Archive for the ‘無免許運転’ Category

(事例紹介)長期間の無免許運転の発覚

2023-02-08

(事例紹介)長期間の無免許運転の発覚

これまで運転免許証を取得したことがなかった方が長期間に亘り無免許運転を繰り返していたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

・参考事例

21日午後4時過ぎ、愛媛県松山市内の交差点で、危険な曲がり方をした軽乗用車を松山南署のパトカーが見つけた。
署によると、停止するよう呼びかけたが、軽乗用車は逃走。踏切で一時停止せず、対向車線にはみ出して走行するなどの危険行為を重ねながら、1キロほどの距離を逃げ回った。
署員は軽乗用車を袋小路に追い詰め、同市来住町の市道で停止させた。署員が免許証の提示を求めたところ、運転していた松山市の50代の男が発したのは「これまで免許を取ったことがない」との言葉だった。
署は道交法違反(無免許運転)の疑いで男を現行犯逮捕。

署の調べでは、過去に運転免許を取得した形跡は21日時点で確認されていないという。
容疑者の職業は、自動車販売業だった。

(愛媛新聞社 1月21日(土) 22時20分配信 「自動車販売業の男、一度も免許取らず車運転か 松山南署が逮捕(愛媛)」より引用)

・無免許運転について

無免許による運転は、道路交通法の「第4章 運転者及び使用者の義務」の第1節で禁じられています。
以下がいわゆる無免許運転を禁ずる条文と、無免許運転の刑罰を定めた条文です。

道路交通法第64条第1項
何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第5項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。

第117条の2の2第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第1号
法令の規定による運転の免許を受けている者(第107条の2の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第88条第1項第2号から第四号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が一年を超えている場合を含む。)運転した者

無免許運転の場合、前科の有無や運転の理由などの事情によっては略式手続による罰金に処され正式な裁判も開かれずに終わることがあります。
しかし、無免許運転の回数が多かったり、無免許状態での運転期間が長かったりなどする場合はこの限りではありません。
特に「これまで免許を取ったことがない」という場合には悪質であるとして、厳しい刑事処分が科せられるおそれがあります。

無免許運転で逮捕された際には、弁護士に依頼し「車を処分する」「交通定期券を購入するなどして車を運転しなくても生活できる状況をつくる」「家族が再犯防止のための監督をする」などの主張を積極的に行うことで、公判請求の回避や減刑を求める必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の弁護士事務所であり、交通事件の弁護活動も経験豊富です。
弊所では無免許運転などの刑事事件で逮捕されてしまった方のもとに、直接弁護士が伺う初回接見サービスを24時間体制で実施しております。
交通事件の際には護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。

【事例紹介】事故の後続車に急ブレーキを踏ませ過失運転致傷罪

2023-01-05

【事例紹介】事故の後続車に急ブレーキを踏ませ過失運転致傷罪

事故を起こした車の後続車に急ブレーキを踏ませ逮捕された事件を基に、過失運転致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務が解説します。

事例

京都府警下京署は6日、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで、滋賀県湖南市の派遣社員の男(47)を逮捕した。
逮捕容疑は(中略)軽乗用車を運転中に、対向車線にはみ出してタクシーと衝突。タクシーの後ろを走っていた乗用車に急ブレーキをかけさせ、助手席の会社員男性(33)=北区=に頭部打撲のけがを負わせた疑い。
下京署によると、(中略)道交法違反(無免許運転)の疑いでも捜査している。(中略)男の呼気から基準値未満のアルコールが検出されたという。
(12月6日 京都新聞 「京都・四条通で対向車線にはみ出しタクシーに衝突、後続車の男性にけが負わせる 容疑の男逮捕」より引用)

過失運転致傷罪

車の運転中に注意を怠って人にけがを負わせた場合は、過失運転致傷罪が成立し、有罪になると7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金が科されます。(自動車運転処罰法第5条)

今回の事例では、容疑者の運転する車が対向車線にはみ出してタクシーと衝突し、その影響で、タクシーの後ろを走行していた車が急ブレーキをかけたことにより助手席の男性が頭部に打撲を負ったと報道されています。
報道が事実であれば、容疑者がタクシーに追突したことによってタクシーの後続車が急ブレーキをかけることになり、搭乗していた男性が打撲を負ったという流れになり、打撲の原因は容疑者が事故を起こしたことによるものであると考えられ、容疑者の運転により男性がけがを負ったといえるでしょう。
今回の事例の内容からすると、容疑者の車が直接的に被害者の男性に打撲を負わせたわけではありませんが、容疑者の運転によって起こった事故が原因で後続車の男性が怪我を負っているという経緯により、容疑者に過失運転致傷罪の容疑がかけられたものと考えられます。

加えて、今回の事例の事故は、対向車線にはみ出したことが原因だと報道されています。
実際に対向車線をはみ出して走行していたのであれば、運転をするのに必要な注意を怠っていたのだと考えられるでしょう。
ですので、報道内容が事実であった場合には、容疑者は過失運転致傷罪に問われることになります。

無免許運転と過失運転致傷罪

報道によれば、容疑者は無免許運転の疑いでも捜査されています。

無免許運転は道交法第64条第1項で禁止されています。
これに違反し、有罪になった場合には、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。(道交法第117条の2の2第1項第1号)
ですので、容疑者が実際に無免許運転を行っており、有罪になった場合には上記の刑罰が科されることになります。

先述の通り、今回の事例の容疑者は過失運転致傷罪の容疑で逮捕されています。
過失運転致傷罪は無免許運転だった場合に罪が過重されます。
ですので、実際に容疑者が報道のとおりに事故を犯し、なおかつ無免許運転だった場合には、有罪になると、10年以下の懲役刑が科されることになります。(自動車運転処罰法第6条第4項)

事故を起こして人にけがを負わせてしまうと、多くの場合は過失運転致傷罪に問われることになります。
しかし、過失運転致傷罪は相手のけがの程度が軽かった場合には、刑が免除されることがあります。
ですので、事故を起こして人にけがを負わせたからといって、必ずしも刑罰が科されるわけではありません。
さらに、けがの程度が軽くない場合でも、示談など被害弁償や謝罪を行っている場合には、不起訴処分になることがあります。

また、示談交渉を行う際に、事故を起こした本人や家族からの連絡を嫌がられる被害者もいます。
そういった場合でも、弁護士を介してであれば話を聞いてもらえることがありますので、示談交渉を行う際には、弁護士を介して行うことが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
過失運転致傷罪、道交法違反、刑事事件の示談交渉でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談くださいませ。

(データ紹介)令和3年で多かった交通違反・道路交通法違反

2022-11-25

(データ紹介)令和3年で多かった交通違反・道路交通法違反

記事でも度々取り上げている通り、多くの交通違反道路交通法違反という犯罪であり、比較的軽微とされる交通違反は反則金を支払うことで刑事事件化せずに終息させることができますが、それ以外の交通違反道路交通法違反などの容疑で検挙されることになります。

今回の記事では、警察庁の統計(参考)を基に、令和3年に検挙された交通違反道路交通法違反について取り上げていきます。

~令和3年の道路交通法違反~

警察庁の統計によると、令和3年に告知・送致された道路交通法違反554万6,115件とされています。
そのうち、一番多かった交通違反は、一時不停止であり、158万8,628件でした。
これは全体の3割弱を占める数字であり、いかに一時不停止の交通違反が多いかお分かりいただけるのではないでしょうか。

刑事事件となりやすい交通違反道路交通法違反といえば、スピード違反飲酒運転無免許運転が挙げられます。
令和3年中のスピード違反は全体で106万4,818件であり、全体の2割弱を占めました。
スピード違反のうち、一般道では30km/h以上、高速道路では40km/h以上の超過が刑事手続となりますが、統計では、超過速度が30km/h~49km/hであるスピード違反が14万3,567件、超過速度が50km/h以上のスピード違反が1万2,106件となっています。
つまり、年間でスピード違反による道路交通法違反刑事事件となったものが15万件程度はあっただろうと考えられるのです。

また、飲酒運転は令和3年中、1万9,801件告知・送致されており、無免許運転は1万8,844件告知・送致されています。

これらの一定程度のスピード違反や飲酒運転、無免許運転は反則金制度の対象ではなく、刑事事件となる道路交通法違反ですから、1年間で約20万件程度は道路交通法違反事件として刑事事件化していると考えられます。
こうした数字を見ると、交通違反といえど、道路交通法違反刑事事件は身近な話であると感じられるのではないでしょうか。

交通違反であったとしても刑事事件となりますし、刑事裁判となり刑務所へ行くことも考えられます。
刑事手続に対応するには、被疑者の権利としてどういったものがあるのか、全体の流れはどういった形になるのかなど、把握しておくべきことが多いです。
交通違反だからと軽視せず、刑事事件となった段階で弁護士に相談しておくことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、交通違反から刑事事件となったケースについても対応しています。
刑事事件を多数取り扱う弁護士がご相談いたしますので、刑事手続に対する不安のある方は、お気軽にご相談ください。

【事例紹介】無免許運転によるひき逃げ事故で逮捕(京都市伏見区)

2022-10-27

【事例紹介】無免許運転によるひき逃げ事故で逮捕(京都市伏見区)

無免許運転交通事故を起こしそのまま逃亡(ひき逃げ)した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

京都府警伏見署は17日、自動車運転処罰法違反(無免許過失運転致傷)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、京都市伏見区、解体業の男(29)を逮捕した。
逮捕容疑は、(中略)無免許でオートバイを運転中、前方を走行していた会社員女性(36)の軽乗用車に追突し、首に捻挫を負わせ、そのまま逃げた疑い。
(後略)
(10月18日 京都新聞 「無免許で軽乗用車に追突、運転女性にけが負わせ逃走 ひき逃げ疑いで男逮捕」より引用)

無免許運転による過失運転致傷罪

おおまかに説明すると、運転中の過失により人にけがを負わせた場合は、過失運転致傷罪が適用されます。

今回の事例の報道によると、おそらく容疑者の男性は被害者が運転する車に追突しようと思って追突したのではないでしょうから、運転中に何かしらの過失があり追突してしまったのだと考えられます。
そして、追突された被害者は首に捻挫(けが)を負っているので、容疑者の男性には過失運転致傷罪の容疑がかけられています。
なお、もしも今回の事例の容疑者が、過失ではなく、被害者にけがを負わせるつもりで追突した場合は傷害罪などの別の罪が適用されることになります。

今回の事例のように、無免許運転により過失運転致傷罪に問われるような事故を起こした場合は、免許を所持した状態での過失運転致傷罪に比べて罪が重くなります。
過失運転致傷罪の量刑は7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金(自動車運転処罰法第5条)ですが、無免許運転だった場合には10年以下の懲役(自動車運転処罰法第6条第4項)になります。

報道によると、容疑者の男性は無免許運転をしていたとされており、この報道が事実であれば、容疑者の男性が過失運転致傷罪で有罪になった場合、執行猶予が付かない限り懲役刑が科されることになります。

ひき逃げ

道路交通法第72条第1項では、事故を起こした場合について、以下のことをしなければならないと定めています。

①負傷者の救護
②事故現場等の安全の確保
③警察官への事故の報告

以上の3つは事故を起こした際に必ずしなければならないことですので、今回の事例のように事故を起こしてそのまま事故現場から逃げた場合は道路交通法違反(ひき逃げ)になります。

また、①負傷者の救護や②事故現場の安全の確保を行わずに道路交通法違反で有罪になった場合は、以下のような量刑が科されます。
(ア)被害者がけがをしていた場合
5年以下の懲役または50万円以下の罰金(道路交通法第117条第1項)

(イ)被害者のけがが加害者の運転に起因するものであった場合
10年以下の懲役または100万円以下の罰金(道路交通法第117条第2項)

(ウ)被害者がけがをしていなかった場合
1年以下の懲役または10万円以下の罰金(道路交通法第117条の5第1号)

今回の事例で考えてみると、被害者は捻挫(けが)を負っていますので、(ア)か(イ)のどちらかのパターンが考えられます。
今回の事例の場合、容疑者の過失がなければ追突しなかった場合には、(イ)の容疑者本人の運転が原因でけがをした場合が適当だと考えられます。
しかし、もしも被害者側にも事故の原因の一端があった場合(例えば急ブレーキをかけたなど)には、(ア)が適用されるかもしれません。

ですので、報道内容が事実であった場合に、①負傷者の救護、②安全確保を行わずに道路交通法違反で有罪になれば、容疑者の男性は(ア)~(イ)の中で一番重い10年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。

また、③事故を申告せずに道路交通法違反で有罪になった場合には、3月以下の懲役または5万円以下の罰金(道路交通法第119条第1項第10号)が科されます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件に強い法律事務所です。
刑事事件に強い弁護士を付けアドバイスや示談交渉のサポートを受けることによって、手続をスムーズかつ有利に進められることが期待できます。
また、今回の事例のように逮捕されてしまっている場合には、できるだけ早く釈放に向けた弁護活動を行う必要があります。
交通事故により、捜査・逮捕された方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)無免許運転などの身代わり出頭をさせて犯人隠避教唆罪

2022-10-06

(事例紹介)無免許運転などの身代わり出頭をさせて犯人隠避教唆罪

~事例~

無免許運転で事故を起こして逃げた内縁の夫の代わりに、親族の女性を出頭させたとして、大阪府警八尾署は26日、犯人隠避教唆の疑いで、(中略)容疑者(51)を逮捕した。容疑を認めているが、「逃げたのは(内縁の夫ではなく)運転していた知り合いの男だ」と供述している。
同署は、事故を起こした同居する内縁の夫(中略)も自動車運転処罰法違反(無免許過失致傷)容疑などで逮捕。「事故を起こした車は運転していない。後部座席に乗っていた」と容疑を否認している。

(中略)容疑者(※注:「内縁の夫」とされる男性)の逮捕容疑は8月7日午前、同府八尾市末広町の府道で乗用車を無免許で運転し、別の乗用車に接触。運転していた50代男性らを負傷させ、そのまま逃走したとしている。(中略)容疑者(※注:犯人隠避教唆罪の容疑者)は同日、(中略)容疑者(※注:「内縁の夫」とされる男性)が事故を起こしたと知りながら、自身の親族の20代女性を身代わりとして同署に出頭させたとしている。
(後略)
(※2022年9月26日16:54産経新聞配信記事より引用。ただし注釈は追記したものです。)

~身代わり出頭と犯人隠避罪~

今回取り上げた事例では、無免許運転で事故を起こした身代わり出頭をさせた容疑者が犯人隠避教唆罪の容疑で逮捕されたと報道されています。
こうした身代わり出頭に関連するケースは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所でも度々相談に来られる方がいらっしゃいます。
身代わり出頭に関連したケースでは、今回の事例でも登場している犯人隠避罪という犯罪が問題となることが多いです。

刑法第103条
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

刑法第103条では、今回取り上げる犯人隠避罪のほか、犯人蔵匿罪と呼ばれる犯罪も同時に定めています。
どちらも犯罪の嫌疑をかけられて捜査されている最中の者を対象に隠しだてしたり逃がしたりなどすることで成立する犯罪であり、した行為が隠避なのか蔵匿なのかによって犯人隠避罪が成立するのか犯人蔵匿罪が成立するのかが異なります。

ここでいう「蔵匿」とは、簡単にいえば場所を提供して匿う行為を指します。
例えば、刑事事件の被疑者を自宅で匿うような行為は犯人蔵匿罪に当たります。
一方、「隠避」とは、「蔵匿」以外の方法で犯人を逃がしたり逃亡の支援をしたりして、捜査や逮捕を免れさせる行為を指します。
例えば、逃亡資金を渡したり、車に乗せて遠方まで逃がしたりといった行為は「隠避」に当たると考えられます。
今回の事例のような、身代わり出頭をすることや、身代わりを立てることもこの「隠避」に当たります。

しかし、この犯人隠避罪犯人蔵匿罪には、特別な規定があります。
それが刑法第105条に定められている特例です。

刑法第105条
前二条の罪については、犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる。
(※注:「前二条の罪」とは、刑法第103条の犯人蔵匿罪・犯人隠避罪と、刑法第104条の証拠隠滅罪を指します。)

この特例は、犯人の親族が犯人を思って逃がそうとしてしまうのは、人間として自然な感情であると理解されていることによります。
しかし、この特例ではあくまで「その刑を免除する『ことができる』」という表現にとどまっているため、犯人蔵匿罪犯人隠避罪を犯したのが親族だからといって、必ずしも刑罰を受けないとは限らないということに注意が必要です。

今回の事例について当てはめてみましょう。
報道によると、そもそも身代わり出頭自体は、無免許運転や事故を起こしたとされている容疑者の内縁の妻の親族の女性がしているようです。
ですから、この女性には犯人隠避罪が成立するということになりそうです。
さらに、この女性からすると、無免許運転や事故を起こしたとされている容疑者は「親族の内縁の夫」という立ち位置であり、親族ではありませんから、刑法第105条の特例も適用されないでしょう。

そして、今回取り上げた事例で逮捕されている容疑者は、犯人隠避「教唆」の容疑がかけられているようです。
この「教唆」とは、大まかにいえば他人をそそのかして犯罪をさせることを指します。
今回の事例では、報道の内容によれば、身代わり出頭をした女性が自発的に身代わり出頭をしたのではなく、逮捕された容疑者が身代わり出頭をさせたという経緯のようです。

刑法第61条第1項
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。

「正犯」とは、簡単に言えば、実際にその犯罪をした人のことを指します。
つまり、犯人隠避罪の教唆をした場合、実際に犯人隠避罪をした人と同じ刑罰の範囲で刑罰を受けることになります。
すなわち、犯人隠避教唆罪で有罪となれば、犯人隠避罪同様「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金」という範囲で処罰されます。

無免許運転などの交通違反に関連する犯罪などについては、「交通違反程度なら身代わりになってもよい」などと軽く考えてしまい、身代わり出頭をしてしまったり身代わり犯人を用意してしまったりということがおきやすいのかもしれません。
しかし、身代わり出頭によってさらなる犯罪が成立してしまい、より重い処罰が下る可能性もあるため、身代わり出頭は決しておすすめできません。

もしも身代わり出頭をしてしまった、身代わり出頭させてしまったということで刑事事件の当事者になってしまった場合には、その後の刑事手続に適切に対応するためにも、まずは弁護士のアドバイスを受けることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした身代わり出頭事件のご相談・ご依頼も承っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

(事例紹介)無免許、飲酒運転の疑いで逮捕されてしまった事例

2022-09-08

(事例紹介)無免許、飲酒運転の疑いで逮捕されてしまった事例

今回は、無免許、飲酒運転などの疑いで逮捕された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

~ケース~

8月8日未明、無免許で酒を飲んだ状態で車を運転したとして、39歳の女性が逮捕されました。
女性は7日、女性の友人宅で酒を飲んだ後、2015年に失効して無免許なのに友人の軽乗用車を借り運転した疑いがもたれています。
女性は車をガードレールにぶつける事故を起こし、車を放置したまま再び友人の家に戻ったということです。
8日午前7時前、通行人から「車がガードレールにぶつかったまま止まっている」と通報があり警察が車の所有者である友人宅へ駆けつけたところ、前記女性がいたため、無免許運転及び酒気帯び運転の疑いで女性を逮捕しました。
(8月9日 九州朝日放送 「”無免許・飲酒運転”車をぶつけ放置も 女を逮捕」より)

~無免許、飲酒運転で逮捕されてしまったら~

今回取り上げたケースの女性は逮捕されているため、こうした場合の弁護活動の初期段階においては「身柄解放活動」が重要となるでしょう。
無免許運転飲酒運転のみのケースでは、交通事故に伴う被害者もいないため、適切な弁護活動を早期に開始することができれば、釈放される可能性もあります。
ただし、無免許運転や飲酒運転の前科が多くあったり、今回のように事故を起こしてその場から逃げているという逃走の事実があるような場合には、その事実を重く見られて身体拘束が長期化する可能性もあります。

「逮捕」され、さらに「勾留」されてしまうと、身体拘束が非常に長期化します。
逮捕された事実は覆すことはできませんが、初期段階であれば、勾留を阻止する弁護活動を行い、身体拘束の長期化を防ぐことができるかもしれません。
逮捕・勾留による身体拘束がどの程度続くのかという見通しや、してしまった犯罪自体の処分がどうなるのかという見通しは、自分だけではなかなか分かりづらいものです。
逮捕された場合には、速やかに刑事事件に詳しい弁護士と相談し、今後のアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を中心に取扱う法律事務所です。
ご家族が無免許運転や酒気帯び運転などの疑いで逮捕されてしまった場合には、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

(事例紹介)無免許運転の疑いで中学校教諭が逮捕

2022-06-23

(事例紹介)無免許運転の疑いで中学校教諭が逮捕

~ケース~

無免許で車を運転したとして、岡山県笠岡市の中学校教諭の女が逮捕されました。
(中略)
容疑者は28日午前6時40分ごろ、浅口市金光町佐方の国道2号で運転免許が失効した状態で乗用車を運転した疑いです。
(5月29日 KSB瀬戸内海放送配信記事より引用)

~無免許運転の罪~

道路交通法第84条1項では、「自動車及び原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許(以下「免許」という。)を受けなければならない」としています。
適法に自動車等を運転できる免許を受けずにこれを運転すれば、「無免許運転の罪」に問われます(道路交通法第117条の2の2第1号)。
この場合の法定刑は「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」となっています。

~被疑者の社会的地位・立場の問題~

警察官や学校の先生など、模範的な行動を求められる方が何らかの事件を起こすと、より煽情的な報道がなされる傾向があるように思われます。
無免許運転事件は、日本国内でほぼ連日のように起きていますが、ケースで紹介した事件の被疑者として逮捕された方が中学校教諭であることから、より世間の耳目を集め、社会復帰が難しくなる可能性もあります。

~早期の弁護活動のメリット~

弁護活動の一つとして、実名報道の阻止が挙げられます。
実名報道をされてしまうと、長期間、事件を起こした者の氏名として名前が残ってしまうことになります。
早期に弁護活動へ着手することができれば、捜査機関に事件や氏名を公表しないよう働きかけるなどの対策を行うことができます。
弁護活動により必ず報道を阻止することができるというわけではないのですが、事件を起こしたことを知られずに済めば、再就職などの社会復帰もよりスムーズとなるでしょうから、そうした活動も含めて弁護士に相談してみることがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を中心に取り扱う法律事務所です。
ご家族が無免許運転の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【解決事例】同種前科ありの飲酒運転・無免許運転事件で釈放

2022-05-05

【解決事例】同種前科ありの飲酒運転・無免許運転事件で釈放

~事例~

東京都東大和市に住んでいたAさんは、車を運転中、交通トラブルを起こしてしまい、警視庁東大和警察署の警察官が臨場しました。
そこでAさんの飲酒運転無免許運転が発覚し、Aさんは飲酒運転無免許運転による道路交通法違反の容疑で逮捕されました。
翌日、Aさんの自宅に警視庁東大和警察署の警察官が家宅捜索に行ったことでAさんの家族はAさんが逮捕されていることを知りました。
Aさんをどうにか釈放してほしいと考えたご家族は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談にいらっしゃいました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

~弁護活動と結果~

Aさんは、約10日後に仕事で大きな取引を抱えており、Aさん自身が取引に立ち会えなければ取引が破談となり、Aさんが巨額の負債を抱えてしまうおそれがありました。
こうした事情もあり、Aさんやそのご家族は早急にAさんの釈放を実現してほしいと希望されていました。

弁護士が弁護活動の依頼を受けた段階で、すでにAさんの逮捕から約3日経っており、Aさんの勾留が決定していました。
そこで、弁護士はすぐに勾留決定に対する不服申立て(勾留決定に対する準抗告)を行いました。
弁護士が裁判所と交渉した結果、この不服申立てが認められ、Aさんの勾留は取り消されて釈放となりました。
勾留決定されてから1日弱の間に不服申立てが認められたため、Aさんの逮捕から3日程度で釈放が実現したということになります。
その結果、Aさんは取引に立ち会うことが可能となり、取引が破談になったり負債を抱えたりすることを回避することができました。

Aさんに過去に同種前科があったこともあり、Aさんは起訴され、刑事裁判となりました。
同種前科の関係でAさんには実刑判決が下されましたが、弁護活動の結果、検察官の求刑から2か月の減軽となりました。

逮捕されてから釈放を実現するためには、釈放を求められる機会を逃さずに活動を行うことが重要です。
特に、勾留を阻止して釈放を求める場合には、逮捕されてから勾留決定されるまでのごく短期間に活動することが求められます。
今回のAさんの事例のように勾留決定後に不服申し立てをする場合でも、不服申し立てのための準備も必要ですから、弁護士に相談・依頼するのであれば逮捕から早いタイミングであるに越したことはありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、飲酒運転無免許運転逮捕されてしまった方の釈放を実現したいという方のご相談・ご依頼も受け付けています。
まずはお早めにご相談下さい。

無免許運転と緊急避難

2022-01-13

無免許運転と緊急避難について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

Aさんは、交通違反を繰り返し免許取り消しとなっていました。
ある晩、Aさんの子供(1歳)が高熱を出し意識不明となったため、Aさんは自家用車に子供を乗せて自分で運転して愛知県豊明市にある病院まで搬送しようとしました。
病院にまもなく到着しようとした時、警察官に車を停められ、Aさんは後日愛知県愛知警察署で無免許運転、道路交通法違反の疑いで話を聞かれることになりました。
Aさんは「無免許運転をしたのは悪かったが、緊急で子供を病院に連れて行かなければならなかったのだからやむを得ず無免許運転をしてしまったんだ。」と考えているため、刑事事件や交通事件に強い弁護士に相談しようとしています。
(フィクションです) 

~無免許運転~

何人も、公安委員会の運転免許を受けないで(運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車または原動機付き自転車を運転してはいけない。(道路交通法第64条第1項)
罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。(道路交通法第117条2の2第1号) 

無免許運転とは、運転免許を受けないで自動車又は原動機付自転車を運転することです。
今まで一度も運転免許を取得したことがない、運転免許の停止中や失効後、免許証の有効期間が切れた後に運転した場合なども無免許運転に該当します。

Aさんは、子供が意識不明であるという現在の危機を避けるため、やむを得ず無免許運転を行ったとAさんは主張しています。
この場合は、緊急避難という行為に該当するのか、が焦点となるかと思いますので、緊急避難とは何かを見ていきたいと思います。

~緊急避難~

自己または他人の生命、身体、自由または財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした外の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた場合は、情状によりその刑を減軽し、または免除することができる。(刑法第37条1項)
  
1 緊急避難の成立要件
「現在」とは、危難が現在し、または間近に迫った状態をいいます。
「危機」とは、法益に対する侵害または侵害の危険性のある状態をいいますが、この場合は「不正な侵害」に限られないことから、動物の攻撃や自然現象であっても緊急避難の対象となります。
また、人の行為による「急迫不正の侵害」も、「現在の危機」に含まれ、「急迫不正の侵害」を受けた者が、侵害者に対して反撃を行えば正当防衛になり、第三者に対して避難行為を行えば緊急避難となります。

2 避難行為の相当性
緊急避難は、自己が直面した危機を避けるために、第三者の法益を犠牲にして避難行為を行うことから、厳格な相当性が要求され、「補充の原則」と「法益権衡の原則」が必要です。
「補充の原則」とは、その避難行為が唯一無二の手段であって他に方法がなく、真にやむを得ない行為であったことで、「法益権衡の原則」とは、小さな法益を守るために、大きな法益を侵害することは許されないことです。

~事例について~

Aさんはやむを得ず無免許運転をしたと考えていますが、119番通報をする、タクシーを頼むなど、他の方法があったと考えられるため、上記の「補充の原則」を満たすことができません。
よって緊急避難は成立せず、無免許運転、道路交通法違反が成立することとなると思われます。 

~無免許運転に対する弁護活動~

無免許運転に対しては、起訴猶予による不起訴処分や、正式な裁判ではない略式裁判による罰金処分になるように弁護活動を行っていきます。
具体的には、違反行為の態様、経緯や動機、回数や頻度、交通違反歴などを慎重に検討して、酌むべき事情があれば警察や検察などに対して主張していきます。
(事例のAさんの場合は経緯や動機、酌むべき事情について特に検討していくことになるかと思います。)
更に、無免許運転の再犯防止のために具体的な取り組みや環境作りが出来ていることを客観的な証拠に基づいて主張することも重要です。
また、正式裁判になった場合でも、裁判所に対し上記のような主張や立証をすることで、減刑又は執行猶予付き判決を目指していきます。
 
上記のような弁護活動をしていくには、早期に当事者の方に事情等を伺うことが大切です。
そのためにも早期に刑事事件や交通事件に強い弁護士に、相談や弁護の依頼をすることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無免許運転をした方、道路交通法違反に問われている方に対して様々な弁護活動を行っております。

 

無免許飲酒運転でひき逃げ

2021-07-17

無免許飲酒運転ひき逃げした事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
大阪府大阪市都島区の交差点で、横断中の歩行者をひいて逃走したとして、大阪府都島警察署は、車を運転していたAさんを逮捕しました。
事件後、現場から少し離れた駐車場で車を止め、車内で寝ていたAさんを発見し、呼気検査をしたところ、基準値を超えるアルコールが検出されました。
また、Aさんは免停中であることが発覚し、警察は、Aさんが、無免許のうえ、酒を飲んで車を運転し、横断していた被害者をひき逃げした疑いで、捜査を進めています。
(フィクションです。)

無免許飲酒運転でひき逃げした場合

無免許運転かつ飲酒運転ひき逃げをした、という上の事例のようなケースでは、どのような罪が成立するのでしょうか。

1.飲酒運転

道路交通法第65条第1項は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と規定しており、身体にアルコールを保有したまま車両等を運転することは禁止されています。
そして、一定程度以上のアルコールを身体に保有したまま車両等を運転する行為は、刑事罰の対象となります。

■酒気帯び運転■
血中アルコール濃度が一定量に達しているかどうか、という形式的な基準で判断されます。
その基準とは、「呼気1リットルあたりのアルコール濃度が0.15ミリグラム以上」です。
酒気帯び運転の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

■酒酔い運転■
酒酔い運転は、アルコール濃度の検知値には関係なく、「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」で車両等を運転した場合に成立します。
具体的には、直線を真っすぐ歩けるか、呂律が回っているか等といった点から判断されます。酒酔い運転の法定刑は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金と、酒気帯び運転の法定刑よりも重くなっています。

2.人身事故

■過失運転致死傷■
通常、人身事故を起こした場合、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転処罰法」といいます。)で規定される「過失運転致死傷罪」が適用されます。
この罪は、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた」場合に成立します。
前方不注意や巻き込み確認を怠ったこと等の不注意によって相手を死亡させた場合には、過失運転致死傷罪が適用されます。
過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金です。

■危険運転致死傷■
ところが、飲酒運転で人身事故を起こした場合、より重い罪が成立する可能性があります。
それは、「危険運転致死傷罪」です。
危険運転致死傷罪は、「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ」、「よって、人を負傷させた」場合に成立します。
この場合の法定刑は、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以上の有期懲役と、かなり重くなります。
また、「アルコールの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させ」た場合は12年以下の懲役、人を死亡させた場合は15年以下の懲役が科される可能性があります。
危険運転致死傷罪が適用される場合、道路交通法違反(酒気帯び運転、酒酔い運転)は危険運転致死傷罪に吸収されるため、別個には成立しません。

3.無免許運転

■無免許運転■
道路交通法第64条第1項で、「何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。」と規定し、無免許運転を禁止しています。
無免許運転の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

■無免許運転による加重■
自動車運転処罰法第6条は、「第2条(危険運転致死傷)の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、6月以上の有期懲役に処する。」と規定しています。
また、第3条(準危険運転致死傷罪)の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をした者であるときは、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は6月以上の有期懲役と加重されます。
更に、第5条(過失運転致死傷)を犯した者が、無免許運転をしたときは、10年以下の懲役と刑が加重されます。

4.ひき逃げ

■救護義務違反■
道路交通法第72条第1項前段は、「交通事故があったといは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。」と規定しています。
これを「救護義務」といい、これに反して現場から逃走する行為を「ひき逃げ」と呼びます。
救護義務違反の法定刑は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金ですが、人身事故が、「人の死傷が当該運転者の運転に起因する」ものである場合に救護義務に違反した場合は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

■過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱■
自動車処罰法第4条は、アルコールの影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時にアルコールの影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコールを摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコールの濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処すると規定しています。
この罪を犯した者が、無免許運転であった場合には、刑は15年以下の懲役に加重されます。

無免許運転かつ飲酒運転ひき逃げをした場合で、成立し得る罪としては、次の4つのケースが考えられます。
①道路交通法違反(酒気帯び運転、または酒酔い運転)、無免許過失運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の3罪。
②無免許危険運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
③無免許準危険運転致死傷、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
④無免許過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱、道路交通法違反(救護義務違反)の2罪。
いずれの場合も、実刑の可能性が高く、弁護人は、被害者との示談成立、被告人の反省の態度や再発防止措置が講じられている等の被告人に有利な事情を示し、できる限り刑が軽くなるように弁護することになるでしょう。
また、危険運転致死が成立する場合には、裁判員裁判の対象となりますので、裁判員裁判に向けた公判準備を行う必要もあります。
交通事故を起こし対応にお困りの方は、早期に弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事件にも対応する刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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