スピード違反って?

2019-09-13

スピード違反って?

福岡県北九州市に住む会社員のAさんは、北九州市八幡西区の一般市道で、道路標識等により「指定最高速度40キロメートル」されているところを、指定速度を60キロメートル超える時速100キロメートルで普通乗用自動車を運転していました。
そうしたところ、Aさんは、一般市道でスピード違反の取り締まりを実施していた福岡県八幡西警察署の警察官に道路交通法違反で検挙されてしまいました。
Aさんは、事情聴取に当たった警察官に「40キロと指定されていたとは知らなかった。」などと話しています。
(フィクションです)

~スピード違反って?~

決められた速度に反して車を運転することを「スピード違反」あるいは「速度違反」といいますが、具体的にどんな場合に成立し、どんな罰則が用意されているのかご存じでしょうか?

道路交通法22条1項には「車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度を超える速度で進行してはならない。」と規定されています。(※車両=自動車、原動機付自転車、軽車両及びトローリバス、軽車両=自転車など)
そして、「最高速度が指定されている道路においてはその最高速度」が「指定最高速度」を、「その他の道路においては政令で定める最高速度」が「法定最高速度」のことを意味していますから、スピード違反、速度違反という場合は、「指定最高速度違反」あるいは「法定最高速度違反」であることをまず抑えておきましょう。
今回、Aさんは「指定最高速度40キロメートル」とされている道路を時速100キロメートルで車両を運転していたわけですから、Aさんは「指定最高速度違反」に問われうることになります。

~故意犯も過失犯も規定されている罰則~

罰則についてはどのように規定されているのでしょうか?
この点、道路交通法118条1項には、

道路交通法118条
次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
1号 第22条(最高速度)の規定の違反となるような行為をした者

と規定されています。
また、道路交通法118条2項には

道路交通法118条2項
過失により前項第1号の罪を犯した者は、3月以下の禁錮又は10万円以下の罰金に処する。

と規定されています。
前項第1号の罪とは「道路交通法118条1項1号」のことを指していますから、道路交通法118条1項1号はスピード違反の「故意犯」、道路交通法118条2項はスピード違反の「過失犯」についての規定ということになります。

ちなみに、スピード違反における「故意」とは、指定最高速度が表示されている道路標識等を(未必的にでも)認識しつつ敢えてこれを超えて車両を運転したこと、「過失」とは、認識はしていないが、注意すれば認識することができた場合に不注意によって認識せずに車両を運転したこと、をいいます(なお、「法定最高速度を知らなかった」という言い分は通じませんから、法定最高速度違反の場合はもっぱら故意犯が成立することになります)。

~Aさんはスピード違反の故意犯?過失犯?~

Aさんの話によれば、Aさんは道路標識等により指定最高速度を40キロメートルとされていることを知らなかった、と主張しているわけですから、Aさんを指定最高速度の故意犯に問えるかどうかが問題となります。
この点に関しては、

① 法定最高速度違反の故意犯が成立
② 指定最高速度違反の過失犯が成立
③ 指定最高速度違反の故意犯が成立

とする3つの考え方があるようですが、裁判例の多くは③説を取っていることが多いようです。

~スピード違反事件の処理の流れ~

スピード違反の場合、一般道なら30キロ未満、高速道なら40キロ未満の速度超過であれば「反則行為」とされ、交通反則通告制度(青切符)により反則金が科されることは皆様をご存じではないかと思います。
ところが、それ以上の速度超過となると「反則行為」とはされず、通常の刑事事件と同様、警察、検察庁の捜査を受けることになります。
そして、検察庁に起訴されれば、上記でご紹介した罰則を科されるおそれもありますから注意が必要です。

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