あおり運転で逮捕・交通事件の弁護活動
あおり運転で逮捕されてしまった事例を題材に、交通事件における弁護活動等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
事例:Aは自車を運転中、前方を進行していたV車の運転に一方的に腹を立て、V車の通行を妨害する目的で、急ブレーキや車間距離を急激に詰めるといった行為等し、その進行を妨害した。
警察官は、Aを道路交通法違反(あおり運転)の疑いで逮捕した。
Aの家族は、交通事件に強いと評判の弁護士に相談することにした(本件は事実をもとにしたフィクションです。)。
~あおり運転と道路交通法改正~
近年のいわゆる「あおり運転」の社会問題化を契機に、2020年に道路交通法の改正が行われています。
これは、平成以降における交通事故事件の厳罰化の流れに掉さすものとされており、改正後の道路交通法は以下のように規定しています。
(なお、あおり運転に関しては自動車運転死傷行為処罰法にも改正が及んでいますが、同法に関する解説は別稿に譲ることとします。)
117条の2の2 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(…略…)
11 他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者
この本条第11号は「次のいずれかに掲げる行為」として、イ~ヌまで10類型を掲げています(急ブレーキの禁止や車間距離の保持など)。
そしてかかる行為を、「他の車両等の通行を妨害する目的」をもって「当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法」で行ったものを処罰する旨をいわゆる「あおり運転」として処罰する旨を定めています。
したがって、本件Aの行為は、あおり運転として上記法に反するものと考えられるのです。
なお、このようないわゆる「あおり運転」の処罰には、以下のような加重規定が存在し、この点についても注意する必要があります。
117条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(…略…)
6 次条(注:上記117条の2の2)第11号の罪を犯し、よつて高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者
本条はいわゆる高速道路において、上記第11号の罪を犯し、さらに「他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせ」た場合をより重く処罰する規定です。
~交通事件における弁護活動~
上述のとおり、特に平成以降の法改正によって交通事件は厳罰化の傾向にあります。
特に被害者が存在する交通事件においては被害者への対応は重要であり、この対応如何によって刑事処分を大きく変わってくる可能性があります。
特に被害者との示談が重要であることは、よく知られているところだと思います。
したがって、示談の対応に関しては、早期に被害者に対して謝罪の意向を示すなど、被害者感情に配慮した対応が不可欠です。
本件のように被疑者が逮捕されている場合の示談対応等については、在宅事件と比べ工夫が必要となることもあることから、刑事事件を専門としている弁護士と相談・協議することが重要といえるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、あおり運転などの交通事件を含む刑事事件専門の法律事務所です。
交通事件に関する解決実績を多数有する弁護士が、ご相談等をお受けいたします。
道路交通法違反事件(あおり運転)で逮捕された方のご家族等は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)にまずはご連絡ください。