遅刻を免れるために信号無視をして死亡ひき逃げ事故を起こした事例②

2025-07-02

遅刻を免れるために信号無視をして死亡ひき逃げ事故を起こした事例②車が人に追突した人身事故

信号無視による死亡事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさんは寝坊してしまい仕事に遅刻しそうだったため、赤信号を無視して車を運転していました。
京都府綾部市の交差点に赤信号で侵入したAさんは、横断歩道を横断中の歩行者Vさんを車でひいてしまいました。
AさんはVさんを車でひいたことを認識しながらも、Vさんの救護や警察署へ事故の報告をすることなく、職場に向かいました。
数時間後、Aさんは、Aさんが起こした事故がニュースで報道されていることを知りました。
報道によると、VさんはAさんによる事故が原因で亡くなってしまったようです。
(事例はフィクションです。)

危険運転致死罪

前回のコラムでは過失運転致死罪について解説しましたが、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転処罰法」)では、危険運転致死罪についても規定しています。

自動車運転処罰法第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の拘禁刑に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期拘禁刑に処する。
(省略)
七 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
(省略)

大まかに説明すると、赤信号を故意に無視して交通事故を起こす可能性のある速度で車を運転し死亡事故を起こすと危険運転致死罪が成立します。

今回の事例では、Aさんは故意に赤信号を無視しています。
また、遅刻を回避しようとしていたようですから、危険が生じないように車を減速させるようなことはしていないでしょう。
ですので、Aさんは赤信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で車を運転したといえそうです。
Aさんの行為によって死亡事故が起きていますから、Aさんに危険運転致死罪が成立する可能性があるでしょう。

危険運転致死罪の法定刑は1年以上の有期拘禁刑です。
過失運転致死罪の法定刑は7年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(自動車運転処罰法第5条)ですから、危険運転致死罪過失運転致死罪に比べてはるかに科される刑罰の重い犯罪だといえるでしょう。

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弁護士に相談をすることで少しでも良い結果を得られる可能性がありますから、危険運転致死罪で捜査を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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