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(事例紹介)ひき逃げ事件で問題となる罪と弁護活動

2023-06-07

(事例紹介)ひき逃げ事件で問題となる罪と弁護活動

いわゆるひき逃げ事件の報道を踏まえ、過失運転致傷罪と道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

・参考事件

21日早朝、茅ヶ崎市で乗用車同士が衝突し、運転していた女性が重傷を負った事故で、神奈川県警は、現場から逃走した別の乗用車を運転していた35歳の男をひき逃げなどの疑いで逮捕しました。

過失運転傷害と道路交通法違反のひき逃げの疑いで逮捕されたのは、茅ヶ崎市に住む35歳の男です。
県警によりますと、男は21日午前4時半頃、茅ヶ崎市菱沼の県道で対向車線を走ってきた乗用車と衝突。

運転していた藤沢市の67歳の女性がケガをしていたにも関わらず、そのまま車を放置して逃げた疑いがもたれています。
女性は搬送時に意識はあったものの、内臓損傷の疑いもあり重傷ということです。
その後、男が現場に戻ってきたところを県警が事情を聴くなどして逮捕しました。

調べに対して「事故を起こして現場に車を放置して逃げたのは間違いありません」と容疑を認めているということです。 県警が当時の状況を調べています。

(tvkニュース(テレビ神奈川) 令和5年5月21日(月) 22時49分配信 「乗用車の衝突で重傷負わせて逃げたか 35歳の男を逮捕 茅ヶ崎市の県道」より引用)

・ひき逃げについて①~救護義務違反(道路交通法違反)~

参考事例で男性にかかっている嫌疑の1つは道路交通法違反です。
「道路交通法違反のひき逃げ」と取り上げたニュースで書かれていますが、いわゆるひき逃げは法律用語ではなく、道路交通法第72条第1項前段に違反したことを意味する俗称です。
この条文は交通事故が発生した場合、事故に関係する車両の運転手およびその他乗務員は直ちに車両を止め、負傷者を救護し道路における危険を防止する等の必要な措置を講じ、警察官に連絡しなければならないと定めています。
これを、救護義務違反と言います。
救護義務違反の場合の法定刑は「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」としています。(同法117条2項)

・ひき逃げについて②~過失運転致傷~

参考事例の男性に対しては、①に加え人身事故を起こした点について捜査されると考えられます。
参考事例では過失運転傷害という文言が用いられていますが、法律用語としては「過失運転致傷」の罪とされています。
過失運転致傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、自動車運転死傷行為処罰法)に以下のとおり規定されています。

自動車運転死傷行為処罰法5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

・ひき逃げ事件での弁護活動

ひき逃げ事件での弁護活動については、大別すると
A 身柄解放を求める活動
B 起訴を回避するための活動
C 起訴された場合に厳しい刑事処罰を回避する活動
D 犯人ではないとして否認する活動
が挙げられます。

Aについては、逮捕・勾留されている場合に、捜査(被疑者)段階であれば釈放を求める意見書の提出・準抗告申立て・勾留取消請求が、起訴後(被告人)段階であれば保釈を求める弁護活動が考えられます。
BとCとは共通する部分もありますが、示談交渉や起訴回避のための意見書の提出、起訴され裁判になった場合の情状弁護などがあります。
Dについては、そもそも犯人ではないと主張する場合です。
ひき逃げ事件の場合、多くは警察官により防犯カメラ映像や遺留物などから被疑者を特定しますが、捜査対象の車両と事件で用いられた車両が一致しなかったり、一致していたとしても別の者が乗っている等の場合に、犯人ではないとして犯人性否認する場合です。
日本の刑事手続きでは、証拠は起訴されるまでは弁護人であっても見ることができないため、弁護士は被疑者が逮捕・勾留されている場合には接見を頻繁に行い、取調べで質問された内容を正確に聴取し証拠を推測するとともに、応答の仕方や黙秘するべき部分の説明などのアドバイスを行う必要があるでしょう。

ひき逃げ事件の場合、事件の内容によって必要な弁護活動が大きく異なります。
家族がひき逃げ事件で逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。

(事例紹介)バイクと自転車の事故でひき逃げ

2023-04-19

(事例紹介)バイクと自転車の事故でひき逃げ

ひき逃げ事件における道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

・参考事例

岐阜県池田町で、14歳の女子中学生を原付バイクでひき逃げしたとして、男が逮捕されました。
(中略)
逮捕された(略)は、3月22日、池田町池野の交差点で、自転車に乗っていた14歳の女子中学生を原付バイクではねて逃げたひき逃げなどの疑いが持たれています。
女子中学生は右肩などに軽いケガをしました。

(略)容疑者の自宅から一部が壊れた原付バイクが見つかり、調べに対し(略)容疑者は、容疑を認めているということです。

(CBCテレビ 令和5年3月28日(火) 1時48分配信 「自転車の女子中学生を原付バイクでひき逃げ  50歳の男を逮捕 岐阜・池田町」より引用)

・ひき逃げ

紹介したニュースで取り上げられている「ひき逃げ」という言葉は通称で、法的には「道路交通法違反」被疑事件・被告事件と呼ばれます。
問題となる条文は以下のとおりです。

道路交通法第72条第1項
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員…は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
(後段につき省略)

条文のとおり、道路交通法72条1項前段では交通事故を起こして負傷者等が生じた場合に負傷者等を救護をする義務が規定されていて、この義務に違反した場合に問題となるのがいわゆるひき逃げです。
ひき逃げの法定刑は10年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。(道路交通法第117条第2項)

また、刑事事件とは別途行政処分を受ける可能性があります。
救護義務違反の反則点数は35点の加点で、更に事故を起こしたこと自体(過失運転致傷罪)の反則点数が加点されますので、運転免許証は取り消され、少なくとも3年間は運転免許証の再取得ができなくなります。

・過失運転致傷罪

参考事件の場合、運転上必要な注意を怠ったため女子中学生に怪我をさせたと判断されれば、過失運転致傷罪(自動車運転死傷行為処罰法5条)にも問われる可能性があります。
過失運転致傷罪については、過失の程度や被害者の怪我によって刑事罰が決まってきます。
車両同士の事故では、相手方の運転手がスピード違反していたり赤信号を見落としたりするなどの事情があれば自身には過失がないと判断される可能性もありますが、報道のような車両対自転車(あるいは歩行者)の事案では、よほど特殊な状況でない限り車両の運転手の注意義務が大きいと認められ、運転手に刑事罰が科せられる可能性が高いです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所はひき逃げや過失運転致傷罪など交通事故事件をはじめとする、刑事事件を中心に取り扱う弁護士事務所です。
当事務所では、ご家族が逮捕されている場合に逮捕されたご家族のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービス(有料)などを受け付けています。
また、在宅事件の場合は無料での法律相談を受け付けています。

ひき逃げを疑われている方、家族がひき逃げ事件で逮捕されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。

(事例紹介)自転車によるひき逃げ事件で逮捕

2023-02-01

(事例紹介)自転車によるひき逃げ事件で逮捕

・参考事例

自転車で歩行者をはね、そのまま逃走したとして、79歳の男が逮捕された。
(中略)容疑者(79)は、1月5日、東京・大田区の路上で、歩いていた70代の男性に自転車で後ろからぶつかり重傷を負わせ、そのまま逃走した疑いが持たれている。
(中略)容疑者は、「病院に行く時間が迫っていた」などと話し、容疑を認めている。
(FNNプライムオンライン 1月18日 6:25配信「自転車でひき逃げ 79歳男逮捕 「病院に行く時間が迫って…」 東京・大田区」より引用)

・ひき逃げ

参考事例はひき逃げが取り上げられています。
ひき逃げとは、下記の道路交通法に記載されている条文に違反したことを意味する俗称で、「ひき逃げ」という言葉が正式な罪名ということではありません。

道路交通法第72条第1項
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

車両の運転手は上記にあるとおり、交通事故が起きた際に果たさなければならない救護の義務・危険防止の義務・報告(通報)の義務があります。
これらの義務を果たさなかった場合、道路交通法違反のいわゆる「ひき逃げ」が成立します。
道路交通法における自転車は「軽車両」という扱いであり、道路交通法第72条第1項の車両に該当するため、自転車でも「ひき逃げ」は成立します。

・過失傷害罪/重過失致傷罪/業務上過失致傷罪

自転車ひき逃げの被害にあった人物が怪我をしてしまった場合、過失傷害罪や業務上過失致傷罪・重過失致傷罪に問われる可能性もあります。
条文は以下のとおりです。

(過失傷害)
刑法209条1項 過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
 2項 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

(業務上過失致死傷等)
刑法211条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

過失傷害罪は刑法209条2項にあるように親告罪であるため、被害者による告訴がなければ裁判になることはありません。
重過失致傷罪や業務上過失致傷罪は、親告罪ではなく告訴がない場合でも起訴され裁判になる可能性があります。
過失致傷罪や重過失致傷罪・業務上過失致傷罪に加えてひき逃げ(道路交通法違反)が同時に成立し、両罪で起訴された場合、厳しい刑事処罰が科せられる恐れがあります。

人身事故における刑罰は被害者の怪我の程度によっても左右されるので、詳細は弁護士に相談することが好ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、車やバイクの事件だけでなく、自転車での人身事故・ひき逃げ事件などの交通事件も取り扱っております。
自転車で交通事故を起こしてしまった方は、弊所のフリーダイヤル(0120-631-881)へお気軽にご相談ください。

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