ながら運転の罰則、反則金が重くなります②
ながら運転の罰則、反則金が重くなります②
前回の記事に引き続き、ながら運転の罰則について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~ 事例 ~
大阪市中央区にある会社に勤務するAさんは、スマートフォンで電話をしながら営業車を運転していたところ、警邏中の大阪府南警察署の警察官に呼び止められ、道路交通法違反で青切符を切られてしまいました。
(フィクションです)
~ はじめに ~
前回の「ながら運転の罰則、反則金が重くなります①」では、自動車及び原動機付自転車を走行中に、スマートフォン等を
・通話のために使用し、又はその画像を注視し、よって道路における交通の危険を生じさせた場合(以下、単に「交通の危険」といいます)
・単に通話のために使用し、又はその画像を注視した場合(以下、単に「保持」といいます)
の罰則が重くなることをご紹介しました。
今回はながら運転の「反則金」と「違反点数」が今後どう重くなるのかご紹介いたします。
~ ながら運転の反則金 ~
反則金は、反則行為をした方(反則者)が国に納付すべきお金のことをいいます。
反則金は行政罰の一種で、刑事罰である「罰金」とは異なります。
反則金を科される手続きも、罰金の手続きとは異なります。
反則金は、交通反則通告制度という通常の刑事手続きとは別の手続きにより科されます。
すなわち、反則行為が発覚した場合は、裁判を受けることなくただちに反則者に反則金などが記載された「青切符(正式名称:交通反則告知書)」が交付されるのです。
そして、それを基に金融機関などで反則金を納付すれば、事件は通常の刑事手続きに乗ることなく終了します。
反則金額及びそれに対応する反則行為の種別については、道路交通法施行令という政令の45条に基づく別表6に記載されています。
道路交通法施行令45条
法(道路交通法)第125条第1項の政令で定める反則行為の種別及び同条第3項の政令で定める反則金の額は、別表第6に定めるとおりとする。
それによると、現行は、「交通の危険」の反則金は、大型自動車「1万2000円」、普通車「9000円」、二輪車「7000円」、原付車「6000円」で、「保持」の反則金は、大型車「7000円」、普通車又は二輪車「6000円」、原付車「5000円」です。
これが今後は、「交通の危険」については反則金は撤廃され、「保持」の反則金は、大型車「2万5000円」、普通車「1万8000円」、二輪車「1万5000円」、原付車「1万2000円」と、現行より約2倍から3倍程度引き上げられる予定です。
なお、「交通の危険」について反則金が撤廃されるということは、検挙されれば「青切符」ではなく、「赤色切符」が交付され、事件は検察庁へ送致される(通常の刑事手続きに乗る)ことになります。
ということは、「交通の危険」を犯した場合は、刑事処分を受け、先日ご紹介した、「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」の範囲内で刑罰を受けるおそれ、前科が付くおそれが高くなったということもできます。
~ ながら運転の違反点数 ~
違反点数については、道路交通法施行令33条の2等に基づく別表2に記載されています。
道路交通法施行令33条の2第3項(参考)
(略)累積点数は、(略)違反行為(略)のそれぞれについて別表2に定めるところにより付した点数の合計をいう。
それによると、現行は、「交通の危険」の違反点数は2点、「保持」の違反点数は1点とされているところ、今後は、「交通の危険」の違反点数が6点、「保持」の違反点数は3点となる予定です。
「交通の危険」の違反点数が6点ということは、過去に違反行為をしたことがない人であっても、刑事処分に加え、30日間免許停止の行政処分を受ける可能性がありますから注意が必要です。
ながら運転は危険ですから絶対にやめましょう!
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