無免許で電動キックボード運転

2021-07-03

無免許電動キックボード運転した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
埼玉県浦和警察署は、電動キックボードを歩道上で無免許運転したとして、自営業のAさんを道路交通法違反の容疑で、さいたま地方検察庁に送致しました。
浦和警察署は、以前にも無免許電動キックボード運転したとして、Aさんに対して警告を出していました。
Aさんは、今後どのような流れになるのか不安になり、弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

小型で電動走行する電動キックボードは、街中での移動が容易になる移動手段として今後ますます普及していくことが見込まれます。
しかしながら、道路上を走行する以上、事故などの危険を防止するための措置や法律の整備も必要とされています。
今後、電動キックボードが移動手段として普及していく中で、様々な対応策がとられることになりますが、現在は、電動キックボードは法律上、原動機付自転車に区分されており、走行は車道のみで免許も必要となっています。

電動キックボードは、道路交通法および道路運送車両法上の原動機付自転車に該当します。

道路交通法上の原動機付自転車とは、「内閣政令で定める大きさ以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、軽車両、身体障害者用の車椅子及び歩行補助車等以外のものをいう。」をいいます。(道路交通法第2条1項10号)
原動機が内燃機関ではなく電動機であったとしても、定格出力が0.60キロワット以下であれば原動機付自転車となります。
そのため、電動キックボード運転には、運転免許が必要となります。

道路交通法第64条1項は、
「何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第5項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。」
と規定されており、運転免許を受けずして原動機付自転車を運転することも無免許運転として禁止しています。
この規定に違反して無免許運転をした場合には、起訴され、有罪となれば、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

単純な無免許運転事件であれば、逮捕・勾留されるおそれはそれほど高くはないでしょう。
身柄が拘束されていないため、あたかも事件が終了したかのように勘違いされる方もいらっしゃいますが、身体拘束をせずに捜査は続けられています。
警察で何度か取調べを受けた後、事件は検察に送られます。
その後、被疑者は、検察官からの呼び出しを受けて、検察庁での取調べを受けることになります。
捜査が終了すると、検察官は事件について起訴するかどうかを判断します。

無免許運転をしたことに争いがない場合には、弁護士は、起訴猶予による不起訴処分又は略式裁判による罰金処分になるよう弁護活動を行います。

最近にも、無免許電動キックボード運転したとして、道路交通法違反(無免許運転)で検挙された事件がありました。
無免許運転で被疑者となり、対応にお困りであれば、一度交通事件に精通する弁護士にご相談されるのがよいでしょう。

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