あおり運転で妨害運転罪

2020-08-29

あおり運転妨害運転罪が適用されるケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

福岡県糸島市の有料道路で、前を走る車との車間距離を極端に詰めて走行し続けたとして、福岡県警察高速隊などは、道路交通法違反(妨害運転)の疑いで、県外に住む会社員のAさんを福岡地方検察庁に書類送検しました。
Aさんは、今後の処分について心配になり、交通事件にも対応する刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

これまでのあおり運転への対処

あおり運転とは、一般的に、走行中の車やバイクに対して、嫌がらせ等の目的で、極端に距離を詰める、クラクションを鳴らし続ける、急ブレーキをかける等し、道路における交通の危険を生じさせる行為のことを言います。
あおり運転の末に交通事故を起こし、死傷者が出るという痛ましい事件も少なくありません。

このようなあおり運転については、これまで道路交通法違反や刑法の暴行罪などを適用して対処されてきました。
道路交通法については、安全な車間距離を取らずに前車に著しく接近する行為は「車間距離保持義務違反」、隣の車線に車を幅寄せする行為は「進路変更禁止違反」、急にブレーキをかける行為は「急ブレーキ禁止違反」に該当し、同法違反が成立します。
しかし、これらの違反行為に対する罰則は、車間距離保持義務違反で、高速道路を走行中の場合で3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金、その他の道路を走行中の場合は5万円以下の罰金、進路変更禁止違反で5万円以下の罰金、急ブレーキ禁止違反で3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金と、あおり運転が危険な行為であるにもかかわらず、比較的軽いものでした。

妨害運転罪の創設

令和2年6月10日に公布された道路交通法の一部を改正する法律により、「妨害運転」に対する罰則が創設されました。

道路交通法第117条の2の2第11号は、「他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であって、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者」を、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処すとしています。
本条の対象となる行為は、
①通行区分違反:右折や左折などをする場合に、方向別に区分された車線を通らない。
②急ブレーキ禁止違反:不必要に車を急停止させたり、急激な減速をするような急ブレーキをかける。
③車間距離保持違反:前の車との距離を極端に詰める。
④進路変更禁止違反:みだりにその進路を変更する。
⑤追い越し方法違反:追い越し車線ではない通行帯で追い越す。
⑥車両等の灯火違反:ハイビームでの威嚇。
⑦警音器等使用違反:むやみやたらにクラクションを鳴らす。
⑧安全運転義務違反:幅寄せや蛇行運転。。
⑨最低速度違反:高速道路での最低速度より遅い速度での進行。
⑩停車・駐車禁止違反:高速道路での駐停車。

また、道路交通法第117条の2の2第11号の罪を犯し、よって高速道路において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。(道路交通法第117条第6号)

このように、あおり運転自体を行った場合には、新たに創設された妨害運転罪に該当する可能性があります。

また、あおり運転により相手の車両に衝突し運転手や同乗者に怪我を負わせる、又は死亡させてしまった場合には、危険運転致死傷罪が成立する可能性があります。

あおり運転は、重大な事故を生じさせる危険のある行為です。
それに対する罰則も、決して軽いものではありません。

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