バイク仲間のオフ会で帰宅途中にオフ会参加者をバイクで轢いてしまい、殺人罪の容疑をかけられている事例③

2025-05-07

バイク仲間のオフ会で帰宅途中にオフ会参加者をバイクで轢いてしまい、殺人罪の容疑をかけられている事例③

車が人に追突した人身事故

バイクで事故を起こし殺人罪の容疑をかけられている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

バイクを趣味に持つAさんは、京都府福知山市にあるお店で行われるバイク仲間のオフ会に参加していました。
オフ会中にAさんはオフ会に参加していたVさんとトラブルになってしまったのですが、他のオフ会参加者による仲介によって暴力沙汰には発展しませんでした。
夜も更けてきて各々帰宅することになり、Aさんはスマートフォンで帰宅ルートを確認しながらバイクを運転しお店の駐車場を出ようとしたところ、帰宅するために駐車場内を歩いていたVさんをはねてしまいました。
事故の目撃者による通報で救急隊と警察官が駆け付け、Aさんは過失運転致傷罪の疑いで逮捕されました。
その後、Vさんの死亡が確認され、Aさんは殺人罪の疑いで捜査を受けることになりました。
Vさんとトラブルになった際に、AさんがVさんに対して「お前なんか殺してやる!バイクで轢いたらお前なんてすぐに殺せるんだからな」と発言していたことが問題視されたようです。
(事例はフィクションです。)

殺人罪での起訴を防ぐ

前々回のコラムで解説したように、今回の事例のAさんは、Vさんを殺すつもりはなく、Aさんがスマートフォンに気を取られて周囲の確認がおろそかになったことによって起きた事故であったようですから、殺人罪ではなく過失運転致死罪が成立する可能性があります。
過失運転致死罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)であり、殺人罪の法定刑は死刑又は無期若しくは5年以上の懲役(刑法第199条)です。
殺人罪では死刑や無期懲役刑が規定されていますから、かなり科される刑罰の重い犯罪だといえます。

過失運転致死罪殺人罪では殺人罪の方が科される刑罰が重くなりますから、今回の事例では殺人罪で起訴されることを防ぐことが重要になるでしょう。

取調べの対策

殺人罪での起訴を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか。
殺人罪での起訴を防ぐための防御活動の一つとして取調べ対策が挙げられます。

前回のコラムで解説したように、殺人罪が成立するためには殺人罪の故意、つまり、人を殺す意思が必要です。
今回の事例ではAさんはVさんとトラブルになった際に「殺してやる」と発言しているものの、実際にAさんはVさんを殺すつもりはなく、事故はAさんの不注意によって偶然起きてしまいました。
ですので、Aさんは殺人罪の故意について否定していく必要があるでしょう。

取調べではAさんの供述を基に供述調書が作成されます。
この供述調書は裁判で重要な証拠となりますので、Vさんへの殺意を認める調書が作成されてしまった場合にはAさんに多大な不利益を及ぼす可能性が非常に高いです。
Aさんが頑なに殺人罪の容疑を認めない場合には、捜査官が認めるように圧をかけてきたり、供述を誘導してくることもあるでしょう。
一度、認めの調書を作成されてしまうと内容を覆すことは容易ではありませんから、やっていないことについては否認を貫くことが必要になってきます。
また、自分では認めているつもりはなくとも、話しの捉え方によっては認めているように捉えられてしまう可能性があります。
不利になる供述調書の作成を防ぐためにも、弁護士と事前に取調べ対策を行い、供述すべき内容やそうでない内容の整理やどのように供述するのかを考えておくことが重要になってくるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
刑事事件に精通した弁護士と取調べ対策を行うことで、不利な状況に陥ることを防げるかもしれません。
殺人罪過失運転致死罪などでお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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