名古屋の無免許運転事件 上告の弁護士
名古屋の無免許運転事件 上告の弁護士
Aさんは、普通自動車免許しかないにもかかわらず大型自動車を運転したとして、無免許運転の疑いで名古屋地方裁判所に起訴されました。
検察による取調べの際、Aさんは「上司から人を乗せなければ、普通免許で大丈夫と言われたから問題ないと思っていた」などと供述したそうです。
今回は平成18年2月27日の最高裁判所第三小法廷判決を参考にしています。
~無免許運転事件で上告した事例~
今回参考にした事案の被告人は、普通自動車免許しか持たない状態で乗車定員が11名以上の大型自動車の座席を一部取り外し、座席を10人分以下にした自動車を運転していました。
もしこの自動車が大型自動車にあたるならば、この行為は「無免許運転」にあたります。
一方で、この自動車が普通自動車であるならば、この行為は違法ではないことになります。
最高裁で開かれた裁判の争点は、以下の2つです。
各争点とそれに対する裁判所の判断を記載します。
◆争点1 被告人が運転していた自動車は、大型自動車に当たるのか?
法律上「大型自動車」とは、
・車両総重量が8000キロ以上のもの
・最大積載量が5000キロ以上のもの
・乗車定員が11人以上のもの
を言います。
裁判所は以下のように述べ、被告人の自動車は大型自動車に当たるとしました。
「被告人は、乗車定員が11人以上である大型自動車の座席が取り外し、現存する座席を10人分以下にしている。
しかし、乗車定員を変更した旨を自動車検査証に記入しない限り、その自動車は、なお道交法上の大型自動車に当たる。」
◆争点2 被告人に無免許運転の故意が認められるか?
犯罪が成立するためには、原則として罪を犯した者の故意が必要です。
裁判では被告人に無免許運転の故意があったかどうかも争われました。
裁判所によると、
「被告人が運転していた車両の状況を認識しながらこれを普通自動車免許で運転していた被告人には、無免許運転の故意を認めることができる」
のだそうです。
最高裁は、争点に関して以上のように判断し、被告人の上告を棄却しました。
その結果、被告人に対する有罪判決が確定しました。
日本の刑事裁判では、原則3回裁判所で争う機会が与えられます。
上告とは、そのうち3回目のチャンスにかける訴えのことを言います。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、上告審での弁護活動も行います。
交通事故・交通違反事件を最高裁で争いたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談下さい。
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