(訴因変更に強い弁護士)福岡市西区の過失運転致死事件で起訴なら

2017-10-31

(訴因変更に強い弁護士)福岡市西区の過失運転致死事件で起訴なら

Aは、福岡市西区内で自動車を運転中にVをひいて死亡させてしまい、自動車運転過失致死罪逮捕起訴され裁判となった。
検察官は当初、Aが一時不停止を怠ったとして、自動車運転過失致死罪で起訴した。
裁判官は長期の審理の結果、無罪の心証を固め、結審が間近な段階にきたところで、検察官は過失の内容を一時不停止から違うものにしようと訴因変更の請求をしてきた。
(フィクションです)

~訴因変更に対する異議~

訴因とは、「起訴状の公訴事実欄に記載された、犯罪の具体的事実」をいいます。
そして、訴因として記載されていない事実を審判の対象にすることはできません。
訴因は裁判所の審判対象を画するとともに、被告人に防御の対象を示す機能を有します。
そして被告人側は、訴因に記載された事実の存否ないし犯罪の成否を争う形で防御を展開するのであり、その訴訟活動は訴因に大きく左右されます。

そこで、検察官は、訴因変更の権限を誠実に行使するべきであり、濫用してはならないと解されます。
具体的には、被告人の防御の利益を著しく害される場合には、権利の濫用として、訴因の変更は認められないと解されます。

今回の事例では訴因変更の時期は結審間近であり、訴訟の最終段階といえます。
また、過失の内容が一時不停止から新たな過失内容に変更されれば、被告人側には新たな防御が必要となり、防御の利益が著しく害されます。
よって、裁判所は訴因変更請求を不許可とする措置を採るべきと考えられます。

万が一、検察官の訴因変更の請求を裁判所が許可した場合には、弁護士としては訴因変更を違法として異議を申し立てることができます。
そのためには、交通の刑事事件に詳しい弁護士に依頼することをお勧めします。

過失運転致死罪の法定刑は、「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」です。
前科のない者が自動車運転過失致死罪により起訴され裁判になった場合でも、懲役1年2月の実刑判決となった裁判例がありますから、やはり、交通事件刑事事件に強い弁護士のサポートが必要な事件であると言えるでしょう。

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