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過失運転致死・ひき逃げの疑いで逮捕 父親の葬儀に参列する方法はある?

2021-10-19

今回は、過失運転致死・ひき逃げの疑いで逮捕・勾留された被疑者が、父親の葬儀に参列するための弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~
Aさんは、自動車を運転中に死亡人身事故を起こし、その場から逃走した疑いで逮捕、勾留されています。
Aさんには弁護人がいますが、ある日の接見中、弁護士から父親の訃報を知らされました。
父親の葬儀に参列し、お別れをしたい気持ちはありますが、勾留されているため外に出ることができません。
Aさんが葬儀に参列する方法はないのでしょうか。(フィクションです)

~Aさんの起こした犯罪について解説~

(過失運転致死罪)
過失運転致死傷罪は、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合に成立します(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)。
法定刑は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となっております。

過失運転致死罪は上記のうち、被害者が死亡してしまった場合に成立します。
傷害するに留まった場合は、過失運転致傷罪が成立します。
両者を合わせて、過失運転致死傷罪と呼びます。

被害者の傷害が軽いときは、情状により、刑が免除されることがありますが、死亡させてしまった場合には、この規定により免除されることはありません。

(救護義務違反、危険防止等措置義務違反)
一般に「ひき逃げ」と呼ばれる犯罪です。
道路交通法第72条1項前段は、
「交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない」
としています。

Aさんは死亡人身事故を起こしてしまったにも関わらず、そのまま事故現場から逃走しています。
上記行為は、道路交通法違反の罪(救護義務違反・危険防止等措置義務違反)を構成する可能性が高いでしょう。
法定刑は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっております(道路交通法117条2項)。

~Aさんが父親の葬儀に参列する方法はないか?~

代表的な身柄解放活動として、「準抗告」、「勾留取消請求」があります。
しかし、Aさんに対する勾留決定について法律上の問題がない場合や、勾留の理由及び勾留の必要が現在も認められる場合には、これらの方法によって身柄解放を実現することはできません(行ったとしても、却下されます)。

(「勾留の執行停止」を活用)
特殊な身柄解放活動として、「勾留の執行停止」という制度を利用することが考えられます。
刑事訴訟法第95条は、「裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる」としています。
条文中には「被告人」とありますが、捜査段階の「被疑者」の勾留に対しても準用されます(刑事訴訟法第207条1項)。

執行停止が認められる場合として、実務上、①被告人の病気、②特に親しい近親者の病気や冠婚葬祭、③学生の試験があります。
父親は極めて近い親族であり、勾留中にその葬儀が行われる場合は、勾留の執行停止が認められる可能性があります。

勾留執行停止の申請を行い、認められると、勾留の執行が一時的に停止され、外に出ることができます。
外に出ることができれば、Aさんは父親の葬儀に参列することができるかもしれません(もちろん、その他の親族から参列を拒否された結果、参列できない可能性はありうるでしょう)。

逮捕・勾留中であっても、父親の葬儀に参列できる可能性のある方法が存在します。
まずは弁護人から勾留の執行停止について説明を受け、手続を進めてもらいましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
逮捕・勾留中の冠婚葬祭につきお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

交通事件での身体拘束

2021-08-21

交通事件での身体拘束の可能性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
ある朝、警視庁西新井警察署の警察官が東京都足立区にあるAさん宅を訪れました。
Aさんは、先日の交通事故の件で話が聞きたいと警察官から言われ、西新井警察署に連れて行かれました。
お昼ごろ、Aさんの妻に連絡があり、「ご主人をひき逃げ事件の件で逮捕しました。」と言われ、妻はまさか逮捕されるとは思っておらず大変驚いています。
このままAさんの身体拘束が続くのかどうか心配になったAさんの妻は、すぐに対応してくれる弁護士をネットで探すことにしました。
(フィクションです。)

刑事事件での身体拘束

あなたが罪を犯したと疑われた場合、捜査機関によってあなたの身柄が拘束されることがあります。
すべての事件において、被疑者・被告人が身体拘束を強いられるわけではありません。
人の身体の自由を一定期間奪うわけですから、法律に定められている要件を満たす場合にのみ、被疑者・被告人の身柄を拘束することが許されるのです。

捜査段階では、まず、「逮捕」という身体拘束を伴う強制処分があります。
これは、被疑者の取調べを目的として、被疑者の意思に反して、身体・行動の自由という重要な権利利益を侵害する処分です。
ですので、この処分を実施するためには、法律、ここでは刑事訴訟法と呼ばれるものですが、それに定められている要件を満たしていることが前提となります。
逮捕には、①通常逮捕、②現行犯逮捕、③緊急逮捕の3種類があります。
ここでは、①通常逮捕の要件について説明します。

通常逮捕とは、事前に裁判官が発行する逮捕令状に基づいて、被疑者を逮捕するもので、これが逮捕の原則的な形態です。
逮捕の要件は、①逮捕の理由、および、②逮捕の必要性です。
①逮捕の理由とは、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることです。
そして、②逮捕の必要性というのは、被疑者が逃亡するおそれや罪証隠滅するおそれがある場合をいいます。
検察官または司法警察員が逮捕状の請求を行い、その請求を受けて、裁判官が逮捕の理由と逮捕の必要性を審査し、逮捕状を発布するか、請求を却下するかを判断します。

逮捕に引き続いて行われ得る身体拘束を伴う強制処分として、「勾留」というものがあります。
勾留は、比較的長期間の身体拘束を伴うものです。
勾留は、起訴前の勾留(「被疑者勾留」ともいいます。)と起訴後の勾留(「被告人勾留」ともいいます。)とに分けられます。

被疑者勾留の要件は、①犯罪の嫌疑、②勾留の理由、③勾留の必要性、の3つです。
①犯罪の嫌疑の要件とは、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることをいいます。
②勾留の理由については、住居不定、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれ、のいずれかに該当する場合にあるものと判断されます。
そして、②勾留の理由がある場合であっても、被疑者を勾留することにより得られる利益と、これによって生じる不利益を比較してつり合いがとれないようなときは、被疑者を勾留することは許されません。
これを③勾留の必要性(もしくは相当性)といいます。
検察官が勾留を請求し、裁判官が勾留の要件を満たしているかどうかを判断します。
被疑者勾留の期間は、原則、検察官が勾留請求をした日から10日間です。
ただし、検察官が勾留延長の請求をし、それを裁判官が認めた場合には、最大で更に10日間となります。

被疑者が起訴されると、勾留も被疑者勾留から被告人勾留へと切り替わります。
勾留されている被疑者が起訴された場合、当然に被告人勾留が開始されます。
被告人勾留の要件は、被疑者勾留のそれと同じです。
ただし、勾留期間は起訴の日から2か月で、裁判所は、特に継続の必要があるときは、勾留期間を1か月ごとに更新することができます。

以上のように、刑事事件において身体拘束は絶対ではありませんが、要件を満たす場合には長期間の身体拘束を余儀なくされることがあります。

交通事件での身体拘束の可能性

交通に関する刑事事件、例えば、無免許運転や飲酒運転による道路交通法違反や、人身事故による過失運転致死傷や危険運転致死傷事件を起こした場合、通常の刑事事件と同様に、先に述べたように身柄が拘束される可能性があります。
単純な無免許運転や飲酒運転の場合、多くが現行犯逮捕となりますが、逃亡のおそれも罪証隠滅のおそれもないと判断され、その後釈放されるケースが多いでしょう。
人身事故を起こした場合については、過失運転致死傷に該当するケースであり被害がそこまで大きくないのであれば、勾留されずに釈放となる可能性が高いでしょう。
一方、危険運転致死傷に該当するような重大な事故の場合や、ひき逃げ事件では、被疑者の身柄を確保して捜査を継続する必要がある判断される傾向にあります。
特に、ひき逃げ事件については、いったん現場から逃走しているため、逃亡のおそれが高いと判断されるからです。
しかしながら、長期の身体拘束は、退学や懲戒解雇といった過度な不利益を被疑者・被告人に課すものであるため、不当不要な身体拘束は避けなければなりません。
そのため、逮捕された場合や、逮捕されそうな場合には、早期に弁護士に相談し、身柄解放に向けて動いてもらいましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件で逮捕されて対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

無免許飲酒運転でひき逃げ

2021-07-17

無免許飲酒運転ひき逃げした事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
大阪府大阪市都島区の交差点で、横断中の歩行者をひいて逃走したとして、大阪府都島警察署は、車を運転していたAさんを逮捕しました。
事件後、現場から少し離れた駐車場で車を止め、車内で寝ていたAさんを発見し、呼気検査をしたところ、基準値を超えるアルコールが検出されました。
また、Aさんは免停中であることが発覚し、警察は、Aさんが、無免許のうえ、酒を飲んで車を運転し、横断していた被害者をひき逃げした疑いで、捜査を進めています。
(フィクションです。)

無免許飲酒運転でひき逃げした場合

無免許運転かつ飲酒運転ひき逃げをした、という上の事例のようなケースでは、どのような罪が成立するのでしょうか。

1.飲酒運転

道路交通法第65条第1項は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と規定しており、身体にアルコールを保有したまま車両等を運転することは禁止されています。
そして、一定程度以上のアルコールを身体に保有したまま車両等を運転する行為は、刑事罰の対象となります。

■酒気帯び運転■
血中アルコール濃度が一定量に達しているかどうか、という形式的な基準で判断されます。
その基準とは、「呼気1リットルあたりのアルコール濃度が0.15ミリグラム以上」です。
酒気帯び運転の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

■酒酔い運転■
酒酔い運転は、アルコール濃度の検知値には関係なく、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」で車両等を運転した場合に成立します。
具体的には、直線を真っすぐ歩けるか、呂律が回っているか等といった点から判断されます。酒酔い運転の法定刑は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と、酒気帯び運転の法定刑よりも重くなっています。

2.人身事故

■過失運転致死傷■
通常、人身事故を起こした場合、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)で規定される「過失運転致死傷罪」が適用されます。
この罪は、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた」場合に成立します。
前方不注意や巻き込み確認を怠ったこと等の不注意によって相手を死亡させた場合には、過失運転致死傷罪が適用されます。
過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。

■危険運転致死傷■
ところが、飲酒運転で人身事故を起こした場合、より重い罪が成立する可能性があります。
それは、「危険運転致死傷罪」です。
危険運転致死傷罪は、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ」、「よって、人を負傷させた」場合に成立します。
この場合の法定刑は、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役と、かなり重くなります。
また、「アルコールの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させ」た場合は12年以下の懲役、人を死亡させた場合は15年以下の懲役が科される可能性があります。
危険運転致死傷罪が適用される場合、道路交通法違反(酒気帯び運転、酒酔い運転)は危険運転致死傷罪に吸収されるため、別個には成立しません。

3.無免許運転

■無免許運転■
道路交通法第64条第1項で、「何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。」と規定し、無免許運転を禁止しています。
無免許運転の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

■無免許運転による加重■
自動車運転処罰法第6条は、「第2条(危険運転致死傷)の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、6月以上の有期懲役に処する。」と規定しています。
また、第3条(準危険運転致死傷罪)の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をした者であるときは、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は6月以上の有期懲役と加重されます。
更に、第5条(過失運転致死傷)を犯した者が、無免許運転をしたときは、10年以下の懲役と刑が加重されます。

4.ひき逃げ

■救護義務違反■
道路交通法第72条第1項前段は、「交通事故があったといは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。」と規定しています。
これを「救護義務」といい、これに反して現場から逃走する行為を「ひき逃げ」と呼びます。
救護義務違反の法定刑は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金ですが、人身事故が、「人の死傷が当該運転者の運転に起因する」ものである場合に救護義務に違反した場合は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

■過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱■
自動車処罰法第4条は、アルコールの影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時にアルコールの影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコールを摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコールの濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処すると規定しています。
この罪を犯した者が、無免許運転であった場合には、刑は15年以下の懲役に加重されます。

無免許運転かつ飲酒運転ひき逃げをした場合で、成立し得る罪としては、次の4つのケースが考えられます。
①道路交通法違反(酒気帯び運転、または酒酔い運転)、無免許過失運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の3罪。
②無免許危険運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
③無免許準危険運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
④無免許過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
いずれの場合も、実刑の可能性が高く、弁護人は、被害者との示談成立、被告人の反省の態度や再発防止措置が講じられている等の被告人に有利な事情を示し、できる限り刑が軽くなるように弁護することになるでしょう。
また、危険運転致死が成立する場合には、裁判員裁判の対象となりますので、裁判員裁判に向けた公判準備を行う必要もあります。
交通事故を起こし対応にお困りの方は、早期に弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件にも対応する刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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無免許運転でひき逃げ

2021-06-12

無免許運転ひき逃げした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
東京都杉並区の交差点で横断中の自転車とぶつかる人身事故を起こしたAさんは、無免許の発覚を恐れ、そのまま車を発進させて現場から逃走しました。
後続車のドライブレコーダーからAさんの身元が特定されたため、警視庁高井戸警察署は、Aさんをひき逃げ事件の容疑者として逮捕しました。
(フィクションです。)

無免許運転でひき逃げした場合

無免許運転を行い、人身事故を起こしたにもかかわらず、被害者を救助することなく立ち去った場合には、いかなる罪に問われ、どのような刑罰を受ける可能性があるのでしょうか。

1.無免許運転

まずは、無免許運転それ自体について、どのような罪に問われるのかについて説明します。
無免許運転とは、通常、公安委員会の運転免許を受けずに自動車や原動機付自転車を運転することをいいます。
道路交通法第64条は、無免許運転を禁止しており、それに違反した場合の法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
無免許運転は、交通反則通告制度の対象外であるため、反則金の納付をもって処理される行政処分で済ますことはできません。

2.人身事故

自動車等の運転中に事故を起こし、人に怪我を負わせたり、死亡させてしまった場合には、通常、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)の過失運転致傷罪、あるいは危険運転致死傷罪に問われます。
ただし、それらの罪を犯した者が事故時に無免許であった場合、刑が加重されます。
過失運転致死傷罪に問われる場合であれば、法定刑が7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となるのに対して、その罪を犯した時に無免許運転をしていた場合には、10年以下の懲役と加重されます。
自動車運転処罰法が無免許運転による加重規定を置いているため、無免許運転で人身事故を起こした場合には、無免許運転それ自体に対する罪である道路交通法違反は別個に成立しません。

3.ひき逃げ

人身事故を起こしたにもかかわらず、被害者を救護することなく現場から逃走することを、一般に「ひき逃げ」と呼びます。
現在、「ひき逃げ罪」なる罪を規定する法律はありませんが、道路交通法第72条は、交通事故があった場合には、運転者等は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置をとることを義務付けています。
この義務を「救護義務」といい、ひき逃げに当たる行為は、救護義務違反となります。
救護義務違反の法定刑は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
しかし、人身事故が「人の死傷が当該運転者の運転に起因するもの」である場合に、救護義務に違反したときは、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪に問われる場合は、運転者の運転に起因するものとなります。

Aさんに問われる罪は、無免許運転過失致傷罪と道路交通法違反(救護義務違反)の2つです。
これら2罪は、「併合罪」の関係にあります。
「併合罪」は、確定裁判を経ていない2個以上の罪で、有期懲役・禁錮については、最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とします。
ただし、各刑の長期の合計を超えることはできません。
懲役刑を言い渡す場合、無免許過失運転致傷の法定刑が10年以下の懲役で、救護義務違反のそれが10年以下の懲役で、どちらも同じですから、長期10年にその2分の1である5年を加えて15年以下の範囲で懲役刑が決められます。
となれば、起訴されて有罪となれば、実刑判決が言い渡される可能性も考えられるため、できる限り早く弁護士に相談し、弁護を依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
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非接触事故でひき逃げ

2021-04-10

非接触事故ひき逃げとなる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
東京都日野市を車で走行していた会社員のAさんは、交差点を左折する際に、左側から横断歩道を渡ろうとしていた自転車の高校生にぶつかりそうになりました。
実際にはAさんの車と女子高生は接触していませんでしたが、驚いた女子高生は自転車ごと転倒しました。
Aさんは、「ぶつかったわけではないから自分のせいではないだろう。」と思い、その場を後にしました。
後日、警視庁日野警察署から連絡があり、過失運転致傷と道路交通法違反(ひき逃げ)の容疑で取調べのため出頭するよう言われました。
Aさんは、出頭前に弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

非接触事故でも過失運転致傷に?

交通事故というと、車と車、バイク、自転車、歩行者と接触した結果、相手方に怪我をさせたり、最悪の場合には死なせてしまう場合を想定される方がほとんどだと思います。
これに対して、相手方との物理的な接触を伴わない交通事故を「非接触事故」と呼びます。

接触事故を起こし、その結果、相手方に怪我を負わせてしまったり、死亡させてしまった場合には、通常、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)の「過失運転致死傷罪」が適用されることになります。

過失運転致死傷罪

自動車運転処罰法5条は、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。」と規定しています。

つまり、過失運転致死傷罪は、「自動車の運転上必要な注意を怠った結果、人を死傷させる」罪です。
「自動車の運転上必要な注意」というのは、自動車の運転者が、自動車の各種装置を操作して、そのコントロール下において、自動車を動かす上で必要とされる注意義務のことです。
ちょっとした前方不注意やわき見運転、巻き込み確認を怠ったなども「自動車の運転上必要な注意を怠った」ことになります。
この点、Aさんは、交差点を左折する際には、横断者の動静に注意を払い横断者の安全を確認する注意義務があり、それを怠っていた場合には、「自動車の運転上必要な注意を怠」ったことになります。

そして、過失運転致死傷罪の成立には、注意を怠った「ことにより」人を死傷させたという注意義務違反と人の死傷との間に因果関係がなければなりません。
接触事故の場合には、車が相手方に衝突(=接触)したことが人の死傷という結果を惹起したと、比較的容易に判断できるでしょう。
しかし、非接触事故の場合には、注意義務違反と人の死傷との間の因果関係が不明確であることもあり、過失運転致死傷罪の立証が困難な場合もあります。

以上のように、非接触事故であっても過失運転致死傷罪が成立する可能性はあります。

そして、交通事故を起こし、人を負傷させたにもかかわらず、救護することなく現場から逃走する行為は、いわゆる「ひき逃げ」となり、道路交通法上の救護義務違反及び報告義務違反に当たります。

ひき逃げ事件では、一度現場から逃走しているため、警察に逮捕される可能性があります。
また、ひき逃げ事件は、悪質性が高いとして、公判請求される場合も多いため、捜査段階から弁護士に相談し、きちんと弁護をしてもらうことが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件にも対応する刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
交通事故を起こし対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

ひき逃げ事故で逮捕

2021-01-30

ひき逃げ事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
東京都昭島市で、歩行者の男性がトラックにひかれて重傷を負うひき逃げ事故が起きました。
警視庁昭島警察署は、トラックを運転したAさんを過失運転致傷と道路交通法違反の疑いで逮捕しました。
Aさんは、調べに対し、「何かにぶつかったが、人ではないと思った。」と容疑を否認しています。
(フィクションです)

ひき逃げ」は、人身事故を起こしたにもかかわらず、被害者の救助や警察への通報をせずに、現場から逃走することを指す言葉として一般的に理解されています。
このような行為は、「道路交通法」という法律で運転手に課されている義務に反するものとして、刑罰の対象となります。

救護措置義務

道路交通法第72条は、交通事故があった場合の措置について定めています。

まず、本条第1項は、交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない旨を規定しています。
「負傷者を救護し」とは、現場において応急処置をすることの他、救急通報や負傷者を病院へ運ぶことも含まれます。
「道路における危険を防止する等必要な措置を講じ」るというのは、例えば、その交通事故を起こした車両等をそのまま道路上に放置することは危険なので、これをすみやかに他の場所に移動させることや、負傷者を安全な場所に移動させるなどといった措置です。

そして、道路交通法第117条において、当該義務違反に対する罰則を定めています。
その1項において、当該車両の交通による人の死傷があった場合、つまり、人身事故があった場合に、車両等の運転者が救護措置義務に違反したときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する旨について規定しています。
また、本条第2項は、救護措置義務の規定に違反した運転者のうち、その運転に起因して交通事故を生じさせた者、つまり、当該交通事故の発生に責任のある運転者に対しては、第1項よりも重い罰則、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する旨を定めています。

事後報告義務

道路交通法第72条1項の後段は、救護措置義務が生じて必要な措置をとった場合に、当該車両等の運転者に警察官に対して事故について報告する義務について定めています。
この義務に違反した場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科される可能性があります。

交通事故の認識

交通事故が起きた場合の措置義務違反は、故意犯です。
「交通事故の発生」が当該「義務が生じる前提条件」である以上、当該義務を事故関与者である運転者に負わせるためには、運転者が、その車両等の交通により人の死傷(物の損壊)があったことについて認識していることが必要となります。

車両等の交通により人の死傷があったことについての認識の程度については、人に接触し、若しくはこれを転倒させしめたことのみについての認識で足りるとする見解と、人の死傷を生ぜしめたことの認識まで必要とする見解とがありますが、後者の見解が有力であるとされています。
救護措置義務違反と報告義務違反は、どちらも故意犯であり、人の死傷についての認識が必要とされますが、その認識は、必ずしも確定的なものである必要はなく、未必的(~かもしれない)な認識で足りると理解されています。
認識の程度については、個々の交通事故について具体的情況に基づいて合理的に判断されますが、一般的には、交通事故当時の運転者等の身体、心身の状況、現場の状況(特に路面の状況)、事故発生時の衝撃、音響、叫声の有無、自動車の損傷、事故態様、その他事故発生時の周囲の客観的事情を総合して判断されます。

上の事例において、ひき逃げが成立する場合には、過失運転致死傷罪及び道路交通法違反の2罪が成立することになります。
2罪は、併合罪の関係にあり、併合罪のうち2個以上の罪について有期懲役・有期禁錮に処するときは、その最も重い罪の刑について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とします。
そのため、過失運転致傷罪と道路交通法違反(救護措置義務違反)の2罪で有罪となった場合には、15年以下の懲役の範囲内で刑が言い渡されることになります。
一方、過失運転致傷罪のみが成立する場合には、有罪となれば7年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金の範囲内で刑が言い渡されます。

交通事故を起こしてしまい、ひき逃げが疑われている場合には、すぐに交通事件に詳しい弁護士に相談するのがよいでしょう。
法律の専門家である弁護士に相談し、取調べで誘導に乗り不利な供述がとられてしまわないよう取調べ対応についてのアドバイスを受けることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件にも対応する刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

交通事件における身体拘束からの解放

2020-10-31

交通事件における身体拘束からの解放に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

会社の仲間と酒を飲んだ後に、車を運転して帰宅しようとしていたAさんは、交差点で横断中の歩行者を見落とし、はねてしまいました。
飲酒運転がばれると思ったAさんは、倒れた歩行者を助けることなく、その場を後にしました。
しかし、後日、Aさんは、京都府舞鶴警察署の警察官に過失運転致傷、道路交通法違反の疑いで逮捕されることとなりました。
Aさんは、おおむね容疑を認めていますが、この先いつ釈放されることになるのか不安で仕方ありません。
(フィクションです)

交通事件における身体拘束

あなたが交通事故を起こし、何らかの罪が成立する場合、捜査機関が捜査を行う上で身体拘束が必要であると判断した場合、あなたの身柄は確保される可能性があります。
特に、人身事故や無免許、飲酒運転、ひき逃げ事件については、逮捕されることが多いでしょう。
多くが捜査機関に発覚したときに、その場で逮捕される(現行犯逮捕)されますが、ひき逃げであれば、その後の捜査の結果、犯人であることの証拠を一定程度収集した後に、逮捕令状を持って捜査機関が自宅などに来て逮捕することになるでしょう。

逮捕は、比較的短時間(最大で48時間)被疑者の身柄を拘束する強制処分のことですが、捜査を行う上で、逮捕後も引き続き被疑者の身柄を拘束する必要があると判断される場合には、「勾留」に付される可能性があります。

勾留は、被疑者・被告人の身柄を比較的長期間拘束する強制処分です。
逮捕に引き続いての勾留を「被疑者勾留」と呼びます。
逮捕から48時間以内に、警察は被疑者を釈放するか、検察に被疑者の身柄を証拠書類などと共に送ります。
検察に当該事件についての処理を引き継ぐ手続を「送致」と呼び、検察官が事件についての最終的な処分を決めます。
具体的に言えば、被疑者を起訴するか否かの判断であり、この判断は検察官だけが行うことができます。
検察官は、事件を受理すると、事件処理を行うのですが、通常は事件を受理してすぐに処理についての判断をすることはできませんので、引き続き捜査を行った上で最終的な処分を決定します。
そのために被疑者の身柄を引き続き拘束する必要があると考える場合には、検察官は裁判官に対して当該被疑者についての勾留請求を行います。
検察官からの勾留請求を受けて、裁判官は、被疑者と面談をし、送られてきた書類を見た上で、当該被疑者を勾留に付すか否かを判断します。
裁判官が勾留の決定をなせば、検察官が勾留請求をした日から原則10日間、被疑者は引き続き身体拘束を受けることになります。
勾留期間の延長が必要だと検察官が判断すれば、検察官は勾留延長の請求をし、請求を受けた裁判官は勾留延長の許否について判断します。
延長が認められれば、身体拘束の期間は最大で勾留請求の日から20日となります。

身柄事件では、検察官は身体拘束の期限内に起訴・不起訴の判断をします。
この期間中に判断が難しい場合には、最終的な処分を保留して被疑者の身柄を釈放することもあります。

検察官が公判請求をすると、被疑者は「被告人」となり、勾留は「被告人勾留」に切り替わります。
被告人勾留の勾留期間は、原則、公訴の提起があった日から2か月です。
特に継続の必要がある場合においては、1か月毎に更新されます。
逮捕から判決の言い渡しまで身体拘束が継続し、実刑判決となった場合には、そのまま刑務所に入ることになり、一度も外に出ることがないといった事態もあり得なくはないのです。

身体拘束からの解放に向けた活動

最終的にどのような結果になるにしろ、長期の身体拘束は、被疑者・被告人だけでなく、その家族にも多大なる不利益を生じるおそれがあるため、可能な限り避けるべきです。

弁護士は、できる限り早期に釈放となるよう、段階毎に身柄解放活動を行います。

1.捜査段階

逮捕された場合、勾留を回避すべく関係機関に働きかけます。
検察官に事件が送致されたタイミングで、意見書の提出や面会を行うなどして検察官に勾留請求しないよう働きかけます。
ここで、検察官が勾留請求をする必要がないと判断すれば、被疑者は釈放されることになります。

検察官が勾留請求を行った場合には、今度は裁判官に対して、意見書の提出や面談を通じて、勾留の要件を充たさないことを主張し、勾留をしないよう働きかけます。
裁判官が、検察官の勾留請求を却下すれば、即日被疑者は釈放されます。

裁判官が勾留の判断をした場合であっても、その裁判に対して不服申し立てを行います。
不服申し立てをすると、今度は、勾留の裁判をした裁判官ではない3人の裁判官が先の勾留の裁判に誤りがないか否かを判断することになります。
ここで先の裁判を取り消し、検察官の勾留請求を取り消す旨の判断がされると、被疑者の身体拘束は解かれることになります。

交通事件では、重大な罪(危険運転致死傷罪など)やひき逃げ事件では、勾留となるケースが多いですが、人身事故でない無免許・飲酒運転、被害が比較的軽い過失運転致傷事件では、家族などの監督が期待できる場合などは勾留を回避できる可能性は高いでしょう。

2.起訴後

捜査段階では身体拘束を解くことが難しい場合であっても、起訴後に保釈が認められて釈放される可能性もあります。
保釈は、保釈保証金の納付や一定の遵守事項を守ることを条件として、勾留の執行を一定期間猶予する制度です。
弁護士は、起訴されたタイミングで、すぐに保釈請求を行い、早期に釈放となるよう動きます。

ご家族が交通事件で逮捕され、身体拘束からの解放をご希望であれば、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に今すぐご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

自転車事故でひき逃げ

2020-10-24

自転車事故ひき逃げした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

兵庫県芦屋市内の四つ角で、通行中のVさは、右側から自転車を運転していたAさんとぶつかりました。
二人とも転倒し、Vさんは頭などを強く打って病院に搬送されました。
Aさんはそのまま自転車で逃走しており、兵庫県芦屋警察署は、ひき逃げ事件として捜査を開始しました。
事故から少しして現場に戻ってきたAさんは、警察が捜査をしている様子を見て不安になり、警察に出頭したほうがよいのではないかと考えています。
(フィクションです)

自転車事故

自転車を運転し、人にぶつかるなどして相手方に怪我を負わせたり、死亡させてしまった場合には、自動車による人身事故で適用される過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪は問題となりません。
過失運転致死傷罪及び危険運転致死傷罪が規定されている「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(いわゆる「自動車運転処罰法」)は、「自動車」の走行・運転行為に起因して、人を負傷・死亡させることを処罰の対象としており、ここでいう「自動車」というのは、道路交通法第2条第1項第9号に規定する自動車及び同項第10号に規定する原動機付自転車を指すのであって、「自転車」は含まれません。

それでは、自転車事故により人を負傷・死亡させた場合には、どのような罪に問われるのでしょうか。

多くの場合、刑法上の過失傷害、過失傷害致死、または、重過失致死傷が問題になります。

1.過失傷害罪

過失傷害罪は、「過失」により人を傷害した場合に成立する罪です。
暴行や傷害の故意がなく、不注意によって人に傷を負わせてしまうものです。
自転車事故の原因が、ちょっとしたよそ見などの場合は、過失傷害罪となるでしょう。

2.過失致死罪

過失致死罪は、過失によって人を死亡させた場合に成立する罪です。
上の過失傷害のように、不注意によって人を死亡させてしまうものです。

3.重過失致死傷罪

「重大な過失」により人に怪我を負わせたり死なせてしまった場合に成立する罪です。
こちらも、暴行や傷害の故意はなく、「重大な過失」の結果、人に傷を負わせたり死亡させて
しまう犯罪です。
「重大な過失」とは、注意義務違反の程度が著しい場合をいいます。
発生した結果の重大性、結果発生の可能性が大であったことは必ずしも必要ではありません。
自転車事故では、
・携帯電話で通話しながらの運転
・スマートフォンを操作しながらの運転
・イヤフォンをつけて音楽を聴きながらの運転
・ものすごいスピードで歩道を走っていた場合
・夜間に無点灯で走っていた場合
などが、重過失致死傷罪に問われる可能性が高いと言えます。

自転車事故でひき逃げ

自転車で人身事故を起こした場合、自動車とは異なり、過失運転致死傷罪又は危険運転致死傷罪は問題とはなりませんが、相手方を救護せず、警察にも報告せずに現場を後にする行為については、自動車と同様に、道路交通法違反に問われることになります。

道路交通法第72条 交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

この条文は、救護義務を当該交通事故に係る車両等の運転手その他の乗務員に課していますが、「車両等」には自転車などの軽車両も含まれます。

そのため、自転車事故であっても、救護義務・報告義務に違反すれば、道路交通法違反が成立することになるのです。

自転車事故であっても、相手方に怪我を負わせたにもかかわらず、現場から逃亡しているのであれば、逮捕される可能性はあると言えるでしょう。

自転車事故や自動車事故などの交通事件で対応にお困りの方は、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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まずはお気軽にご相談ください。

無免許・酒気帯びで交通事故

2020-09-26

無免許酒気帯び交通事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

深夜、埼玉県行田市の道路を酒気を帯びたまま乗用車を運転していたAさんは、前方を走行していたバイクに衝突し、転倒させてしまいました。
しかし、Aさんは、無免許かつ飲酒運転であることが発覚することを恐れ、被害者の安否を確認することなく、そのまま現場を後にしました。
後日、埼玉県行田警察署は、道路交通法違反および自動車運転処罰法違反の疑いでAさんを逮捕しました。
(フィクションです)

無免許運転で事故を起こした場合

無免許運転とは、公安委員会の運転免許を受けずに、自動車または原動機付自転車を運転することをいいます。
無免許運転には、これまで一度も有効な運転免許証の交付を受けずに運転する行為だけでなく、過去に有効な免許証は交付されていたものの、免許の取り消し処分を受けた人が運転する行為や免停中に運転する行為、そして運転資格のない自動車を運転する行為、運転免許の更新をせずに運転する行為も含まれます。

無免許運転については、道路交通法第64条1項において禁止されており、無免許運転の禁止違反に対する罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

他方、無免許運転をし、人身事故を起こした場合には、自動車運転処罰法が適用されます。

まず、自動車などを運転し、人を負傷させた場合、自動車運転処罰法の定める過失運転致傷罪に問われる可能性があります。
これは、自動車の運転上必要な注意を怠り、人を死傷させた場合に成立する罪です。
前方不注意による人身事故は、多くの場合、過失運転致死傷罪が成立します。
また、危険運転行為を行ったことにより、人を死傷させた場合には、危険運転致死傷罪に問われる可能性があります。

これらの罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転であった場合には、刑が加重されます。
Aさんは、過失運転致傷罪に問われていますが、過失運転致傷罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金ですが、無免許運転により刑が加重されるため(無免許運転過失致傷)、法定刑は10年以下の懲役となります。

酒気帯び運転で事故を起こした場合

道路交通法第65条1項は、酒気を帯びて車両等を運転することを全面的に禁止しています。
これに違反して車両を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあった者については罰則の対象となります。
具体的には、血液1mlにつき0.3mg又は呼気1lにつき0.15mgが基準となります。
酒気帯び運転の法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
アルコール濃度に関係なく、飲酒によって正常な動作や判断ができないおそれがある状態で運転した場合には、酒酔い運転として、酒気帯び運転の罰則より重い5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。

酒気帯び運転で人身事故を起こした場合には、道路交通法違反(酒気帯び運転)に加えて、自動車運転処罰法の過失運転致傷罪に問われることになります。
また、アルコールの影響により正常な運転をした場合には、危険運転致死傷罪が適用される可能性があります。

その上、そのまま現場を後にした場合

Aさんは、無免許酒気帯び運転で人身事故を起こした上、現場から逃走しています。
いわゆる「ひき逃げ」です。
道路交通法は、交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転手その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護儀、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない、という救護措置義務を定めています。
車両等の交通により人の死傷が生じていることを認識しつつ、救護義務を果たさなかった場合、その交通事故が当該運転手の運転に起因するものであれば、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が、運転に起因するものでなければ、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。
加えて、救護措置義務が生じ必要な措置をとった場合に、当該車両等の運転手は警察官に事故を報告する義務が課されており、これに対する違反の法定刑は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金です。

さて、Aさんは、無免許酒気帯び運転の上、前方不注意によって人身事故を起こしたものの、被害者を救護することなく現場を後にしました。
その結果、道路交通法違反(救護義務・報告義務違反、酒気帯び運転)及び自動車運転処罰法違反(無免許過失運転致傷)に問われています。
これら3つの罪のうち、酒気帯び運転は無免許運転過失致傷に吸収され、救護義務・報告義務違反と無免許運転過失致傷との2罪は併合罪の関係となり、各罪中最も重い犯罪に対する刑罰に一定の加重を施して、これを併合罪の罪とします。
具体的には、併合罪のうちの2個以上の罪について、有期懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とします。
つまり、最も重いのは、無免許運転により加重された過失運転致傷罪(無免許過失運転致傷:10年以下の懲役)であり、結果として法定刑は、15年以下の懲役となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件に対応する刑事事件専門の法律事務所です。
交通事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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ひき逃げ事件で勾留阻止

2020-08-01

ひき逃げ事件で勾留阻止に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

大阪府東大阪市の県道で、車を運転していたAさんは、信号で止まっていたVさんの車に衝突しました。
慌てたAさんは、そのまま現場を立ち去り、現場から近いコンビニに車を停め、コンビニで飲料を買いました。
我に返ったAさんは、現場に戻りましたが、既に通報を受けて駆け付けていた大阪府布施警察署の警察官にひき逃げ事件の被疑者として現行犯逮捕されました。
その後、逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、なんとかすぐに釈放されないかと思い、迅速に対応してくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)

ひき逃げ事件で身柄拘束

交通事故を起こした場合、運転手は負傷者を適切に救護し、事故について警察に報告する義務を負います。
このような義務を負っているにもかかわらず、何もせず事故現場から逃亡する行為を「ひき逃げ」といいます。
ひき逃げ事件を起こすと、救護義務違反や報告義務違反で道路交通法違反が成立します。
また、交通事故を起こし、相手方に怪我を負わせてしまったり、死亡させてしまった場合には、多くの場合、過失運転致死傷罪に、場合によっては危険運転致死傷罪に問われる可能性があります。

ひき逃げ事件では、一度現場から逃走しているため、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがあると認められ、逮捕や勾留で身柄が拘束される可能性が高いと言えるでしょう。

ひき逃げ事件で勾留阻止を目指す活動

逮捕に引き続きなされる「勾留」というのは、被疑者または被告人を拘禁する裁判および執行のことです。
起訴前になされる勾留を「被疑者勾留」、起訴後の勾留を「被告人勾留」と呼びます。

被疑者勾留の要件は、①勾留の理由、および②勾留の必要性です。

勾留の理由
勾留の理由とは、
(a)被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当の理由がある場合で、かつ、
(b)住所不定、罪証隠滅のおそれ、、逃亡のおそれ、の少なくとも1つに該当する
ことです。

勾留の必要性
勾留の理由がある場合でも、被疑者を勾留することにより得られる利益と勾留されることで被る被疑者の不利益を比較衡量した結果、被疑者を勾留する必要がある場合でなければなりません。

ひき逃げを起こした場合には、①勾留の理由の「逃亡のおそれ」が認められる可能性が高いでしょう。
そのため、勾留の要件を満たしていない旨を主張するためには、①勾留の理由はあるが、②勾留の必要性がないことを客観的に立証していかなければなりません。
例えば、同居の家族などの確実な身柄引受人がおり、彼らによる監視監督が期待できるため、出頭確保のための手段が講じられており、勾留する必要がないことや、勾留されることで被疑者は職を失う可能性が高くなり、被疑者家族の生活が困窮するおそれがあるため、勾留の相当性を欠くことなどを主張した書面を提出します。

逮捕から勾留までは、長くとも3日で決まりますので、迅速に対応する必要があります。

逮捕から48時間以内に、被疑者の身柄は警察署から検察庁に移ります。
検察庁に送致されない場合は、48時間以内に釈放されることになります。
被疑者は担当検察官からの取調べを受けます。
被疑者の身柄を受理してから24時間以内に、検察官は、当該被疑者について勾留請求をするいか否かを決定します。
勾留請求しない決定がなされると、被疑者は釈放されます。
勾留請求がなされた場合、被疑者の身柄が検察庁から裁判所に移ります。
被疑者は、今度は裁判官と面談をし、裁判官は当該被疑者について勾留するか否かを判断します。
裁判官が勾留決定した場合、検察官が勾留請求した日から10日間被疑者の身柄が拘束されることになります。
他方、裁判官が検察官の勾留請求を却下した場合には、被疑者は釈放されます。

以上の流れにおいて、弁護士は勾留阻止すべく、被疑者の身柄が検察庁にある段階で、担当検察官に勾留請求をしないよう求める意見書を提出します。
検察官が勾留請求した場合には、今度は裁判官に対して勾留決定しないことを求める意見書を提出します。
意見書には検察官・裁判官の手元の証拠・資料には記されていない事情が書かれていることもあり、意見書の提出により検察官が勾留請求をしない場合や裁判官が勾留請求を却下することもあります。

裁判官が勾留を決定した後であっても、その決定を不服として申立てを行うこともできます。
その場合、勾留を決定した裁判官以外の裁判官3人によって、先の決定が正しいか否かが判断されます。
ここで、弁護人の申立てが認められると、先の決定が取り消され、検察官の勾留請求が却下され、被疑者は釈放されることになります。

このように、勾留阻止に向けての活動は限られた時間で迅速に行わなければなりません。
そのため、刑事事件や少年事件に精通した弁護士に勾留阻止に向けた活動を依頼するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件を含めた刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
ご家族がひき逃げ事件を起こしお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。

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