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【事例紹介】人身事故を起こし怖くなって逃げてしまったひき逃げ事件②

2024-07-10

【事例紹介】人身事故を起こし怖くなって逃げてしまったひき逃げ事件②

ひき逃げ

前回のコラムに引き続き、ひき逃げ事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務事務所が解説します。

事例

6月29日、横浜市青葉区で80代の女性が車にはねられ大けがをしました。警察は現場から立ち去った(中略)女をひき逃げの疑いで逮捕しました。
調べによりますと、女は6月29日、普通乗用車を運転中、横浜市青葉区の交差点を右折した際に、横断歩道を渡っていた近くに住む86歳の女性を車ではね、救護せず立ち去った疑いが持たれています。86歳の女性は右足の骨を折るなど大けがをしました。
(中略)
女は調べに対し、「怖くなって逃げた」という趣旨の話をしていて、容疑を認めているということです。
(7月3日 NBS長野放送 「「怖くなって逃げた」高齢ドライバーが救護せず立ち去る「いったん車は止まったが、すぐに発車…」横断歩道で86歳女性はねられ重傷 山梨の74歳女をひき逃げ疑いで逮捕」より地名を変更して引用しています。)

過失運転致傷罪

過失運転致傷罪は刑法ではなく、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」といいます。)で規定されています。

自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

過失運転致傷罪は簡単に説明すると、運転するうえで払うべき注意を怠り、事故を起こして人にけがを負わせると成立する犯罪です。

今回の事例では、容疑者は交差点を右折する際に女性を車ではね、けがを負わせたとされています。
容疑者が右折時に周囲の確認を怠ったなどの過失によって人身事故を起こしたのであれば、容疑者に過失運転致傷罪が成立する可能性があります。

過失運転致傷罪と弁護活動

過失運転致傷罪で有罪になると懲役刑や禁錮刑、罰金刑が科されることになります。
過失運転致傷罪では初犯であれば必ず罰金刑が科されるわけではなく、悪質性が高い場合やけがの程度が重い場合には、初犯であっても懲役刑や禁錮刑が科される可能性があります。
ですので、前科前歴がない場合であっても楽観視せず、早い段階から弁護士に相談をすることが重要になります。

交通事件に精通した弁護士に相談をすることで、略式起訴による罰金刑や執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
略式起訴では、裁判が行われませんので公の法定で罪を裁かれることはありませんし、裁判が開かれないわけですから裁判が開かれる場合よりも早く事件が終了することになります。
また、執行猶予付き判決を獲得することができれば、刑の執行が猶予されますから、懲役刑や禁錮刑が科されたとしても刑務所に行かずに済む場合があります。

略式起訴や量刑、執行猶予に付すかを判断するうえで、取調べ時に作成される供述調書は非常に重要な役割を果たします。
供述調書はとても重要な証拠になりますので、意に反した供述調書を作成されてしまうことがないように注意しなければなりません。
ですが、初めての取調べであれば特に、緊張や不安から警察官などの誘導に乗ってしまったり、思うように供述できないおそれがあります。
事前に弁護士に相談をし、供述内容を整理したり対策を練ることで、安心して取調べを受けられる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
過失運転致傷罪などでお困りの方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】人身事故を起こし怖くなって逃げてしまったひき逃げ事件①

2024-07-04

【事例紹介】人身事故を起こし怖くなって逃げてしまったひき逃げ事件①

ひき逃げ

ひき逃げ事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務事務所が解説します。

事例

6月29日、横浜市青葉区で80代の女性が車にはねられ大けがをしました。警察は現場から立ち去った(中略)女をひき逃げの疑いで逮捕しました。
調べによりますと、女は6月29日、普通乗用車を運転中、横浜市青葉区の交差点を右折した際に、横断歩道を渡っていた近くに住む86歳の女性を車ではね、救護せず立ち去った疑いが持たれています。86歳の女性は右足の骨を折るなど大けがをしました。
(中略)
女は調べに対し、「怖くなって逃げた」という趣旨の話をしていて、容疑を認めているということです。
(7月3日 NBS長野放送 「「怖くなって逃げた」高齢ドライバーが救護せず立ち去る「いったん車は止まったが、すぐに発車…」横断歩道で86歳女性はねられ重傷 山梨の74歳女をひき逃げ疑いで逮捕」より地名を変更して引用しています。)

ひき逃げ

道路交通法第72条1項では、事故を起こした場合の対応について規定しています。
道路交通法第72条1項前段では負傷者の救護を、後段では警察署への事故の報告を規定しています。
負傷者の救護事故の報告は義務ですので、事故を起こした場合には必ず、負傷者の救護事故の報告を行わなければなりません。
事故を起こしたにもかかわらず、救急車を呼んだり、警察署への報告をしない場合には、ひき逃げにあたり、道路交通法違反の罪に問われることになります。

今回の事例では、容疑者が86歳の女性を車ではね救護せずに立ち去ったと報道されています。
実際に容疑者が人身事故を起こし、救護せずに立ち去ったのであれば救護義務違反にあたると考えられますので、道路交通法違反が成立する可能性があります。

自らが起こした事故で人にけがを負わせ救護しなかった場合に道路交通法違反で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。(道路交通法第117条2項)

ひき逃げと逮捕

ひき逃げ事件では、一度事故現場から逃走しているわけですから、逃亡のおそれが高いとして、逮捕・勾留されてしまう可能性が高いです。

逮捕・勾留されてしまうと、普段通り会社に出勤したり学校に通学したりできなくなってしまいます。
出勤や通学ができないことで、何らかの処分を科せられたり、学生であれば出席日数や単位の取得に悪影響を及ぼす危険性があります。

弁護士は勾留請求に対する意見書を検察官や裁判官に提出することができます。
勾留の判断前に意見書を提出し釈放を求めることで、勾留されることなく釈放を認めてもらえる可能性があります。

また、勾留が決まってしまった後でも準抗告の申し立てにより釈放を求めることができます。
弁護士による身柄開放活動釈放を実現できる可能性がありますから、ご家族が逮捕された方は一度弁護士に相談をしてみることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
勾留請求に対する意見書勾留判断前逮捕後72時間以内)に提出する必要がありますので、ご家族が逮捕された方は、お早目に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務事務所にご相談ください。

【事例紹介】軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進したひき逃げ事件②

2024-05-01

【事例紹介】軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進したひき逃げ事件②

ひき逃げ

前回のコラムに引き続き、軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進し、逃げ去ったとしてひき逃げの疑いで捜査されている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

(前略)京都府向日市寺戸町の府道交差点で、アルバイトの女性(46)=同市=が、軽トラックとみられる車に引きずられて顔面などを強打する事件があった。女性は病院に搬送されたが重傷とみられ、車はそのまま逃走した。京都府警向日町署がひき逃げ事件として捜査している。
向日町署によると、この直前、交差点の横断歩道を渡っていた女性と横断歩道前で停止した車の運転手の男が、何らかの理由で口論となった。女性が車の荷台をつかんだところ、車はそのまま発進。女性を数メートル引きずり逃走したという。
(後略)
(4月22日 産経新聞 「口論の末、荷台つかんだ女性引きずられ重傷 軽トラ?が逃走」より引用)

事故と傷害

車で人にけがを負わせてしまった際に成立する法律として、過失運転致傷罪を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

過失運転致傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条で規定されており、有罪になると、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金が科される犯罪です。
また、傷害の程度が軽い場合には情状により刑が免除される場合があります。

過失運転致傷罪は、簡単に説明すると、運転をするのに必要な注意をしないで人にけがをさせた場合に成立します。
また、過失運転致傷罪は名前に「過失」とついているとおり、注意を怠ったがために起きてしまった事故の場合に成立しますので、故意に事故を起こしてけがを負わせた場合には、過失運転致傷罪は成立しません。

今回の事例ではどうでしょうか。

報道によると、女性が荷台を掴んでいる状態で軽トラックを発進しさせたようです。
発進させる前に容疑者が女性と口論になっていたと報道されていますので、発進させる前に女性が軽トラックの近くにいないか、発進させてけがを負わせないか確認する必要があったと考えられます。
容疑者が不注意により荷台を掴んでいる女性に気づかず、軽トラックを発進させることで女性にけがを負わせたのであれば、過失運転致傷罪が成立する可能性があります。

今回の事例では荷台を掴まれていることを気づかなかったものと思われますが、もしも荷台を掴んでいる女性を振りほどこうと軽トラックを発進させた場合には、過失運転致傷罪は成立するのでしょうか。

刑法第204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

傷害罪を簡単に説明すると、暴行などによって人にけがを負わせた場合に成立します。
今回の事例では、女性が荷台を掴んでいる状態で軽トラックを発進させたと報道されています。
人が荷台を掴んでいる状態でいきなり発進させれば、その人が荷台に引っ張られてこけてけがを負う可能性や、事例のように地面にひきづられてけがを負う可能性が考えられます。
人が荷台を掴んでいる状態での発進はけがをさせる可能性が高く、危険な行為だと言えます。
もしも容疑者が女性が荷台を掴んでいることを知りながら軽トラックを発進させたのであれば、傷害罪が成立してしまうかもしれません。

また、軽トラックでひきずる行為は、けがで済まずに亡くなってしまう可能性も考えられるほどの危険な行為です。
もしも殺意があったと判断された場合には、殺人未遂罪に問われる可能性も考えられます。

荷台を掴まれていることに気づいていなかったとしても、直前で口論になっていたと報道されていることから、警察官などに気づいていながら発進させたのではないかと疑われる可能性があります。
取調べの際に、気づいていながら発進させたと認めるような供述をするように圧力をかけてくるかもしれません。
誘導に乗ってしまうことで、殺人未遂罪で起訴されるなど、不利な状況に追い込まれる可能性があります。
取調べで作成される供述調書は後から訂正することは容易ではありませんので、取調べ前に対策を練っておく必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
弁護士に相談をすることで殺人未遂罪などの成立を防げる場合があります。
刑事事件や交通事件で捜査を受けている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【事例紹介】軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進したひき逃げ事件①

2024-04-24

【事例紹介】軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進したひき逃げ事件①

ひき逃げ

軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進し、逃げ去ったとしてひき逃げの疑いで捜査されている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

(前略)京都府向日市寺戸町の府道交差点で、アルバイトの女性(46)=同市=が、軽トラックとみられる車に引きずられて顔面などを強打する事件があった。女性は病院に搬送されたが重傷とみられ、車はそのまま逃走した。京都府警向日町署がひき逃げ事件として捜査している。
向日町署によると、この直前、交差点の横断歩道を渡っていた女性と横断歩道前で停止した車の運転手の男が、何らかの理由で口論となった。女性が車の荷台をつかんだところ、車はそのまま発進。女性を数メートル引きずり逃走したという。
(後略)
(4月22日 産経新聞 「口論の末、荷台つかんだ女性引きずられ重傷 軽トラ?が逃走」より引用)

ひき逃げ

交通事故を起こした場合は、負傷者の救護と最寄りの警察署への報告を行わなければなりません。(道路交通法第72条1項)
負傷者の救護や警察署への報告などを行わないことをひき逃げといいます。
負傷者の救護や警察署への報告は道路交通法で義務付けられていますので、ひき逃げをした場合には道路交通法違反が成立します。

自分の運転によって人にけがを負わせ救護をしなかった場合には、道路交通法違反で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)
警察署への報告をせずに道路交通法違反で有罪になった場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条1項17号)

今回の事例では、女性が容疑者の運転している軽トラックの荷台を掴んでいる状態のまま発進し、そのまま数メートルひきづって逃走したと報道されています。
女性はけがをしているそうなので、実際に容疑者が軽トラックで女性をひきづり、救護や警察署への報告などをしていないのであれば、ひき逃げにあたり、道路交通法違反が成立する可能性があります。

ひき逃げと逮捕

刑事事件では、結果が重大な事件や、逃亡、証拠隠滅のおそれがある事件では、逮捕される可能性があります。
ひき逃げでは、現場から逃走しているわけですから、逃亡のおそれがあると判断されやすく、逮捕、勾留されてしまうおそれがあります。

だからといって、ひき逃げで必ず逮捕されるわけではありません。
逮捕の必要性がないと認められる場合には、逮捕はされません。

では、どうすれば逮捕を回避できるのでしょうか。

結論から言うと、必ず逮捕を回避できる方法や手段はありません。
しかし、弁護士と共に出頭し、身柄引受人を指定しておくことで、逮捕のリスクを少し減らせる可能性はあります。
また、逮捕されたとしても、自ら出頭することで、釈放を求める際に有利な事情に働く可能性があります。
しかし、出頭はメリットばかりでなくデメリットもありますから、出頭前は出頭するかどうかも併せて弁護士に相談をすることが望ましいです。

弁護士は逮捕後に検察官や裁判官に釈放を求めることもできますので、逮捕されないか不安な方や出頭を考えている方は、一度、弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
無料法律相談のご予約は、012ー631ー881までご連絡ください。

【事例紹介】物だと思ったと容疑を否認しているひき逃げ事件①

2024-03-29

【事例紹介】物だと思ったと容疑を否認しているひき逃げ事件①

車が人に追突した人身事故

高齢女性が車でひかれ死亡したひき逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

今月24日、東京の池袋駅近くの路上で、高齢の女性が頭から血を流して倒れているのが見つかりその後死亡した事件で、警視庁はひき逃げなどの疑いで62歳の男を逮捕しました。
警視庁によりますと、(中略)容疑者は今月24日、豊島区東池袋の路上で(中略)さんを車でひき、そのまま逃走した疑いがもたれています。(中略)さんは搬送先の病院で死亡が確認されました。
(中略)
調べに対し、(中略)容疑者は「何かにぶつかった衝撃はあったが物だと思った。車を見たが壊れてなかったし、何にぶつかったか見えなかったので家に帰った」と容疑を否認しているということです。
(3月27日 日テレNEWS 「高齢女性ひき逃げか 男を逮捕 東京・池袋駅近くの路上」より引用)

ひき逃げ

道路交通法第72条では交通事故があった場合に取らなければならない措置について規定しています。
事故があった際は、負傷者の救護を行い、最寄りの警察署の警察官に報告しなければなりません。(道路交通法第72条1項)
ひき逃げとは事故の対応を行わずに、事故現場から去ることをいいます。
負傷者の救護や警察署への報告は義務ですので、行わなかった場合には、道路交通法違反が成立します。
ですので、ひき逃げをした場合には道路交通法違反が成立することになります。

今回の事例では、容疑者が被害者を車でひき、そのまま逃走したと報道されています。
また、「何かにぶつかった衝撃はあったが物だと思った。車を見たが壊れてなかったし、何にぶつかったか見えなかったので家に帰った」と容疑を否認しているようです。
繰り返しになりますが、ひき逃げは事故が起きているのに、負傷者を救護しなかったり、事故の報告をしないことをいいます。
今回の事例では、実際に容疑者が救護や報告をしていないのであればひき逃げにあたりそうですが、容疑者は道路交通法違反の罪に問われるのでしょうか。

実は、事故に気づかなかった場合にはひき逃げにあたらず、道路交通法違反が成立しない可能性があります。

では、今回の事例について考えていきましょう。
「何かにぶつかった衝撃はあったが物だと思った。車を見たが壊れてなかったし、何にぶつかったか見えなかったので家に帰った」と容疑者は供述していると報道されています。
何かにぶつかった衝撃はあったようなので、事故について何も気づかなかったというわけではないようです。
また、通常、運転している車が何かにぶつかってしまった場合、運転をやめて何にぶつかってしまったのかを確認すると思います。
車から降りて確認をしていれば人にぶつかってしまったことがわかったでしょうから、おそらく容疑者は事故後すぐに車から降りて確認することを怠ったのだと思われます。
検察官や裁判官は何にぶつかったのかをきちんと確認しなかったことを疑問に思うでしょうし、人にぶつかったとわかったから確認せずに逃走したのではないかと疑う可能性が高く、何かにぶつかったことはわかっている状況で人だと思わなかったという主張を認めてもらうのはかなり難しいかもしれません。
ですので、報道内容が事実であった場合には、容疑者に道路交通法違反の罪が科されてしまう可能性があります。

自らの運転が原因で人を死傷させ救護を行わなかった場合に、道路交通法違反で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)
事故の報告をせずに道路交通法違反で有罪になった場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科せられます。(道路交通法第119条1項17号)

ひき逃げは懲役刑を科される可能性があり、決して科される罪の軽い犯罪だとはいえません。
また、事故を起こして人を死傷させてしまった場合、過失運転致死傷罪などが成立するおそれがあります。
今回の事例でも、報道によれば事故により人が亡くなっているようなので、過失運転致死罪が成立する可能性が考えられます。
過失運転致死傷罪も懲役刑が規定されており、執行猶予付き判決獲得に向けた弁護活動が重要になってくる可能性が高いです。

弁護士に相談をすることで、執行猶予付き判決を獲得できる場合がありますので、ひき逃げなどの道路交通法違反事件過失運転致死傷罪でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

次回のコラムでは、過失運転致死傷罪について解説します。

【事例紹介】電動キックボードの無免許運転でひき逃げ事故を起こした事例②

2024-02-29

【事例紹介】電動キックボードの無免許運転でひき逃げ事故を起こした事例②電動キックボードに乗る男性

今回のコラムでは前回のコラムに引き続き、電動キックボードによるひき逃げについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

 

電動キックボードとひき逃げ

前回のコラムで解説したように、電動キックボード原動機付自転車に分類されます。
原付バイクでは、事故を起こして負傷者の救護等せずに逃げればひき逃げになりますので、同じ原動機付自転車に分類される電動キックボードでも事故を起こして適切な対処をせずに逃げるとひき逃げになります。

ひき逃げとは、事故を起こした際に、負傷者の救護を行わなかったり、警察に事故の報告をしないことをいいます。
この負傷者の救護と事故の報告は、道路交通法第72条で義務付けられていますので、事故を起こした際にこれらの行為を行わないと道路交通法違反の罪に問われてしまう可能性があります。

自分の運転が原因で人にけがを負わせ救護を行わなかった場合に道路交通法違反で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)
また、警察に事故の報告を行わなかったことで道路交通法違反で有罪になった場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されることになります。(道路交通法第119条1項17号)

逮捕と釈放

逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断された場合には、逮捕勾留のリスクが高まります。
勾留とは逮捕に続く身体拘束のことをいい、勾留されない場合には、釈放されることになります。
ですので、勾留されない場合には、会社に出勤するなど、普段通りの生活を送ることができます。

ひき逃げ事件では、一度事故現場から逃走しているわけですから、逃亡するおそれがあると判断される可能性があります。
繰り返しになりますが、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあると判断された場合には、勾留される可能性が高いです。
ですので、ひき逃げ事件では勾留されてしまう可能性のある犯罪だといえます。

勾留の期間は最長で20日間ですので、20日間勾留されることで、会社の無断欠勤が続き解雇されてしまったなんてこともあるかもしれません。
弁護士は勾留判断前に検察官や裁判官に意見書を提出できますし、勾留決定後には裁判所に準抗告の申し立てを行うことができます。
弁護士が身柄開放活動を行うことで、早期釈放を実現でき、解雇を避けられるかもしれません。

前回のコラムでご紹介したような、電動キックボードによるひき逃げ事故でも、逃亡のおそれがあると判断される場合には、勾留されてしまう可能性があるといえます。
勾留判断前に提出する意見書は逮捕後72時間以内に提出する必要がありますので、時間との勝負になります。
弁護士に相談をすることで早期釈放を実現できる可能性がありますので、ひき逃げ事件でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120ー631ー881までご連絡ください。

【事例紹介】電動キックボードの無免許運転でひき逃げ事故を起こした事例①

2024-02-21

【事例紹介】電動キックボードの無免許運転でひき逃げ事故を起こした事例①

電動キックボードに乗る男性

無免許電動キックボードを運転し、ひき逃げ事故を起こしたとして、無免許過失運転致傷罪道路交通法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

無免許で電動キックボードに乗って歩行者と衝突し、大けがをさせたまま逃げたとして、愛知県警は8日、(中略)容疑者(44)を自動車運転死傷処罰法違反(無免許危険運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕した。ひき逃げ容疑は認める一方、「免許が必要だと思っていなかった」と一部を否認しているという。
中署によると、(中略)容疑者は2月3日午後5時10分ごろ、同市中区栄4丁目の路上で電動キックボードを無免許で運転。一方通行を危険な速度で逆走し、路上を横断していた同市東区の自営業男性(47)とぶつかり、そのまま逃げた疑いがある。男性は鎖骨が折れるなどの重傷を負った。
(中略)
県警によると、(中略)容疑者が乗っていた電動キックボードは、最高速度が時速25キロに達し、緑色のランプもないなど新分類に該当せず、免許が必要だった。
(2月9日 朝日新聞デジタル 「電動キックボードでひき逃げ容疑 逮捕の男「免許不要だと思った」」より引用)

電動キックボードと無免許運転

道路交通法第64条1項
何人も、第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(中略)、自動車又は一般原動機付自転車を運転してはならない。

電動キックボードは原動機付自転車に該当します。
原動機付自転車、いわゆる原付バイクを運転する際は免許が必要ですから、原付と同じ分類である電動キックボードを運転する際にも当然、免許が必要になります。
しかし、原動機付自転車を細分化すると、一般原動機付自転車と特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車の3分類に分けることができ、特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車の2分類に限って免許がなくても運転できることになっています。
どういったものが特定小型原動機付自転車や特例特定小型原動機付自転車に分類されるかは、車体の大きさや最高速度などで判断されています。

電動キックボードというと免許が不要なイメージもありますが、特定小型原動機付自転車、特例特定小型原動機付自転車に該当する電動キックボードのみ免許が不要ですので、一般原動機付自転車に該当する電動キックボードについては免許が必要になります。
特定小型原動機付自転車は最高速度が時速20キロメートル以下である必要がありますし、特例特定小型原動機付自転車に関しては最高速度が時速6キロメートル以下でなくてはなりません。
今回の事例の容疑者が運転していたとされている電動キックボードは最高速度が時速25キロメートルに達するとのことですので、一般原動機付自転車に分類されるでしょう。
一般原動機付自転車は免許が必要ですので、事例の電動キックボードを運転する際には免許が必要であったと考えられます。

無免許運転は道路交通法で禁止されていますから、無免許運転をした場合には道路交通法違反が成立することになります。
今回の事例でも、一般原動機付自転車に分類される電動キックボード無免許で運転したのであれば、道路交通法違反が成立する可能性があります。

無免許運転による道路交通法違反の法定刑は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金です。(道路交通法第117条2の2)

無免許過失運転致傷罪

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第6条4項
前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、十年以下の懲役に処する。

過失運転致傷罪は、簡単に説明すると、運転するにおいて払うべき注意を払わずに事故を起こしてけがを負わせた場合に成立する犯罪です。
過失運転致傷罪では、けがの程度が軽い場合には、刑が免除されることがあります。

無免許過失運転致傷罪は、無免許運転過失運転致傷罪にあたる行為をした際に成立する犯罪です。
過失運転致傷罪では刑の免除についての規定がありましたが、無免許過失運転致傷罪には免除の規定はありません。
また、無免許過失運転致傷罪には罰金刑の規定がなく有罪になれば懲役刑が科されることになるわけですから、過失運転致傷罪よりもはるかに重い刑罰が規定されていることがうかがえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
交通事故に精通した弁護士に相談をすることで、不起訴処分執行猶予付き判決を獲得できるかもしれません。
無免許過失運転致傷罪電動キックボードなどの事故でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

次回のコラムではひき逃げについて解説します。

【事例紹介】停車中の車に追突してけがを負わせ、逃走した事例

2024-01-11

【事例紹介】停車中の車に追突してけがを負わせ、逃走した事例

路上駐車の車に追突した物損事故車を運転中に停車していた軽自動車に追突し、けがをさせて逃走したとして、過失運転致傷罪などの疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

過失運転致傷などの疑いで、長岡市に住む会社員の男(50)が9日、逮捕されました。
警察の調べによりますと、(中略)乗用車を運転中、前に停まっていた軽自動車に追突する事故を起こし軽自動車に乗っていた40代女性と50代男性に頸椎捻挫などのケガをさせたのに逃走した疑いです。
(後略)
(1月11日 TeNY NEWS NNN 「大みそかの未明 追突事故おこし2人にケガさせ、車を残して逃走 会社員の50歳男を逮捕《新潟》」より引用)

過失運転致傷罪

過失運転致傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動運転処罰法」といいます。)第5条で規定されています。

自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

簡単に説明すると、自動車を運転するのに必要な注意をせずに人にけがを負わせた場合に、過失運転致傷罪が成立します。

今回の事例では、容疑者は車を運転中に前に停車していた軽自動車に追突して事故現場から逃走したとされています。
また、報道によると、追突された軽自動車に乗っていた女性と男性は頸椎捻挫などのけがを負っているようです。
車を運転するうえで前方に注意を払うのが当然ですし、通常は前方をしっかりと確認していれば追突する前に停車している車に気づくと思います。
ですので、実際に容疑者が停車中の車に追突する事故を起こしており、前をしっかりと見ていれば避けられるような事故だった場合には、運転上必要な注意を怠ったとして、過失運転致傷罪が成立する可能性があります。

ひき逃げ

ひき逃げは道路交通法第72条1項に規定されています。

道路交通法第72条1項(一部省略しています。)
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

事故を起こした場合には、負傷者の救護警察署への報告の2点を行う必要があります。
負傷者の救護や警察署への報告を行わない場合には、ひき逃げとして扱われることになります。

今回の事例では、容疑者は追突事故を起こして逃走したとされています。
実際に容疑者が事故を起こして、被害者の救護や事故の報告を行わずに逃走したのであれば、道路交通法違反が成立するおそれがあります。

自己の運転が原因で事故を起こしてけがをさせ、救護をしなかった場合に道路交通法違反で有罪になれば、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)

また、事故を起こして警察に報告せずに道路交通法違反で有罪になった場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条1項17号)

逮捕されたら

刑事事件や交通事件では、逮捕されると72時間以内に勾留の判断がなされます。
勾留が決定した場合には、最長で20日間、勾留前の期間も合わせると23日間にわたって身体拘束を受けることになります。
この期間は自由が制限されますので、会社へ通勤することはできませんし、家族との面会も制限されます。
普段の日常とはかけ離れた生活を送ることになりますので、1か月に満たない期間であってもかなりのストレスがかかることが予想されます。

精神的に不安な状態で取調べを受けることで、意に反する内容の供述調書が作成されてしまう危険性もあります。
法律に詳しい弁護士が接見を行うことで、少しでも今後の不安が和らぐ可能性がありますし、取調べのアドバイス等も受けられますので、ご家族が逮捕された際には、弁護士に相談をすることをお勧めします。

また、弁護士は勾留前や勾留決定後に釈放を求める働きかけを行うことができます。
弁護士が釈放に向けた身柄開放活動を行うことで、早期釈放を実現できる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
弁護士に相談をすることで、少しでもご家族の不安を和らげることができるかもしれません。
また、早期釈放を実現できる可能性がありますので、ご家族が逮捕された方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

ひき逃げと弁護活動

2023-11-01

ひき逃げと弁護活動

ニュースでひき逃げの報道を目にする人は多いのではないでしょうか。
ですが、ひき逃げをした場合にどのような量刑が科されるのか知らない方もいらっしゃると思います。
今回のコラムでは、具体的な事例を交えて、ひき逃げについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは、北海道札幌市中央区の道路で車を運転していました。
道路を左折しようとした際に、道路を横断していたVさんにに気づかず巻き込んでしまいました。
怖くなったAさんはその場を離れました。
Vさんは事故が原因で全治3か月のけがを負っており、後日、Aさんは札幌方面中央警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

ひき逃げとは

ひき逃げという言葉は、交通事故を起こした後、その場から逃げる行為を指します。
ひき逃げはひき逃げ罪というものがあるわけではなく、道路交通法で規定されています。

道路交通法第72条第1項前段では、交通事故が発生した場合、関係する車両の運転手は直ちに停車し、負傷者に対する救護や危険の防止など、必要な措置を講じなければならないとされています。
この義務を怠った場合、救護義務違反となる可能性があります。

また、道路交通法第72条第1項後段では、交通事故を起こした場合に、警察署へ事故を報告しなければならないと定めています。
この警察への事故の報告も救護義務と同様に義務ですので、事故の報告を怠った場合は、報告義務違反になるおそれがあります。

救護義務違反報告義務違反にあたる場合に、ひき逃げとして扱われます。

道路交通法におけるひき逃げの罰則

ひき逃げ事件が発生した場合、その運転手は道路交通法に基づいて厳しく罰せられる可能性があります。
具体的には、加害者の運転が原因で被害者がけがを負い、救護をしなかった場合には、道路交通法第117条第2項により、10年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されることがあります。

この罰則は、交通事故によって人々が受ける影響の深刻さと、運転手が負うべき社会的責任を反映しています。
特に、ひき逃げ事件では事故後すぐに被害者が適切な医療措置を受けられない可能性が高く、その結果、命に関わる事態にもつながりかねません。

また、罰則が厳しい理由の一つとして、ひき逃げ行為が他の交通違反とは異なり、故意によるものであることが多い点も挙げられます。
運転手が故意に逃走することで、事故の解決が困難になる場合が多く、そのために厳罰化されているのです。

また、報告義務違反に該当し道路交通法違反で有罪になる場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条第1項第19号)

今回の事例のAさんは事故を起こしたにもかかわらず、事故現場を去っていますので、ひき逃げにあたり、道路交通法違反が成立するおそれが高いといえます。

過失運転致傷罪とは

ひき逃げ事件においては、救護義務違反報告義務違反による道路交通法違反だけでなく、過失運転致傷罪も問われる可能性があります。
この罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」といいます。)で規定されています。

簡単に説明すると、運転上必要な注意を怠って事故を起こし、人を傷つけた場合に過失運転致傷罪が成立します。
過失運転致傷罪で有罪になると、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金が科されます。(自動車運転処罰法第5条)
ただし、その傷害が軽い場合には、情状によっては刑罰が免除される可能性もあります。

過失運転致傷罪は、故意ではなく過失によって人を傷つけた場合に適用される罪です。
しかし、その過失が重大であればあるほど、罰則も厳しくなる傾向にあります。

この罪に問われると、運転免許の剥奪や社会的信用の失墜、さらには職を失う可能性も考えられます。
そのため、過失運転致傷罪は、単なる交通違反以上の深刻な影響を及ぼす可能性があるのです。

今回の事例のAさんに過失運転致傷罪は成立するのでしょうか。

今回の事例では事故に巻き込まれたVさんが全治3か月のけがを負っています。
この事故はAさんが周囲の確認をしっかりと行わずに左折したことで起きた事故だと考えられます。
今回の事故の原因はAさんによる過失だと推測できますので、Aさんの運転上の過失によりVさんにけがを負わせた行為は、過失運転致傷罪が成立する可能性が極めて高いといえます。

ひき逃げ事件での弁護活動のポイント

ひき逃げ事件が発生した場合、被疑者やその家族が最初に考えるべきは、適切な弁護活動を行うことです。

ひき逃げ事件で行う弁護活動として、大きく以下の4つが挙げられます。

①釈放を求める活動

逮捕された場合は逮捕後72時間以内勾留の判断が行われます。
勾留が決定してしまった場合には、最長で20日間勾留されますので、早期釈放を目指す場合には勾留を阻止する弁護活動を行う必要があります。
弁護士は勾留の判断前であれば、意見書を検察官や裁判官に提出することができます。
意見書を提出することで、早期釈放を認めてもらえる可能性があります。

勾留が決定し、身体拘束が続けば、学校や職場に事件のことを知られるリスクが高く、最悪の場合には退学処分解雇処分に付されてしまう可能性もあります。
弁護士に相談をすることで勾留を阻止できる可能性があるので、早期釈放を目指す場合には弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

②不起訴処分を目指す活動

ひき逃げによる交通事件では、被害者と示談を締結することで不起訴処分を獲得できる可能性があります。
加害者本人が示談交渉をしても応じてもらえない場合が多々あります。
弁護士を介して示談交渉を行うことで示談に応じてもらえる場合があります。

③執行猶予の獲得を目指す活動

示談を締結することで、執行猶予付き判決を得られる可能性があります。
また、示談を得られない場合であっても、加害者が反省し、二度と事故を起こさないような対策を立てていることなどを弁護士が裁判官に主張することで、不起訴処分を得られる場合があります。

④ひき逃げについて争う

運転する車の種類や事故の程度によって、人を轢いたことに気づけない場合があります。
そういった場合には、弁護士がひき逃げの成否を争うことで、ひき逃げによる道路交通法違反について無罪を得られる可能性があります。

ひき逃げに強い弁護士を

ひき逃げ事件は、その行為自体が非倫理的であるだけでなく、法的にも厳しく罰せられる行為です。
事件後すぐに弁護士に相談をすることで、不起訴処分執行猶予付き判決の獲得など、良い結果を得られる可能性があります。
ひき逃げで捜査を受けている方、ご家族が逮捕された方は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881で受け付けております。

【事例紹介】無免許運転でひき逃げ事故 大阪③

2023-10-18

【事例紹介】無免許運転でひき逃げ事故 大阪③

前回のコラムに引き続き、大阪府寝屋川市で起きた無免許運転によるひき逃げ事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

無免許運転でひき逃げ事故を起こしたとして、大阪府警寝屋川署は3日、自動車運転死傷処罰法違反(無免許過失運転致傷)や道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、大阪府守口市(中略)容疑者(64)を逮捕したと発表した。逮捕は2日付。「無免許がばれて処罰されるのが怖くなった」などと容疑を認めているという。
逮捕容疑は(中略)、大阪府寝屋川市仁和寺町の府道交差点で車を無免許運転して右折しようとしたところ、横断歩道を歩いていた(中略)男性(49)と衝突したが、逃走したとしている。男性は右足骨折などで全治2カ月の重傷。
(10月3日 産経新聞 THE SANKEI NEWS 「「無免許ばれるのが怖くて…」ひき逃げ 容疑で64歳男逮捕 大阪・寝屋川署」より引用)

ひき逃げ

救護義務報告義務といった言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
救護義務は、事故を起こした場合に負傷者を救護する義務。
報告義務は、事故を起こした場合に警察に事故を報告する義務を指します。

道路交通法第72条1項では、交通事故があったときは負傷者を救護し、警察官に事故を報告しなければならないとしています。
ですので、救護義務報告義務を怠った場合、つまり、事故を起こして相手にけがを負わせたのに救護をしなかった場合や、警察に事故の報告をしなかった場合には、道路交通法違反が成立することになります。

ひき逃げは事故を起こしたのに救護を行わなかったり、事故の報告をしないことをいいますので、ひき逃げをした場合は、道路交通法違反が成立することになります。

自分の運転により人にけがを負わせ、なおかつ、救護を行わなかったことで道路交通法違反で有罪になった場合には、十年以下の懲役又は百万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)
また、事故を起こしたのに報告を行わず、道路交通法違反で有罪になった場合は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条1項17号)

今回の事例では、車を運転している容疑者が歩行者に追突し、逃走したと報道されています。
実際に容疑者が歩行者の救護や事故の報告をしていないのであれば、ひき逃げにあたり、道路交通法違反が成立することになります。

逮捕とひき逃げ

逮捕されると刑罰が確定するまでは留置場などから出られないと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、釈放が認められれば、刑罰が確定していなくても普段通りの生活に戻れる場合があります。

刑事事件では、逮捕されるとそのまま身体拘束が続くのではなく、逮捕後72時間の間に、勾留をするかどうかの判断が行われます。
勾留は1回につき10日間認められており、1回までであれば延長が認められていますので、勾留が決定してしまうと長い場合には20日間勾留が続く可能性があります。

勾留の判断基準については、刑事訴訟法第60条1項で規定されています。

刑事訴訟法第60条1項
裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
一 被告人が定まった住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

上記の3つのうちの1つでも当てはまるのであれば、勾留が決定するおそれがあります。

ひき逃げ事件では、一度容疑者が事故現場から逃走していますので、3つ目の「逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき」に該当してしまう可能性が高いです。

ですが、ひき逃げをしたからといって、必ずしも勾留が決定してしまうわけではありません。

弁護士は勾留が決定される前であれば、検察官や裁判官に働きかけを行うことができます。
ですので、勾留が決定する前に、容疑者に身元引受人がいることや、容疑者が逃亡しないように監視監督ができる人がいることを検察官や裁判官に訴えることで、勾留されずに釈放される可能性があります。

この勾留前の検察官や裁判官への働きかけは、逮捕後72時間以内に行う必要があります。
提出する書類等の準備もありますので、早期釈放を目指す場合には、早い段階で弁護士に相談をすることが望ましいです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービスを行っています。
初回接見サービスのご予約は、0120―631―881で受け付けておりますので、ご家族が逮捕された方、ひき逃げでお困りの方は、即日対応可能弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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