愛知のひき逃げ事件で逮捕 面会の弁護士
愛知のひき逃げ事件で逮捕 面会の弁護士
愛知県警西尾警察署は、西尾市内の交差点で出合い頭に自転車との人身事故を起こし、逃走した(ひき逃げ)としてAさんを逮捕しました。
「事故当時、被害者の被害状況を確認し、『どうですか?』と声をかけたところ、被害者は『痛むけれども大丈夫です。』と答えた。
そのため、被害者をそのままにして事故現場を離れた」というのがAさんの主張です。
(フィクションです)
~あるひき逃げ事件の控訴審判決~
今回は昭和36年10月24日仙台高等裁判所判決をご紹介します。
この刑事裁判では、酒酔い運転罪、業務上過失傷害罪(現在は過失運転致傷罪)、救護義務違反罪(ひき逃げ)が問題になりました。
最終的には、いずれの犯罪も成立するとして、禁錮6か月の刑が言い渡されました。
当該控訴審判決のポイントは、第一審判決の様々な点を批判し、変更したところだと思います。
以下では、そのうちの1つを書いておきます。
■救護義務と報告義務の関係性
人身事故事件を起こしてしまった場合、運転手らは、負傷者を救護する義務(救護義務)や警察などに事故発生を報告する義務(報告義務)を負います。
これらの義務に違反した場合、「ひき逃げ事件」が成立します。
さて、第一審判決は、これらの義務違反についてそれぞれ罪が成立するとして、これらを併合罪としました。
一方で仙台高裁は、この点についても、「正当とは認めがたい」として、以下の通り第一審判決を変更しました。
「通常、救護義務等を尽くさない者には、報告義務を果たすことも期待しえない。
よって、救護義務等の違反には報告義務違反が随伴するものと認められる。
また、これらの義務違反の立法趣旨は同じであるものの、法定刑は救護義務等違反の方がはるかに重い。
さらに、条文の表現に照らせば、報告義務違反が問われるのは、救護義務を履行したが報告義務を果たさなかった場合であると解される。
したがって、救護義務違反の他に報告義務違反の成立は認められない。」
ひき逃げ事件は、迅速な被害者対応と逮捕直後の取調べ対応が重要です。
ひき逃げ事件でお困りの方は、愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所までご相談下さい。
なお、愛知県警西尾警察署で初回接見(弁護士の面会)を行う場合、初回接見費用は8万400円です。