無免許運転で前方の車に追突
無免許運転で前方の車に追突
無免許運転での交通事故について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~今回のケース~
埼玉県戸田市に在住のAさん(30歳)は長年、無免許のまま軽乗用車を運転していました。
ある日戸田市内で、Aさんは前方不注意のために、自分の前を走っていたVさん(25歳)の車に後ろから追突してしまいました。
Vさんは、全身むち打ちになるなどの全治5か月の怪我を負ってしまいました。
Aさんは、無免許過失運転致傷罪の疑いで埼玉県蕨警察署の警察官に逮捕されてしまいました。
(フィクションです)
~問題となる条文~
今回、問題となる条文をひとつずつ確認していきます。
〇道路交通法 第64条1項 無免許運転等の禁止
「何人も、~公安委員会の運転免許を受けないで~、自動車又は原動機付自転車を運転してはいけない」
無免許運転は道路交通法で禁止されており、これに違反し、起訴されて有罪判決が確定すると、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科せられます。
事故を起こしていなくても罰せられる可能性があるわけです。
上記の刑事罰に加え、免許の取消や欠格期間(免許の再取得を禁止する期間)の決定といった行政処分が下されることになります。
〇自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律
第5条 過失運転致死傷罪
「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる」
アルコールや薬物の影響を強く受けた状態での運転や、制御困難な高速度での運転といった同法第2条(危険運転致死傷罪)に該当するような行為ではなく、単なる不注意によって人を死傷させた場合は、過失運転致死傷罪にあたる可能性が極めて高いです。
今回のケースでは、Aさんは前方不注意によってVさんの車に衝突し、Vさんは怪我を負ったので、Aさんには過失運転致傷罪が適用されるでしょう。
〇同法 第6条4項 無免許運転による加重
「前条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、10年以下の懲役に処する」
前条、つまり第5条(過失運転致死傷)の罪を犯した者が無免許だった場合は、刑が「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」から「10年以下の懲役」に変わることになります。
今回のケースのAさんも無免許で運転していたため、同法第6条4項が適用され、法定刑が重くなります。
~過失運転致傷罪における弁護士の対応~
過失運転致傷罪のような故意(罪を犯す意思)のない犯罪(過失犯)は、故意犯に比べて逮捕・勾留といった身体拘束を受ける可能性が低いとされています。
そこで、まずは交通事件に詳しい弁護士のいる法律事務所に相談に行くことをおすすめします。
また、身体拘束を受けてしまった場合でも、自分のところへ弁護士を派遣してもらうよう、ご家族の方から弁護士に依頼をすることをおすすめします。
弁護士は、事故を起こしてしまった方と、事件の状況を整理し、警察や相手方への今後の対応について話合うことが出来ます。
また、早いうちから弁護士に依頼をすれば、相手方との示談交渉を早急に行うことができ、刑罰も罰金刑で済むなど、事故を起こしてしまった方にとって納得のいく解決へ向かう可能性が上がります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
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