名古屋のてんかん発作事故事件で逮捕 私選の弁護士

2015-03-25

名古屋のてんかん発作事故事件で逮捕 私選の弁護士

名古屋市千種区で発生した交事故事件の加害者であるAさんの初公判が名古屋地方裁判所で開かれました。
検察官は、危険運転傷害罪が成立するとして、懲役2年を求刑しました。
Aさんは、「いつ発作を起こすかとビクビクしながら運転していた」と供述しています。

今回は、平成26年9月2日札幌地方裁判所判決を参考にしています。
なお、事件現場や裁判所名については、修正してあります。

~病気の影響による危険運転致死傷罪~

自動車運転処罰法が新設されるにあたり、「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気の影響」による危険運転致死傷罪も処罰されることになりました。
これは、「てんかん症状」などの影響により車を運転中に正常な運転が困難になって人を死傷させる事故が相次いだことから、規定されました。

ここでいう「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気」というのは、政令で定められることになっています。
具体的には、
・てんかん
・統合失調症
・再発性の失神
・糖尿病による低血糖症
・重度の眠気を呈する睡眠障害
・躁うつ病
などが挙げられています。

また「・・・正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で・・・(第3条2項)」という条文の文言にも注意が必要です。
危険運転致死傷罪が成立するには、行為者自身が行った行為を認識している必要があります。
病気の影響による危険運転の場合、自分が病気の影響により危険運転致死傷事件を起こしたという認識が必要になります。
もっとも、当該条文の場合「・・・おそれがある状態で・・・」という文言であるため、運転前に病気を患っていることを認識していれば足りることになります。
つまり、走行中の突然の発作による事故であっても、運転前から病気の存在が明らかである場合には、危険運転致死傷罪が成立しうるということになるのです。
これは、飲酒や薬物影響下における危険運転でも同様のことが言えます(2015年3月24日のブログ参照)。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、危険運転致死傷事件にも強い私選弁護中心の弁護士事務所です。
新設された危険運転致死傷罪に関するご相談も随時お待ちしております。
なお、名古屋拘置所に勾留されている場合の初回接見は、3万5700円で利用できます。

Copyright(c) 2016 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.