【事例紹介】軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進したひき逃げ事件①
【事例紹介】軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進したひき逃げ事件①
軽トラックの荷台を掴まれた状態で発進し、逃げ去ったとしてひき逃げの疑いで捜査されている事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
(前略)京都府向日市寺戸町の府道交差点で、アルバイトの女性(46)=同市=が、軽トラックとみられる車に引きずられて顔面などを強打する事件があった。女性は病院に搬送されたが重傷とみられ、車はそのまま逃走した。京都府警向日町署がひき逃げ事件として捜査している。
向日町署によると、この直前、交差点の横断歩道を渡っていた女性と横断歩道前で停止した車の運転手の男が、何らかの理由で口論となった。女性が車の荷台をつかんだところ、車はそのまま発進。女性を数メートル引きずり逃走したという。
(後略)
(4月22日 産経新聞 「口論の末、荷台つかんだ女性引きずられ重傷 軽トラ?が逃走」より引用)
ひき逃げ
交通事故を起こした場合は、負傷者の救護と最寄りの警察署への報告を行わなければなりません。(道路交通法第72条1項)
負傷者の救護や警察署への報告などを行わないことをひき逃げといいます。
負傷者の救護や警察署への報告は道路交通法で義務付けられていますので、ひき逃げをした場合には道路交通法違反が成立します。
自分の運転によって人にけがを負わせ救護をしなかった場合には、道路交通法違反で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第117条2項)
警察署への報告をせずに道路交通法違反で有罪になった場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条1項17号)
今回の事例では、女性が容疑者の運転している軽トラックの荷台を掴んでいる状態のまま発進し、そのまま数メートルひきづって逃走したと報道されています。
女性はけがをしているそうなので、実際に容疑者が軽トラックで女性をひきづり、救護や警察署への報告などをしていないのであれば、ひき逃げにあたり、道路交通法違反が成立する可能性があります。
ひき逃げと逮捕
刑事事件では、結果が重大な事件や、逃亡、証拠隠滅のおそれがある事件では、逮捕される可能性があります。
ひき逃げでは、現場から逃走しているわけですから、逃亡のおそれがあると判断されやすく、逮捕、勾留されてしまうおそれがあります。
だからといって、ひき逃げで必ず逮捕されるわけではありません。
逮捕の必要性がないと認められる場合には、逮捕はされません。
では、どうすれば逮捕を回避できるのでしょうか。
結論から言うと、必ず逮捕を回避できる方法や手段はありません。
しかし、弁護士と共に出頭し、身柄引受人を指定しておくことで、逮捕のリスクを少し減らせる可能性はあります。
また、逮捕されたとしても、自ら出頭することで、釈放を求める際に有利な事情に働く可能性があります。
しかし、出頭はメリットばかりでなくデメリットもありますから、出頭前は出頭するかどうかも併せて弁護士に相談をすることが望ましいです。
弁護士は逮捕後に検察官や裁判官に釈放を求めることもできますので、逮捕されないか不安な方や出頭を考えている方は、一度、弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談を行っています。
無料法律相談のご予約は、012ー631ー881までご連絡ください。