」場合に成立します。
前方不注意や巻き込み確認を怠ったこと等の不注意によって相手を死亡させた場合には、過失運転致死傷罪が適用されます。
過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。

■危険運転致死傷■
ところが、飲酒運転で人身事故を起こした場合、より重い罪が成立する可能性があります。
それは、「危険運転致死傷罪」です。
危険運転致死傷罪は、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ」、「よって、人を負傷させた」場合に成立します。
この場合の法定刑は、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役と、かなり重くなります。
また、「アルコールの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させ」た場合は12年以下の懲役、人を死亡させた場合は15年以下の懲役が科される可能性があります。
危険運転致死傷罪が適用される場合、道路交通法違反(酒気帯び運転、酒酔い運転)は危険運転致死傷罪に吸収されるため、別個には成立しません。

3.無免許運転

■無免許運転■
道路交通法第64条第1項で、「何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。」と規定し、無免許運転を禁止しています。
無免許運転の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

■無免許運転による加重■
自動車運転処罰法第6条は、「第2条(危険運転致死傷)の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、6月以上の有期懲役に処する。」と規定しています。
また、第3条(準危険運転致死傷罪)の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をした者であるときは、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は6月以上の有期懲役と加重されます。
更に、第5条(過失運転致死傷)を犯した者が、無免許運転をしたときは、10年以下の懲役と刑が加重されます。

4.ひき逃げ

■救護義務違反■
道路交通法第72条第1項前段は、「交通事故があったといは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。」と規定しています。
これを「救護義務」といい、これに反して現場から逃走する行為を「ひき逃げ」と呼びます。
救護義務違反の法定刑は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金ですが、人身事故が、「人の死傷が当該運転者の運転に起因する」ものである場合に救護義務に違反した場合は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

■過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱■
自動車処罰法第4条は、アルコールの影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時にアルコールの影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコールを摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコールの濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処すると規定しています。
この罪を犯した者が、無免許運転であった場合には、刑は15年以下の懲役に加重されます。

無免許運転かつ飲酒運転ひき逃げをした場合で、成立し得る罪としては、次の4つのケースが考えられます。
①道路交通法違反(酒気帯び運転、または酒酔い運転)、無免許過失運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の3罪。
②無免許危険運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
③無免許準危険運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
④無免許過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
いずれの場合も、実刑の可能性が高く、弁護人は、被害者との示談成立、被告人の反省の態度や再発防止措置が講じられている等の被告人に有利な事情を示し、できる限り刑が軽くなるように弁護することになるでしょう。
また、危険運転致死が成立する場合には、裁判員裁判の対象となりますので、裁判員裁判に向けた公判準備を行う必要もあります。
交通事故を起こし対応にお困りの方は、早期に弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件にも対応する刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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