飲酒運転で運転免許証の取り消し処分を受け、運転免許証を偽造・行使した事例①

2025-01-10

飲酒運転で運転免許証の取り消し処分を受け、運転免許証を偽造・行使した事例①

免許証確認

運転免許証偽造した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

北海道札幌市に住むAさんは飲酒運転により、運転免許証の取り消し処分を受けていました。
車がないと不便だと感じたAさんは、運転免許証偽造し車の運転を続けることにしました。
1か月後、Aさんが交通違反行為を行い、北海道札幌中央警察署の警察官に運転免許証の提示を求められたことから、Aさんは偽造免許証を提示したところ、警察官が運転免許証偽造に気づき、Aさんは有印公文書偽造・同行使罪の容疑で逮捕されることになりまし。
(事例はフィクションです。)

有印公文書偽造・同行使罪

刑法第155条1項
行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

刑法第155条1項では、有印公文書偽造罪が規定されています。
有印公文書とは、公務所や公務員を名義人として作成される文書で公務所や公務員の印章・署名が入っているものを指します。
また、偽造とは、作成の権限がない人が他人名義の文書を作成することをいいます。
大まかに説明すると、偽造したものが本物であると誤信させる(行使する)目的で作成する権限がない者が有印公文書を作成すると有印公文書偽造罪が成立します。

刑法第158条1項
第百五十四条から前条までの文書若しくは図画を行使し、又は前条第一項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。

刑法第158条1項では、偽造公文書行使罪が規定されています。
簡単に説明すると、偽造した公文書を本物の公文書や正しい内容の公文書として使用した場合に成立します。

今回の事例では、Aさんが運転免許証偽造し、偽造免許証を警察官に提示しています。
運転免許証は公安委員会が発行し、公安委員会の印章もありますから、有印公文書にあたります。
Aさんは作成の権限がないにもかかわらず、有印公文書である運転免許証を作成しており、Aさんの行為は偽造にあたります。
運転を続けるために運転免許証偽造したわけですから、行使目的で偽造したと考えられ、Aさんに有印公文書偽造罪が成立する可能性があります。

また、Aさんは警察官に運転免許証の提示を求められ、偽造免許証を提示しています。
警察官に本物の運転免許証だと誤信させる目的で提示したといえますので、偽造公文書の行使にあたり、Aさんに偽造公文書行使罪が成立する可能性があるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、有印公文書偽造・同行使罪などの刑事事件をはじめ、過失運転致傷事件などの交通事件なども幅広く対応しています。
刑事事件・交通事件でお困りのことがありましたら、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ご相談ください。

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