(事例紹介)道路の使用の許可に抵触する行為

2023-05-03

(事例紹介)道路の使用の許可に抵触する行為

道路使用許可違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

・参考事例

山車が激しくぶつかりあう「突き当て」で知られる福岡県苅田町の「苅田山笠」で、許可されていない道路上で突き当てをしたとして、行橋署は10日、山車を先導していた総括責任者の会社員男性(51)を道路交通法違反(道路使用許可違反)の疑いで行橋区検に書類送検したと発表した。男性は「危ないとは分かっていたが、達成感と満足感を得るためだった」と話しているという。

署によると、男性は昨年10月2日午後5時過ぎ、苅田町京町1丁目の路上で、「いけー」などと呼びかけて、指揮する山車の舁(か)き棒を、他の山車に16回衝突させ、署の道路使用許可条件に従わなかった疑いがある。

山車は全長約15メートル、幅と高さは各約3メートルで、数十人がかりで運行させる。
突き当ては通常、町役場前の駐車場で実施され、署は道路使用許可を出す際、道路上では突き当てをしないよう条件を付けていた。
道路上で突き当てをした際、現場で署員が中止を呼びかけたが、男性は止めなかったという。

(中略)

(朝日新聞デジタル 令和5年4月10日(月) 20時11分配信 「許可外なのに「いけー」 路上で山車激突16回、責任者を書類送検」より引用)

・道路の使用の許可

参考事例の道路使用許可違反は道路交通法の77条各項に定められています。
同法77条は1号から4号までの行為を挙げ、それらを行う際は当該行為に係る場所を管轄する警察署長の許可を受けなければならないと定めています。
参考事例における男性は、下記の号に違反した疑いがあると考えられます。

道路交通法77条第1項4号
前各号に掲げるもののほか、道路において祭礼行事をし、又はロケーシヨンをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で、公安委員会が、その土地の道路又は交通の状況により、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要と認めて定めたものをしようとする者

要するに、道路は車両や歩行者の通行のために用いられる場所であり、それらの場所を通行することは何ら問題となりませんが、道路で祭礼行事をしたりロケーション(ドラマや映画を撮影する等)をする際には、予め所轄の警察署署の許可を必要とします。
今回の神事では、予め警察署長の許可を得て行われていたのですが、その許可にない場所に山車を運び喧嘩神事を行ったことが問題となっているのです。
本条に違反した場合の罰条は「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」とされています(道路交通法119条第2項)。

・弁護士への相談

道路交通法の第1条では、道路交通法の目的は「この法律は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資すること」としています。
そのため、自動車やバイクなどの車両を運転する場合のみならず、歩行者の行為についても禁止・処罰する規定が設けられています。
一般には馴染みのない条文も多いことから、道路における禁止行為をして捜査を受けているという場合、一度弁護士に相談して罪の成立可否や取調べでのアドバイス、今後の見通しなどについて相談した方が良いと思われます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件と少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、これまで数多くの交通事件・事故を取り扱ってきました。

道路の使用の許可等、馴染みのない罪名で捜査を受けている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に御連絡ください。
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