名古屋の危険運転致傷事件で逮捕 釈放の弁護士

2015-06-13

名古屋の危険運転致傷事件で逮捕 釈放の弁護士

Aさんは、精神安定剤を大量に服用した状態で車を運転し、複数回の接触事故を起こしました。
Aさんを現行犯逮捕した愛知県警中川警察署によると、逮捕当時Aさんは、意識がもうろうとした状態だったということです。
名古屋地方検察庁は、危険運転致傷罪でAさんを起訴する方針です。
(フィクションです)

~精神安定剤を大量に服用して危険運転致傷事件を起こしたケース~

危険運転致死傷罪とは、法律で定められた危険な自動車の運転により、人身事故を起こすことを言います。
危険運転致傷罪というと、まず思い浮かぶのが飲酒運転のケースだと思います。
しかし、危険運転致傷罪に含まれる危険運転の類型は、飲酒運転だけではありません。
今回は、その中の一つである薬物影響下における危険運転のケースをご紹介したいと思います。

平成16年12月16日名古屋高等裁判所判決です。
この事件は、精神安定剤を大量に服用した被告人が車で高速道路を走行し、3件の交通事故を起こしたという事件です。
名古屋高裁は、「正常な運転が困難な状態」で車を運転し人身事故を起こしたとして、危険運転致死傷罪で有罪判決を言い渡しました。

被告人は、捜査段階において、事故当時の薬物の影響を次のように話していました。
「正座をした後、少し触れただけでもジーンとくるような足の強く痺れた時と同じ感覚の痺れが、頭を含めた全体に出てきました。
そして、体がフワフワして、頭がボーとなって、気が抜けたような感じにもなりました。
その上、震えるほどではありませんが、寒気も感じました。
特に名古屋高速に入った後で、私は、これらの症状を強く感じていました。」
こうした状態で、正常な運転をすることは、およそ期待できなかったでしょう。

持病など正当な理由で薬を服用する場合はあるかもしれません。
それ自体は、決して悪いことではなく、何ら責められるいわれはありません。
ただし、そういった方には、日頃より薬物影響下で正常かつ安全な運転ができなくなってしまう危険性に十分注意していただきたいと思います。

なお、今回ご紹介した判例では、
「正常な運転が困難な状態になるかもしれない、あるいは困難になることを予測した時点」
ではまだ危険運転(アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で車を運転すること)は開始されていないという主張が大きな争点を生じさせました。
もっとも、現在ではこのような議論が生じることはないと思われます。
なぜなら、現在では法改正により「正常な運転に支障が生じるおそれがある状態」で車を運転しても危険運転にあたりうるからです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、危険運転致傷事件法律相談もお待ちしております。
危険運転致傷事件のような重大事件では、容疑者が逮捕・勾留されてしまうケースも多くなります。
そんなときは、釈放に向けた弁護活動をご依頼ください。
なお、愛知県警中川警察署に逮捕されたという場合には、弁護士を同署に派遣することもできます(初回接見費用:3万5000円)。

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