無免許運転で人身事故

2020-05-16

無免許運転で人身事故を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

10年前、Aさんは仕事が忙しく運転免許証の更新手続をすることができず、Aさんの運転免許証は失効してしまいました。
しかし、Aさんは、その後も仕事や日常で運転する必要があったので、運転免許証が失効したまま運転を続けていました。
ある日の夜、千葉県鎌ヶ谷市の交差点を左折した際、左から横断していた自転車に気付かず、自転車と接触してしまいました。
自転車はその場で横転し、自転車を運転していた女性は、腕や脚に怪我を負いました。
Aさんは、すぐに車を停め、通報しました。
通報を受けて駆け付けた千葉県鎌ヶ谷警察署の警察官は、Aさんに運転免許証の提示を求めたため、Aさんは持っていた免許証を差し出しました。
免許証を確認した警察官は、Aさんの免許証が失効していることに気付きました。
(フィクションです。)

無免許運転をした場合

「無免許運転」とは、運転免許を受けないで、自動車や原動機付自転車を運転することです。
無免許運転には、次のような4つの場合があります。

①純無免
運転免許証の交付を受けたことがない人が車両を運転する場合。
②取消し無免
運転免許の取消し処分を受け、その処分がなされた後に運転する場合。
③停止中無免
運転免許の停止処分中に運転する場合。
④免許外運転
一定の車両の運転免許を保有しているが、その車両の種別以外の車両を運転する場合。

事例では、Aさんは10年前に運転免許の更新をしなければならなかったのですが、更新をしないまま運転を続けていました。
運転免許の有効期限が切れてしまうと、免許の効力が失われるため、そのまま運転し続けることは無免許運転に当たります。

このような無免許運転をした場合、無免許運転をしたこと自体について、道路交通法違反が成立します。
道路交通法は、運転免許を受けずに自動車や原動機付自転車を運転することを禁止しています。(道路交通法第64条)
これに違反した者に対する罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

無免許運転で人身事故を起こした場合

人身事故を起こした場合、自動車の運転による死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下、「自動車運転死傷行為処罰法」といいます。)により、過失運転致死傷罪、あるいは危険運転致死傷罪が成立する可能性があります。

1)過失運転致死傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第5条)
自動車の運転上必要な注意を怠り、その結果人を死傷させた場合に成立する罪です。
必要な注意を怠るというのは、例えば、わき見運転、前方不注意、ながら運転などしている場合をいいます。
人身事故の多くが、過失運転致死傷罪となります。
過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金です。
その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができます。

2)危険運転致死傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第2・3条)
アルコールや薬物の影響で正常な運転ができない状態での走行、制御困難な高速度での走行、制御技能を有しない走行、重大な交通の危険を生じさせるそう度での人や車への意図的な接近、割り込み、信号無視、重大な交通の危険を生じさせる速度での通行禁止道路の走行といった危険運転を行い、人を死傷させた場合に成立する罪です。
この場合の法定刑は、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役です。
また、アルコールや薬物の影響または幻覚や発作を伴う病気の影響で正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、そのことを認識しながら自動車を運転した上、客観的に正常な運転が困難な状態に陥り人を死傷させた場合にも、危険運転致死傷罪となります。
この場合の法定刑は、人を負傷させた場合は12年以下の懲役、人を死亡させた場合は15年以下の懲役です。

さて、自動車運転死傷行為処罰法の罰則を犯した者が無免許運転をした者であるとき、それぞれ、道路交通法の無免許運転罪との併合罪加重以上の重い法定刑となります。
15年以下の懲役は、6月以上20年以下の懲役に、12年以下の懲役は15年以下の懲役に、7年以下の懲役等は10年以下の懲役と加重されます。
なお、無免許運転中の人身事故に対しては、無免許であったことが死傷の原因であったかどうかを問わず、法定刑加重の対象となります。

無免許運転で人身事故を起こした場合、公判請求され正式裁判となる可能性が高いでしょう。
そのため、交通事件を含めた刑事事件に精通する弁護士に弁護を依頼し、執行猶予付き判決や刑が減軽されることを目指しましょう。

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